作麻正明・絵/渡辺麻実・作「死を呼ぶ風神」(1989年10月15日初版発行)
「三下夕子は美術部に所属する女子高生。
彼女の憧れは、天才画家と謳われた、従兄の沢口統(はじめ)であった。
しかし、半年前から、彼の行方がわからず、夕子は気掛かりで仕方がない。
ある連休、伯母の沢口由衣(統の母親)から招待を受け、夕子は、同じ美術部の大和田純(夕子にお熱のスポーツ青年)、森雪路(美術部部長)、上田時子(夕子の親友)と共に、伯母の屋敷を訪れる。
そこで目にしたのは、沢口統の筆による、「風神」という奇怪な絵であった。
夕子はこの絵の恐ろしさに戸惑いを覚え、森雪路もタッチに違和感を覚える。
その夜、沢口統の展覧会を画策していた叔父、沢口幸一が何者かに刺殺される。
大和田純の兄である刑事が捜査にあたるが、捜査は難航。
一月が過ぎる頃、今度は森雪路が死体で発見される。
彼も、夕子の叔父と同じく、刺殺であり、また、沢口統の絵を盗作して、コンクールで優勝していた。
二人の死に沢口統が関係していると睨み、刑事と夕子は、統の婚約者、佐川利香に会う。
彼女の証言から、沢口由衣は、息子の行方をどうも知っているようなのだが…。
そして、起こる、第三の殺人…」
一読して感じたのは、こさかべ陽子先生の「雷鳴の消えた夜」との共通点の多さ。
パクリとまでは言いませんが、かなり参考にされてるはずです。(おおまかなストーリーはぶっちゃけ、一緒です。)
その代わり、こちらは悪趣味とミステリー要素をグレード・アップしており、エンターテイメントとしては上だと思います。
私達の一般にイメージする「風神」のイメージをかなり乖離した「風神」(カバー絵を参考のこと)もなかなか味わい深いですが、恐るべき身体能力を有した、謎の召使いの老婆、ミエが一番気になります。(あまり活躍は見られないのが、残念!)
2019年7月2日 ページ作成・執筆