角田ふうふ「血文字の謎」(大川美千子・作/1987年2月25日初版発行)
「三輪車に乗った、可愛らしい女の子。
彼女の正体は、若者の絶望につけこみ、死へと追いやる死神であった。
だが、死神には、女子中学生の大沢明子のような、心に闇を持たない、明るい人間は邪魔であった。
そこで、明子を陥れるために、死神は彼女に「よこくしんぶん」を手渡す。
その新聞には明日「校庭に一万円札の雨」が降ると書かれていた。
予告された通りになるが、それに付随して、一万円札を猫ババしたと疑われた女子生徒が屋上から飛び降り自殺。
帰宅後、明子が「よこくしんぶん」を改めて読むと、文字は血文字に変わり、自殺についても記述されていた。
更に、「よこくしんぶん」は、自殺の原因となった女子生徒が踏み切り自殺するとも予告。
明子は予告された踏切へと向かうが、直前で何者かに行動を阻止され、自殺を止めることができない。
誰も「よこくしんぶん」を信じてくれない中、、次は、当の明子が、ダンプに轢き逃げされて死ぬという記事が現れる。
明子は死の運命を避けようと奮闘するが、死神の操る運命の糸は否応なく彼女を死へと導いていく。
明子の運命は…?」
ストーリーはズバリ、つのだじろう先生の名作「恐怖新聞」でありますが、「恐怖新聞」の設定を巧みに使い、読み応えがあります。
また、この作品は残酷描写・グロ描写がキツいことも特筆すべきでしょう。
冒頭から、陸橋から飛び降り自殺した女子生徒が車に轢かれて、頭が粉砕…と飛ばしてくれます。(踏み切り自殺の描写もエグい…。)
表紙からは地味目のオーラの出ておりますが、安定した出来の、良質な作品だと私は思います。
2018年6月21日 ページ作成・執筆