長谷川裕一「童羅」(1993年10月1日初版発行)

・「童羅」
「PART1 序章」
 花園ドウラは、金髪で碧眼の女子高生。
 彼女は赤ん坊の頃、教会の前に捨てられ、花園夫婦に拾われる。
 以来、両親と兄(名前不明)の深い愛に包まれながらも、彼女はある不安を抱き、それは強まるばかりであった。
 彼女に不安を与えるのは、彼女の母親の夢。
 夢の中で、母親は四肢を拘束され、巨大な魔物に犯される。
 そして、目覚めた時には、ドウラの右胸に鉤爪のようなアザが浮き出ているのであった。
 ドウラの誕生日(彼女が花園家に来た日)、彼女は「みつけた」という声を感じ、心臓が異様なほど、高鳴る。
 教室をとび出し、急いで家に帰るのだが、そこで彼女が見たものは…。
「PART2 グリフ」
 ドウラの前に現れた夜魔・グリフ。
 グリフは、ドウラが、今は亡き「封印されし名前の魔王」と人間の母親の間に産まれた王女であることを教える。
 そして、彼女を花嫁とすれば、魔王の座を手に入れることになるため、多くの魔物が彼女の行方を血眼で捜していた。
 グリフはドウラに母親についての夢を見せ、犯そうとするのだが…。
「PART3 ケステル」
 母の形見であるペンダントを捜して、ドウラは、自分が拾われた教会を訪れる。
 そして、そのペンダントは、ドウラの父親である魔王の命を奪ったものであった。
 教会には、ユリという少女がいて、父親の神父は今、病気で臥せっていると言う。
 ドウラはユリの家に泊まることになるが、吸血鬼ケステルがユリにとり憑いており、ドウラを襲う機会を窺っていた…。
「PART4 バモク」
 ペンダントは聖心霊学研究所にあると聞き、ドウラと兄はそこに向かう。
 ドウラはペンダントを手にするが、魔王の血を引く彼女にとっては危険なもので、彼女のパワーを抑え込む効果があった。
 力を抑え込まれたドウラの前に、魔界の伯爵、バモクが姿を現す。
 善戦も空しく、ドウラはバモクに身体の自由を奪われ、凌辱される。
 一方、ドウラの兄は、彼女の父親の正体を知る。
 彼は、堕ちようとするドウラに真実を告げようとするのだが…。

・「ドラゴン・ハリアー」
「アメリカ海兵隊ハリアーパイロット、エドガー・カータ。
 彼は中東に向かう途中、異世界に迷い込み、ドラゴンとニアミスして不時着。
 そこで、「ウレナ」という名らしい娘に助けられる。
 彼女の父親は鍛冶屋で、家は山間の小さな村にあった。
 ここは地球ではなく、言葉は通じないものの、ウレナは彼に親切に接する。
 三日目の晩、湖の畔で、ウレナは涙を流しながら、彼に髪の毛を切って、手渡す。
 彼が訝っていると、村の方から火の手が上がる。
 急いで駆け付けると、先日、目にしたドラゴンが暴れて、娘達が次々と捕まっていた。
 実は、このあたりを支配下に置く大魔導、アザー・ゲルンが、選ばれた娘達を邪王竜「グラン・マドック」のエサにしていたのである。
 ウレナも捕まり、エドガーは竜のブレスを受けるが、どうにか一命を取り留める。
 エドガーは、彼女の父親の助けを借りて、ハリアーを修理。
 娘達が生贄にされる日、彼はハリアーでアザー・ゲルンの居城に殴り込みをかける…」

 大ベテランの長谷川裕一先生の描いた、数少ないエロ漫画らしいです。
 ヌメヌメした触手がたくさん出てきて、伝説的な「くりいむレモン 超次元伝説ラル」の影響が強いのではないでしょうか?(p38とか)
 基本、魔物とのチョメチョメばかりではありますが、長谷川先生の女性キャラは非常にエロ漫画と相性が良く、読み応えはあります。
 なお、この作品に50ページ以上の加筆を施し、再編集した「堕天使伝 童羅」(大都社)という単行本があります。
 こちらでは一話が描き下ろされ、エロ・シーンもパワーアップしております。
 ただし、若干、プレミアが付いており、読むのは少ししんどいかもしれません。

2021年6月14・15日 ページ作成・執筆

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