「怪談・95」(1967年の初め頃?/220円)



 収録作品

・浜慎二「8階の客」
「とあるビルに逃げ込んだ強盗。
 強盗は、子供が一人住む階に逃げ込み、警官隊を煙にまく。
 いい隠れ家ができたと喜ぶ強盗だが、その階は「実在」しない階だった…」

・小島剛夕「落日」
「新撰組は潰滅し、江戸の裏町に身を潜める沖田総司。
 結核におかされた沖田総司は、烏猫(黒猫)の幻に苦しめられていた。
 その始まりは、新撰組を脱退した山南敬助を、沖田総司が斬った時にさかのぼるのだった…。」
 作品自体の出来はいいのですが、個人的に「新撰組」は好かん!!
 こんなことを書けば、非難を多々浴びるでしょうが、「新撰組」には「日本赤軍」の奴らと同じ臭いがします。
「イントレランス(不寛容)」は往々にして「極端」に走るものであります。
 それは現在の中東情勢を見ても、明らかでしょう。
 でも、彼らを「極端」に走らせているものは何なのか…?
 いやはや問題の根は深いと言えましょう。

・池川伸治「ばばあ」(1966年12月20日完成)
「夢のない社会に絶望し、「夢」を求める青年(大金持ち)。
 周囲からはキ○○イ扱いされるが、ある日、彼の「夢」を理解してくれる少女に出会う。
 少女と共に、彼は幸福の絶頂を体験するが、少女の正体は実は…」
 何と申しましょうか…池川伸治先生しか描けないマンガであることは確かであります。
 実際、青年はキ○○イでありまして、少女の正体もタイトル通りなのです。
 ラストの
「そして薬がきれると…少年はふたたび夢の世界に入りこんだ…
 心しかみえなかった少年…
 今日もお花畑を あのまぼろしの少女を追い求めて 少年は走り続けていました」
 救いがありません…。

・備考
 糸綴じあり。ビニールカバーのはがし痕が若干あり。

平成26年7月20・23日 執筆・ページ作成

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