「怪談・37」(1961年夏頃?(注1)/170円)
収録作品
・いばら美喜「念願成就」
「とあるホテルの一室で、悪夢にうなされる青年。
彼は逃亡中の凶悪犯だった。
青年のうなり声を聞き、隣室の男が部屋にやってくる。
そこで、青年が話した悪夢の内容とは…」
いばら美喜先生のお好きな「頭蓋骨集めて念願成就」のお話です。後、リメイクされております。これって元ネタがあるんでしょうか?
・小島剛夕「ほたる火」
「あんまの徳市は、元はとある店の奉公人。大火事で店が焼けた時に、店のお嬢さんを救うため、視力を失ってしまったのだった。
徳市は、両親も店も財産も失ったお嬢さんを影になり日向になり支えるが、お嬢さんの心の中には、元・奉公人で役者に弟子入りした駒四郎の面影が会った。
お嬢と駒四郎の仲が裂かれようとしている時、徳市がとった行動とは…」
小泉八雲「約束」を彷彿させる、日本人好みの話ではないでしょうか?
「オール怪談・69」に再録。
・清水良「ソロモンのダイヤ」
「とある青年が酔っ払っての帰り道、肩を組んで共に歩いていた男が死んでいることに気づく。しかも、その男は全く見知らぬ男だった。
逃げ出す青年だが、逃げた先で「ソロモンのダイヤ」を受け取る。ダイヤを渡した男もいつの間にか殺される。
ソロモンのダイヤをめぐる陰謀とは…?」
いまいちワケのわからない内容です。作者も収拾つかなくなったのか、夢おちで片付けております。
・古賀しんさく「小さな悪魔」
「銀行強盗の罪で、刑務所にいる青年。
彼は小柄で童顔、ティーンネイジャーにしか見えない。
脱獄を考える青年だが、夜、不思議な霧に包まれ、気がつくと、墓場にいた。
墓参りに来ていた老人に、青年は亡くなった息子にうり二つと言われ、老人の家に「息子」がわりとして住み込むのだが…」
・備考
表紙に小破れ。背表紙下部に破れ。糸綴じあり。
・注1
巻末の、読者投稿のイラストに「1961.7.14」の文字あり。ただ、古い葉書も混ざっているので、正確な発行年月日は不明。
平成26年6月18日 執筆・ページ作成