「怪談・66」(200円)
収録作品
・浜慎二「次はお前の番」
「仕事に飽き飽きしているダンプの運転手。
彼は事故で入院をしている間に、特殊な能力を身につける。
それは、右手で人や物に触れると、それに関する過去がわかるというものだった。
彼は、この能力を活かすために、暴力団に雇ってもらおうと考える。
組長の前で、彼はその能力を証明するのだが…」
・小島剛夕「青葉の笛」
「寿永三年二月、一の谷の戦い。
この戦いで、源義経配下の熊谷次郎直実は、心ならずも、まだうら若き平敦盛を討つこととなる。
敦盛の遺品である笛を前に、武士であることに悩む直実だが、敦盛の死を嘆く者がもう一人。
それは、直実の娘、玉織であった。
三年前、玉織が京に雅を習いに直実の知人の家に預けられていた時、玉織と敦盛は和歌と音楽を通して、深く想い合っていたのだった。
敦盛の死を嘆き悲しむ玉織は出奔。
直実は、玉織が一の谷に向かったと確信し、馬を駆るが…」
・サツキ貫太「もう一人のオレ」(1964年1月に描かれた模様)
「暴力団狩りをどうにか逃れ、焼けビルで貧乏暮らしをする青年。
彼は、しがない五反百姓の息子でありながら、仲間には元・貴族の大金持ちの息子だと言いふらしていた。
そんな彼が、実在する元・貴族の青年と間違われ、羽振りが良くなる。
誰も疑いを挟まないのを幸い、彼は、何かの事情で姿を消した青年になり代わろうとする…」
アイデア自体は悪くないのですが、練り込み不足です。
ラストに出てくる「キャプテン・アメリカ」の中○製バッタモンみたいな奴が味わい深過ぎます。
・いばら美喜「港町」
「港に降り立った船員の青年は、一人の男が射殺される場面に遭遇する。
射殺した犯人は、額に穴を開けた幽霊だった。
幽霊は青年に、自分は殺人事件を目撃したために殺されたと説明する。
そして、そこに死んでいるのは、自分を射殺した殺し屋だと話す。
幽霊は、殺人犯人を自白させるため、自分のもとに連れてくるよう、青年に頼むのだが…」
「幽霊G」からの再録。
唐澤俊一氏・編「カルトホラー漫画秘宝館 みみずの巻」にて復刻されております。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり。いばら美喜の作品に乱丁あり(一応、読めます)。後ろの見返しに、貸出票の痕あり。
2015年8月15日 執筆・ページ作成
2018年5月31日 加筆訂正