筒井康介・原作/高橋直樹・漫画
「Yの楽園@」(2014年6月6日第1刷発行)
「Yの楽園A」(2015年1月6日第1刷発行)

・「Episode1 最哀の人」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2013年第12号)
「2014年3月某日。
 私立尾屋高校の卒業生が卒業旅行として駿河湾沖にある陰茎島にやって来る。
 彼らは島の宿舎に泊まり、その夜、イケてる連中が集まって「王様ゲーム」を始める。
 その中には場違いな飯尾一也(大人しい青年)と田中一(通称「ヤンス」/眼鏡の童貞ボーイ)がいた。
 また、一也が想いを寄せる元野沙耶もその場におり、一也は幸せでいっぱいであった。
 ところが王様ゲームで沙耶はチャラ男とディープキスをするよう命令される。
 沙耶はこれを拒まず、それどころか、相手とセックスをし始める。
 これがきっかけとなり、一也とヤンスを除いて、乱交が始まる。
 純情だったはずの沙耶がセックスするのを目の当たりにして、一也は耐え切れず、「やめろ」と絶叫する。
 その時、セックスしていた男どもの頭が爆発。
 更に、女子は皆、化け物へと変化していた…」

・「Episode2 クラスメート」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第1号)
 一也とヤンスは逃げている途中、王様ゲームに参加しなかった金城宗幸(通称「ナル男」/チャラチャラしていて感情的)、家郷慎二(メガネデブ)、作元健司(柔道日本五位のマッチョマン)たちと出会う。
 彼らは化け物と化した女子たちに追われ、行き止まりに追いつめられる。
 その時、ヤンスが秘密の仕掛けを偶然にタッチし、彼らは落とし穴の下の部屋に転落。
 そこは妻とのセックスレスに悩む研究員が過去に使用していた部屋であった。
 彼らはウイルスの研究をしていたようなのだが…」

・「Episode3 ヤリマン」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第2号)
「奥の部屋から山口理恵という女性が現れる。
 彼女はこの島でおばの研究を手伝う、若き研究員であった。
 そして、女子たちが感染したのは「異常性欲症」で、「性欲に支配されペニスを求め続ける」というこの島だけの奇病だと言う。
 この病気は処女以外はほぼ100%、罹患し、感染者は「ヤリマン」もしくは「ネオヤリマン」と呼ばれる。
 そして、この病気の治療法は現在のところ、存在しなかった。
 この部屋にもネオヤリマンたちが迫り、一也たちは山口理恵の案内で宿舎から脱出しようとする。
 その時、彼らはクラスメートの佐倉あゆみと出会う。
 彼女の親友のドブス・デブ子に何かが起こったようなのだが…」

・「Episode4 純愛」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第3号)
「一也たちは避難所へとたどり着く。
 ここは頑丈で、ヤリマンたちは入れないはずなので、まず一晩しっかり休むことにする。
 だが、男どもは今日一日、あまりにいろいろとあったので、なかなか寝付けない。
 そこで彼らはダべり始めるのだが、家郷により元野沙耶の本当の姿が明かされる…」

・「Episode5 再会」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第4号)
「山口理恵から連絡がなく、救助のヘリが飛んでくるが、何者かに撃墜される。
 仕方なく、理恵は研究所まで歩いて行くことを提案する。
 途中、彼らはクラスの女子二人と出会うが、彼女たちは実はネオヤリマンであった。
 行く手には吊り橋があり、皆を先に渡らせて、一也はしんがりをつとめるのだが…」

・「Episode6 沙耶ちゃん」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第5号)
「一也が目を覚ますと、川岸にいた。
 幸いケガをしてなく、研究所を目指そうとした時、元野沙耶に声をかけられる。
 彼女は正気に戻っているようで、気が付いたら、森にいたと話す。
 しかし、彼女は一也を誘惑し始める。
 彼は自分の好きだった彼女ではないと思い、彼女を抱こうとするのだが…。
 彼の選択は…?」

・「Episode7 怪物」(単行本@/「月刊ヤングマガジン」2014年第6号)
「一也を除く一行は研究所に着くも、そこは破壊されていた。
 現場には巨大な足跡が残されており、ここには彼らの知らない何かの生物がいるらしい。
 更に、山口理恵はウイルスが進化しているのではないかと疑う。
 一方、一也は沙耶と共に研究所を目指していたのだが…」

・「Episode8 疼き」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第7号)
「一也と沙耶の前に巨人が現れる。
 掴まれそうになり、咄嗟に一也は沙耶を助け、その場から逃げる。
 二人は火里高(かりだか)村という廃村にたどり着き、そこで夜を過ごす。
 二人の想いは…?」

・「Episode9 諍い」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第8号)
「研究所は破壊されたものの、屋外にあった守衛室は無事であった。
 佐倉あゆみと山口理恵がシャワーを浴びていると、ナル男とヤンスが覗きに来る。
 二人を退散させたが、後であゆみと理江の下着がないことに気付く。
 あゆみはナル男たちが下着を盗んだと詰め寄るが、ナル男たちは否定。
 更に、作元がナル男たちに加勢するのだが…。
 その頃、沙耶は一也の前から姿を消す。
 一也が火里高村の中を捜していると、研究所の生き残りの女性と出会う。
 彼女は高村ゆかり。山口理恵のおばであった。
 彼女は30歳になっても処女であることにコンプレックスを抱いており…」

・「Episode10 破瓜」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第9号)
「高村ゆかりはネオヤリマンになって一也に襲いかかる。
 性欲抑制薬で一時的に行動を止め、その隙に逃げると、一也は他の皆とばったり出会う。
 山口理恵は彼から事情を聞き、この村で一人研究を続けている人のところに避難しようと提案。
 皆でその研究員の家を捜すのだが…」

・「Episode11 性具」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第10号)
「外に高村ゆかりが徘徊し、一也たちは一軒家から出られなくなる。
 すると、作元がある提案をする。
 それによって、一也たちはまた別の窮地へと陥る。
 この窮地を打破したのは…?
 そして、一也たちは火里高村の最後の家である仕掛けを見つけるのだが…」

・「Episode12 因果」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第11号)
「仕掛けを解くためにはある道具が必要で、一也たちは一旦、宿舎へと戻る。
 その途中、学年主任の喜多国男がヤリマンたちに捕まっているところに遭遇し、喜多を助ける。
 喜多こそが陰茎島への卒業旅行を企画した張本人であった。
 その理由とは…?
 道具を手に入れ、火里高村へと戻る時、一也たちの前に巨人が現れる。
 巨人は一也たちもよく知っている女性で…」

・「Episode13 童貞博士」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2014年第12号)
「仕掛けを解除し、彼らは秘密の地下室で日誌を発見する。
 それによると、童貞ヶ沼で今夜、何かが起こるらしく、彼らは急いで向かう。
 沼には巨大な潜水艦があり、甲板に「ダッチワイフを被った男」が立っていた。
 彼の名は道貞博士(みちさだ・ひろし)、通称「童貞博士」。
 彼こそが異常性欲症の発見者で、「ヤリマン」の命名者であった。
 彼の目的とは…?」

・「Final Episode 元のサヤ」(単行本A/「月刊ヤングマガジン」2015年第1号)
「事件の真の黒幕が明らかとなり、皆、絶体絶命の窮地に立たされる。
 一也はヤリマンとなった元野沙耶への愛を貫くことができるのであろうか…?」

 裏表紙のストーリー紹介に「世紀の不道徳漫画」との文句がありますが、あながち間違いではありません。
 徹底した下ネタの嵐で、思春期真っ盛りの男子中学生の脳内妄想のような味わいです。(褒めてます。)
 加えて、エログロなストーリー&安直な展開に脳ミソが本気で腐りそうです。(褒めてます。)
 そういう漫画なのに、「純愛」が作品の基底にあり、結末だけ妙にファンタジック、かつ、爽やかで、のけぞりました。(褒めてます。)
 と書いてきましたが、普通に面白かったりするのが困りもの。
 「ヤリマンという化け物女とセックスすると男の頭が爆発」という設定だけでも、かなりのインパクトです。
 しかも、こいつで世界を滅ぼそうと言うのですから、なかなかのトバしっぷりです。(「開いた口が塞がらない」とも言います。)
 ちなみに、個人的には、ヤリマンよりも作元健司の方が怖かったです。(これはマジ!!本当にいたら、始末に負えない。)
 一般人には決してお勧めできない内容ではありますが、読んだら喜ぶ人も多そうなので、気になる方がおられましたら、暇な時にでも読んでみては如何でしょうか?

2025年1月31日/2月1・3日 ページ作成・執筆

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