「怪談・70」(1964年10月頃?/200円)
収録作品
・小島剛夕「牡丹燈籠」
「孤独な身の上の浪人、萩原新三郎。
夏の夜、菩提寺からの帰り道、新三郎は、七不思議で有名な本所の堀割りを通る。
雨の中、木の下で雨宿りしている女性に会い、新三郎は彼女を寮に送る。
彼女はさる旗本の息女でお露という名で、病弱なため、乳母のお米と二人で寮で暮らしていると言う。
その夜以来、毎夜、お露とお米は新三郎の家を訪ねてくるようになる。
しかし、逢瀬を重ねるうちに、新三郎は衰弱していくのだった…」
・浜慎二「頭を使え」
「消息を絶った弟を探して、ある町にやって来た殺し屋。
この町は暴力団が血で血を洗う抗争を展開している町であった。
ここには殺し屋の三人組がいて、生きのよい若者を殺し屋としてスカウトしては、用が済めば、殺して、埋め立て地に死体を埋めていた。
そのからくりを見てとった殺し屋は、この殺し屋達を始末して、自分が殺し屋のトップに躍り出ようと企てる…」
日活のギャング映画の影響大なのでしょうか。(観たことはありませんが…。)
「黒猫」からの再録ではないか、と推測しております。(多分、描かれたのは1961年頃でしょう。)
・サツキ貫太「破船」
「東シナ海で遭難した飛行機。
荒れ狂う海の中、生き残った五人の前に、荒れ果てた無人の船が姿を現す。
火を焚き、夜を過ごすが、一人また一人、姿を消していく…」
・古賀しんさく「胃弱」
「胃弱に悩む升田。
ガリガリに痩せ、少しでも食べ過ぎたら、吐いてしまう、難儀な体質。
彼は世の中の健啖家の連中を憎んでいたが、それには理由があった。
体格のいい男が、毎夕食事に現れ、胃弱で食事のできない升田の前で、彼の夕食を実にうまそうに平らげるのである。
体格のいい男の正体は不明で、升田は自分が幻を見ているのではないかと疑いだす。
遂に耐え切れなくなった升田は、ある外科医を訪れ、他人の胃を移植する手術に臨むのだが…」
この主人公、モデルは古賀新一先生本人ではないでしょうか?
んにしても、ヘンな話です。
・備考
状態悪し。カバー欠。ホッチキスのようなもので綴じ。読み癖ひどし。小島作品と浜作品にシミ・コマにかかる切れ、多し。pp9・10、下部にコマにちょっとかかる欠損あり。pp42・43(浜作品)、下部に大きな裂けあり。pp66〜69(浜作品)、ページの間に何かが挟まって、くっついたための剥げと水濡れの痕あり。古賀作品、目立つシミ多し、特に、pp116・117がひどし。
2016年1月24日 ページ作成・執筆