「怪談別冊 黒百合城」(発行年月日不明/190円)



 収録作品

・小島剛夕「黒百合城」
「戦国時代。
 信州の山奥深くに、城を構える豪将早倉景之。
 その忠実な家臣の鷹ノ巣弾正は 野心家である妻にそそのかされ、主君を暗殺、城主となる。
 しかし、徳川側であったのに武田に与し、それがもとで破滅。
 弾正は、死を怯えて、取り乱す妻を斬殺した後、自害。
 弾正の娘、百合は助け出されて、暗殺された早倉景之の息子、和子と兄妹として育てられる。
 いつかは夫婦となるはずだった二人だが、百合には、亡き母親の怨念が血にまで染み込んでいたのだった…。」
 小島剛夕のマンガに出てくる悪女は、目尻のツン上がった三白眼に眉毛が薄いというキツい顔で、描き方もどことなく雑。
 可憐な姫君が突如、そんな面したマクベス夫人となるギャップが味わい深いです。
「怪談・96」にて再録。

・鈴木洸史「白狼の里」
「とある里で、山越えをする人間がことごとく行方不明になる。
 村人達は、白い狼の復讐だと怯える。
 以前、村に被害をもたらす狼の集団を全滅しようとしたが、そのボスの白狼だけは取り逃してしまったのだ。
 ある日、法力を身につけたと称する武士が山越えをしようとする。
 武士は途中、道に迷い、山中に人家を発見する…」
 この作者は、絵柄で判断する限り、岩井しげお先生ではないでしょうか?(確信はありませんが…)
 作品に関しますと、ちょっと練りこみ不足かも…物足りません。

・小島剛夕「おぼろ影」
「伊賀の忍者を率いる、くのいちのおぼろ。
 おぼろの父は、伊賀忍の頭領であったが、任務で赤子を殺すことに躊躇し、それがもとで殺されてしまった。
 そのことを肝に刻み、おぼろは、どんな非情な任務でもまっとうできなかった者には死という、過酷な掟を徹底させる。
 若君暗殺の任務を得て、おぼろは腰元として、とある城に潜入。
 しかし、おぼろと若君は徐々にお互い心惹かれあっていく。
 そして、その若君は、おぼろの父が殺すのに躊躇したという赤子であった。
 若君暗殺の期限は徐々に迫ってくる。おぼろの決断は…」

・備考
 カバー状態悪し。カバー右上部に大きな切れ、左上部に剥げあり。背表紙上部・下部破れあり。糸綴じ穴あり。

平成26年8月15・16日 ページ作成・執筆

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