「怪談・77」(1965年頃/220円)
収録作品
・古賀しんさく「寒けする」
貧乏探偵の新吾のもとに、行方不明になった息子の探索の依頼が舞い込む。
息子は、安価な電化製品を発明する夢に偏執的に憑かれ、屋敷には大型のクーラーが一台残されていた。
電気も燃料も使わないのに冷風の出てくるクーラーの秘密とは…?」
・小島剛夕「黒髪(第一話)」
「貧しい鼓師は、都の栄華に憧れ、貞実な妻を捨て、関白の娘のもとに走る。
が、虚飾に満ちた都での生活に疲れた男は、気づくと、もとの家の前にいた。
そして、荒れ果てた家には、妻が、美しい黒髪をたもったまま、住んでいたのだった…」
傑作です!!
原作はラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「和解」。
名画「怪談」(1963年)のトップバッターを飾った話でもあります。
もちろん、映画「怪談」を小島剛夕先生は観ていたはずでしょうから、結末にかなりのアレンジを加えております。(こちらの結末の方がいいかも…。)
また、女性キャラの妖艶さは数ある名作郡の中でもトップ・クラスではないでしょうか?
珠玉の一編です。
・小沢まさる「雨の降る夜の出来事」
「財産目当てに、姪を毒殺した叔母。
警察には捜索願を出し、死体はうまく埋めて隠した。
が、ある雨の夜、警察に保護されて、姪が戻ってくる。
彼女は記憶喪失にかかっていた…」
・松下哲也「奇病お嬢さん」
「とある青年が、飛行場で、知り合いの夫婦に偶然に会う。
彼は、夫婦に娘の京子について尋ねるが、彼女は死んだとの答え。
が、彼は夫婦に誘われ、飛行機に乗り込み、謎の孤島に置き去りにされてしまう。
そこで明らかにされる、京子の病気とは…?」
・備考
ビニカバ貼り付け。糸綴じあり。
2014年6月17日 執筆・ページ作成
2017年10月20日 画像追加