兆豪筋「ブレード」(1989年7月10日初版発行)

 収録作品

・「5番街の吸血鬼」
「5番街は吸血鬼により全滅、4番街も吸血鬼に侵されつつあった。
 レティシアは、唯一の肉親である姉を吸血鬼にされ、単身、5番街に向かう。
 しかし、十字架は効かず、窮地に陥った時、博士と弟子のチャールズが対吸血鬼兵器を持って参上。
 三人は、吸血鬼のボスがいる礼拝堂に乗り込むのだが…。
 吸血鬼のボスの正体は…?」

・「FRIENDS」
「主人(名前はアラン・パーソンズ?)を亡くして、悲嘆に暮れる妻。
 一人娘のシンディはパパに会わせてあげると言って、母子は夜の墓場を訪れる。
 すると、信じられないことに、墓から夫が姿を現す。
 驚いた妻はその場から走り去り、木陰で息を切らせいているところに、三人のチンピラが現れる。
 彼女はチンピラ達にレイプされそうになるのだが…」

・「CAT'S NAIL」(1986年)
「シャロンの愛猫、ロージーはいじめっ子三人組によって木に逆さ吊りにされる。
 シャロンはどうにか木に登って、ロージーを救出。
 その夜、ロージーはシャロンと肉体を入れ替え、いじめっ子達に復讐を開始する…」

・「BLADE@」
「夜の食堂にとび込んできた泉という娘。
 彼女を追うものとは…?」

・「クリスマスは大きらい」(1986年)
「ジュディはクリスマスが大嫌いな女の子。
 クリスマスの夜、一年前に死んだ父親がゾンビになって帰って来る。
 父親ゾンビは母親の首をパンチでぶっ飛ばすと、ジュディに迫る。
 絶体絶命のジュディにサンタが贈った物とは…?」

・「嵐の夜」
「イリスはアル中の父親から幼児虐待を受けて育つ。
 ある日、父親のお気に入りのグラスを割ったことで、イリスは全裸にされて、雷雨の中、外に放り出されてしまう。
 そこに雨合羽に身を包んだ大男が現れ、彼女にいたずらをする。
 数年後、父親は死に、13歳のイリスは、隣に引っ越してきたエレナという女子大生と仲良くなる。
 ある夜、二人は今までで一番怖かったことを話す。
 イリスは雷雨の夜のことについて話すが、雨がっぱの大男はローブの化物に変わっていた。
 この変化に心理学的興味を覚え、嵐の夜、エレナは、アル中の父親がしたように、イリスを裸にして外に追い出すのだが…」

・「地下室の悪夢」(1988年)
「廃墟となったアパートの地下室。
 そこは昔、何かの儀式に使われたという噂があった。
 ある日、二人の娘が地下室の部屋で、レズ行為を始める。
 すると、壁の中からモンスターが現れ、片方の娘を殺害。
 そして、もう一人の娘の身体と交換した後、モンスターの身体の方は殺される。
 四年後…」

・「BLADEA」
「食堂に現れたのは、巨大な刃のついたケーブルを操る奇怪なロボットであった…」

・「妖精の来た街」(1988年)
「青年が帰宅すると、窓の外で、妖精が雨宿りをしていた。
 彼は妖精を部屋の中に入れ、温める。
 妖精は窓のそばに置いてあった植木鉢の花に惹かれたらしい。
 だが、その妖精を何者かに追われていた。
 青年は妖精をかばって、逃げるのだが…」

・「FACTORY」
「行方不明の妹を捜しに、町に出た娘はサイボーグ女性と出会う。
 このサイボーグによって町の人達は拉致され、ゴミ収集車で工場らしき場所に運ばれる。
 ここには人間を改造人間にするところであった。
 隙を見て、娘はここから脱出するのだが…」

・「BLADEB」
「泉の男友達はロボットにガスボンベを転がした後、火を投げつけるのだが…」

・「FORCE OF DARK」
「外国にいる妹の裕子から「助けに来て」という電話があったきり、行方不明となる。
 姉が彼女の部屋を訪れると、ベッドに手紙があった。
 それには、裕子が、さとみという娘に会ったことが書かれてあった。
 さとみはこの国の邪教に興味があり、邪神と対等に戦える剣を手に入れていた。
 だが、邪神と戦うには、異国の女性で、全裸でなければならないという。
 翌日、さとみは姿を消し、裕子は日本に帰ったものと思っていたのだが…。
 裕子の身に起こったこととは…?」

・「BLADEC」
「爆発により、ロボットのハッチが開く。
 中から現れたのは…。
 そして、ロボットがバラバラになった後…」

 絵は上手なのですが、ストーリーが弱い作品が多いように思います。
 より詳しく言いますと、設定をちゃんと説明せず(考えていない?)、読者の想像力に丸投げして、思い付きのアイデアだけで勝負しているのです。
 そういうのが気にならない人もいるでしょうが、私はそういう作品を読むと、中途半端に思えてしまって、モヤモヤしてしまいます。
 この単行本では、「FRIENDS」「CAT'S NAIL」「クリスマスは大きらい」「地下室の悪夢」の出来が良いように考えております。
 中でも、痛快かつユーモラスな「クリスマスは大きらい」は個人的ベストです。
 ちなみに、表題作の「BLADE」は中身のないストーリーで、ワケわかりません。

2022年12月30日/2023年2月8日 ページ作成・執筆

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