森由岐子「生首沼の花嫁」(1988年9月20日初版発行)
「S県S郡。
妻を早くに亡くした相川和人は、生まれ故郷で、竹里ふぶきという女性とお見合いをする。
和人の一人娘、舞は新しいお母さんができると、おおはしゃぎ。
和人とふぶきは外へ散歩に出かけるが、生首沼の近くで、舞の悲鳴を聞く。
駆け付けると、赤い大蛇が、舞の愛犬を丸飲みにしようとしていた。
和人は棒で蛇を撲殺するが、それを聞いて、村人達は顔色を変える。
生首沼は、処刑された罪人達の首を洗った沼で、罪人達の恨みが大蛇に姿を変えたと伝えられていた。
和人と舞が東京に戻った後、ふぶきは、大蛇の祟りを鎮めるため、沼に参る。
彼女が沼に花を手向けた時、何者かに足を掴まれ、池に引きずり込まれる。
後に、彼女は池に浮いているところを助けられ、数日後、東京で和人と結婚する。
相川家は花嫁を迎えて、雰囲気が明るくなるが、徐々に、舞は母親の怪しい振る舞いに不審を覚える。
父親が出張に出て以来、母親は加速度的に蛇の本性を明らかにしていき、舞はノイローゼ寸前。
更に、友人も先生も彼女を言うことを信じてはくれず、キチガイ扱いされることとなる。
その頃、和人の故郷では、生首沼から、ふぶきの死体が発見され、大騒ぎになっていた…」
典型的な「蛇もの」で、新味は大してありません。
それをカバーするかのように、母親の気色悪い描写(歯並びがいいところがイヤ)を大々的にフィーチャーしております。(蛇女に変身する前の方が遥かにヤバい!)
あと、蛇女が風呂場の浴槽の水をがぶ飲みするシーンは珍しいと思いました。
2019年9月15日 ページ作成・執筆