古谷野孝雄
「ビンゾー@」(2016年11月15日初版発行)
「ビンゾーA」(2017年4月15日初版発行)
「ビンゾーB」(2017年9月14日初版発行)
「ビンゾーC」(2018年2月15日初版発行)
・「第1話 神」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2016年6月号)
「201X年、ある老婦人の死をきっかけニューヨークでゾンビ・ウイルスが蔓延。
それはイギリス、ヨーロッパ全土へと拡大し、世界中がパニックとなる。
パンデミックの最中、日本は鎖国政策を行い、人々は戦々恐々としながらも安穏とした日々を送る。
藤岡修造(18歳)もそんな一人で、彼は引きこもりのアイドル・オタクであった。
彼は、久瑠沢未萌(み〜もん)のライブに行くため、父親のクレジットカードを盗み、静岡県から東京の秋葉原にやって来る。
ライブの後、彼は彼女の握手会に参加するのだが…」
・「第2話 王」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2016年7月号)
「ゾンビになってしまった修造。
彼には知性が残っており、「ゾンビ界の神」になることを決意するが、動きはトロく、人を見ても何故か襲えない。
秋葉原でゾンビ発生の三日目、修造が無人の町をうろついていると、三人組のチンピラに襲われる。
彼が必死で逃げようとしていると、前方からフードを被った男が近づいてくる。
男はナイフを取り出すと…」
・「第3話 攻撃本能」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2016年8月号)
「フードの男も修造と同じゾンビで、彼も例外的な知性型であった。
彼によると「攻撃性を自分でコントロールする方法」があり、また、コントロール次第では身軽に動けるようになるという。
修造は試行錯誤しながらトレーニングに励み、その方法を探る…」
・「第4話 殺人鬼」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2016年9月号)
「修造の出会ったフードの男。
彼は瀬津悠介という17歳の殺人鬼であった。
警察では彼の身柄の確保に向けて本格的な捜査を開始する。
その報告を受けた後、首相官邸ではゾンビ掃討作戦の実施が決められる…」
・「第5話 弱点」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2016年10月号)
「コンビニで修造は瀬津と鉢合わせる。
修造は逃げようとするが、動きが鈍いため、あっさり瀬津に追いつかれて大ピンチ。
その時、二人の刑事が現れ、瀬津を取り押さえようとするのだが…」
・「第6話 知性型ゾンビ」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2016年11月号)
「修造は知性型ゾンビの集団と出会う。
彼らとスマホでコミュニケーションを取るうちに修造は「収容施設」について知る。
政府はゾンビ掃討作戦を実施する前に、知性型ゾンビにネットで収容施設への移動を呼びかけていた。
修造は彼らから一緒に来るよう誘われるのだが…」
・「第7話 神降臨」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2016年12月号)
「政府の知性型ゾンビを隔離する方策は一刑事の思慮を欠いた行動により失敗する。
その後、知性型ゾンビを啓蒙する者が現れ、知性型ゾンビたちは身を潜める。
啓蒙者はその存在の大きさから「神」と呼ばれるが…」
・「第8話 逃避行」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2017年1月号)
「三か月後、日本の食料の備蓄が尽き、人々は暴徒と化して食料を奪い合う。
その混乱によってゾンビの数も爆発的に増大し、秩序は失われ、混乱と騒乱の時代が始まる。
そんな中、修造はどうにかこうにか(お気楽な)ゾンビ・ライフを送っていた。
ある日、彼は一人の青年が三人のゾンビに襲われているのを目にする。
だが、三人のゾンビはゾンビのふりをしている人間であった。
彼らは修造を人間と間違えて、修造は彼らと行動を共にすることに…」
・「第9話 屍の肉」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2017年2月号)
「修造が共同サバイバルをすることになったメンバーは以下の通り。
ヒロ〜本名は不明。修造はどこかで会った記憶があるのだが…。
町田正章〜大平和商事専務取締役。横柄で何もせず、秘書の橘怜子を顎で使いまくる。
橘怜子〜町田正章の秘書。優しく気配りのできる女性。
遠藤杜男〜長野県農業試験場研究員。種もみ爺さん?
彼らは食料を求めて町をうろつくが、リスクが高い割りに成果は乏しい。
安全な場所にコミュニティができてはいるものの、どこも食糧事情が厳しく、受け入れてくれる所はない。
ゾンビのいない場所はあるのだろうか…?」
・「第10話 鋸山」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2017年3月号)
「ゾンビの屍肉を喰らう来黒鳥の棲む鋸山(正式名称は乾坤山)。
一行は浦安あたりから鋸山を目指すが、陸路だと100キロ以上の距離となる。
このままゾンビから逃げてばかりでは到底無理で、ヒロは皆にゾンビと戦う覚悟を求める。
その時、彼らはゾンビと遭遇。
皆がゾンビと戦っている間に修造は彼らのもとから逃げ出すのだが…」
・「第11話 急襲」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2017年4月号)
「一行に藤沢ミユ(7歳)という女の子が加わり、皆、もっと協力し合わねばならない。
ある家で食料を見つけ、ヒロたちが休んでいる間、修造は外へ見回りに出かける。
その隙に逃げるつもりであったが、彼は瀬津が二人の仲間と共にゾンビ狩りをしているのを目撃する。
しかも、彼らの向かう方角はヒロたちが身を潜めている家がある方であった。
修造はスマホでヒロに三人のゾンビが近づいているので逃げるよう警告する。
だが、ヒロたちが知性型ゾンビを知らないことに思い当たり…」
・「第12話 決意」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2017年5月号)
「修造は瀬津と再び対峙する。
瀬津の手にはナイフ、修造の手にはバール…二人とも相手の出方を窺って微動だにしない。
ミユの飼っている小鳥の鳴き声をきっかけに戦いが始まる…」
・「第13話 発覚」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2017年6月号)
「修造はヒロたちのもとを去ることを決意…していたのだが、ちょっとしたことで自分がゾンビだとばれてしまう。
ヒロたちは修造をどうするか議論した結果、とりあえず、連れて行くことに決定する。
その目的は修造に瀬津を倒してもらうこと。
そして、修造が彼らに出した条件とは…?」
・「第14話 秩序」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2017年7月号)
「瀬津の部下の青年は瀬津にどのような「王」になりたいのか尋ねる。
瀬津は「誰にも支配されず誰も支配しない存在」と答え、「究極の無秩序」を目指していた。
その実現の第一歩として…」
・「第15話 誘導」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2017年8月号)
「ヒロたち一行は草むらに隠れてゾンビ地帯を突破しようとするが、それにしてはゾンビの数が多すぎる。
どうやら近くのマンションの上層階には人々が立てこもっており、その気配に引き寄せられているらしい。
引き返そうとするも、町田正章の余計な行動のせいで、彼らはゾンビの群れに取り囲まれてしまう。
そこで、修造はゾンビを誘導する役を買って出る。
彼はマンションの近くに知性型ゾンビを見つけ、彼らに協力を要請し…」
・「第16話 嫉妬」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2017年9月号)
「修造の的確な誘導によりゾンビはヒロたちのもとから離れていく。
修造の後をつけるゾンビの群れは徐々に膨れ上がり、更に、ゾンビたちにはある変化が見られるようになる。
そして、その光景を瀬津がビルの屋上から見ていた…」
・「第17話 希望の花」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2017年10月号)
「一行は浦安市を出る。
その日、彼らは倉庫に泊まろうとするが、ミユの姿がないことに気付く。
ヒロ・修造・遠藤杜夫の三人は彼女を捜しに出かけ、どうにか助け出すものの…。
ミユの目的は…?」
・「第18話 決断」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2017年11月号)
「ミユの母親から連絡があり、ミユは元気を取り戻す。
ヒロはリーダーとしての成長を続け、非協力的だった町田正章も心を入れ替える。
遠藤杜夫はこのメンバーとならどんな困難も乗り越えられると考えるが…」
・「第19話 いつか」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2017年12月号)
「ヒロたちは瀬津を罠にかけ、自分たちの所に誘い込む。
修造はヒロたちを逃がし、瀬津に最後の戦いを挑む。
勝敗の行方は…?」
ゾンビ漫画の良作です。
アイドル・オタクのゾンビ青年と生き残りの人間が協力してサバイバル生活を送る…という発想が面白く、人間ドラマとしてもなかなかです。
ただし、この作品、残念なことに「未完」です。
C巻のあとがきに書かれてあるように、テーマが壮大すぎて、作者の手に余ってしまったようです。
とは言え、せめて伏線(注1)はある程度、回収してほしかったものですが、あとがきから作者の無念がビンビン伝わってきますので、まあ、何も言いますまい。(注2)
残念なところは多々あれど、魅力のある作品なので、描かれなかった続きについて想像を巡らすのも乙かもしれませんね。
・注1
伏線の中でも、とりあえず、ヒロと修造の関係ははっきりさせてほしかったものです。
あと、ゾンビが修造に付き従った説明もしてほしかったな。
・注2
作品を途中で放り出して、知らん顔で次の作品に取り掛かる漫画家もいますからね。
2026年2月2・3・5・6日 ページ作成・執筆