「怪談・43」(1961年頃?/170円)
収録作品
・いばら美喜「良心」
「現金輸送車を襲って、大金を手にした男たち。
しかし、彼らの前に、自分の姿にそっくりな男が現れる。
それは、彼らの捨てたはずの「良心」だった…」
元ネタは、エドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルソン」でしょう。
が、独特のアレンジを施し、自家薬籠中の物にしております。
「怪談欲の皮」(貸本/ひばり書房)にも収録されております。
・小島剛夕「春の淡雪」
「梅次郎と梅八は、いつもは喧嘩ばかりだが、踊りの舞台ではぴったり息の合った名コンビ。
梅八に縁談の話があるのを知った梅次郎は、心を鬼にして、梅八と縁を切る。
が、嫁に行った梅八は梅次郎のことを想い病みつき、梅次郎は酒びたりとなってしまう。
梅八の心を知った梅次郎は、自分の命運を賭けた舞台に精魂を傾けるが、そこに梅八が現れた…」
・北風三平「蛇と拳銃(ガン)と人間が…」
「とある開発途上の田園地帯で、ギャング同士が、縄張りを巡って、話し合いをする。
平和裏に話し合いを終わらせるつもりが、蛇に驚いたガンマンが撃った一発が、血みどろの殺し合いに発展する…」
・落合二郎「黒い燕尾服」
「高名の音楽家の息子に生まれ、音楽の才能に恵まれながら、麻薬に溺れ、遂には殺し屋に身を落としてしまった譲次。
譲次は罠にはまり、瀕死の重傷を負うが、音楽家志望の青年に助けられる。
譲次は青年にピアノで青年の曲を聴かして欲しいと頼むが、その間に譲次は息絶える。
その頃、譲次の身を案ずる父親のもとで、譲次がその曲をピアノで弾いていた…」
・備考
つじ糸あり。1ページのいばら美喜先生の絵に破れあり。
2014年6月21・30日 執筆・ページ作成
2019年11月14日 加筆訂正