「怪談・73」(1964年12月頃?(注1)/200円)



 収録作品

・浜慎二「ああ同窓会」
「古道具屋できれいな小箱を見つけた青年。
 その小箱の中には、爪楊枝のような、一本の木切れが入っていた。
 がっかりして、木切れを放り出す青年だが、その木切れが写真の人物の頭に当たる。
 その翌日、その人物が頭に怪我をしたことを知る…」
 元ネタは、A・J・アラン「怪毛」でしょう。
 設定はそっくりですが、結末はかなりアレンジしております。
 浜慎二「SF怪奇入門」(ひばり書房黒枠)にて再録されております。

・小島剛夕「沙羅の花は香れど」
「家庭の事情のため、故郷の島を離れ、京都の寺に修行に出た修之助。
 彼は、島に残してきたお澄みの面影を、寺の宝である金仏に見出し、心の平安を保っていた。
 そこへ、住持の身のまわりの世話用に、お澄みがやってきた。
 しかし、お澄みは島原の遊郭から買われてきたのであった…」

・松下哲也「月夜のぼっこのものがたり」
 東北のとある一部落。
 村一番の金持ちだが、非常に吝嗇な老婆のもとに、不思議な少女がたびたび現れて、いたずらをする。
 とっちめようとしても、すぐに姿を見失い、老婆は遂に包丁まで持ち出して、正体を突き止めようとする。
 が、少女を追いかけている際に、少女は梯子から墜落。少女の正体とは…?」

・サツキ貫太「昇天記」
「住む家もなく、ボートで生活をしている兄弟。
 兄は文盲で、くず拾いをしているが、実は、軍隊帰りの腕をいかして、殺し屋をしていたのだった。
 ある日、対立する組の罠にはまり、兄は瀕死の重傷を負う。
 兄の最期の願いにより、兄弟は母親の墓に向かうが…」


・備考
 表紙にビニールカバーをはがした跡あり。綴じ糸あり。

・注1  巻末の、社員(作家も含む)旅行を描いた文章に「1964年はまさに終ろうとしている」との記述あり。

平成26年6月17日 執筆・ページ作成
平成26年10月13日 加筆訂正

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