「怪談・89」(220円)
収録作品
・浜慎二「その通り」
「大酒飲みの男を、戒めようと、友人二人が易者に金を掴ませて、偽の占いをしてもらう。
その占いによれば、酒を断たないと、殺人、交通事故、溺死に巻き込まれるとのこと。
しかし、占いが男に不安を抱かせ、飲み屋へ足を運ばせる。
へべれけに酔って下宿に帰り、翌日、目が覚めると、手に血のついたナイフ、そして、テレビで通り魔のニュースが…」
・小島剛夕「おぼろ舞」
「伊賀の里。
うら若き忍者の次郎とおぼろ。
おぼろは師匠の娘。おぼろの秘術はとても人間業とは思えぬほど、優れたものだった。
特に、宙をふわりと舞う「おぼろ舞」は全く謎に包まれていた。
一方の次郎は、戦に巻き込まれ両親を失った時に師匠に拾われて、育てられた身の上。
二人は惹かれあうが、おぼろは「私達は忍者なのよ…常人でないのよ……」「人なみの心をもったら、術の破滅……つまり、死あるのみよ」と頑なに心を開こうとしない。
関が原の合戦の一月前、二人に、大阪城に忍び込み、反徳川派の連盟書を盗み出す使命が与えられる。
逃げる途中、次郎は銃弾で傷つき、追い詰められる。
次郎が逃げるように言うにも関わらず、おぼろは瀕死の次郎の胸元にすがりつく。
そして、次郎が憧れていた「おぼろ舞」の秘密を明かすのだった…」
「オール怪談・35」(ひばり書房)からの再録。巻頭の紹介ページの画像はそちらのページで確認してくださいませ。
・関すすむ「蛇娘」
「ある医院。
死んだ母親のことが忘れられず、新しい母親に馴染めない少女。
少女は看護婦から、新しい母親が蛇屋の出なので、蛇のたたりを受けているんではないかという話をされる。
そう言われてみると、奇妙な出来事が身近で続発していた。
少女は母親を蛇女と思い込むが…」
・池川伸治「呪いの顔」
「少女の左頬にできた小さなニキビ。
それを見た継母は顔色を変え、そのニキビを取るよう言う。
継母以外の家族は、単なるニキビと思い、大して気にしていなかったが、ニキビは悪化の一途をたどる。
そのニキビには、継母の過去の悪行が秘められていたのだった…」
・備考
状態悪し。ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。小口研磨。pp1〜4、下部に大きな欠損(左から二番目の画像を参照のこと)。pp21・22、pp31・32(浜作品)、下部に破れ。pp37・38(浜作品、小島作品)、コマにかかる欠損。pp107〜110(池川作品)に裂け。
2014年11月16日 ページ作成・執筆
2018年10月17日 加筆訂正