忠サクマ・劇画/一条明・シナリオ「劇画JAWS」(1975年12月15日初版発行)
スティーブン・スピルバーグ監督による、動物パニックものの大傑作「ジョーズ」(注1)を劇画化したものです。
映画の方は歴史に確実に残る名作でありますが、劇画の方は今一つの印象かも…。
と言いましても、つまらないことはなく、アクション・シーンや残酷描写も頑張っております。(冒頭のお色気描写もちょっぴり頑張ってます。)
ただ、二時間の映画を、100ページにまとめるとなると、やはり無理があったように思います。
詰まる所、映画を観れば充分なのでして、敢えて劇画化する必要はなかったかもしれません。(注2)
ただ、ヒットしたアニメの活字本が出るのと同じことで、映画がそれほど大きな反響を呼んでいたということなのでしょう。
実際、「ジョーズ」の公開以降、その影響はいろんなところで散見されております。(「ジョーズ」のパロディーと言えば、すぐに幾つか頭に思い浮かびませんか?)
とりあえず、この「劇画JAWS」から窺えることは、当時のこの映画に対する熱狂と断言して構わないと思います。
・注1
私が小学校の頃には、テレビの金曜ロードショーとかでよく放送されていたものです。
子供心にひどくショッキングではありましたが、まさしく画面に釘付けになって観ておりました。
最近の若いホラー・ファンには未見の方が多いと思いますので、是非一度は観賞していただきたいものです。
余談のついでに、「ジョーズ」と並ぶ、動物パニックものの傑作にアルフレッド・ヒッチコック監督の「鳥」があります。
これは半世紀前の映画ではありますが、名作中の名作として、一見の価値は絶対にあります。(ちょっと合成っぽいけど…。)
また、「鳥」はダフネ・デュ・モーリアの原作でして、この原作もかなりの面白さです。
「鳥 デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫/2000年11月17日初版発行)に収録されており、60ページぐらいの短編です。
・注2
「劇画JAWS」は「ヘラルドコミック」第一号とのことです。
第二号があったのかどうか定かでありません。
・備考
表紙カバー上部に一部、ヨレあり。
2017年4月6日 ページ作成・執筆