青江雪生「地獄の学園」(1987年3月20日初版発行)

「私立の中学校に通う立花かおる。
 かおるは、彼女に学園のトップの座を奪われた、岡真由美とその手下達により、日々、陰湿ないじめを受ける。
 また、優秀な兄姉を持っているため、両親や先生の期待もかなりプレッシャー。
 灰色の学園生活を送っていたが、ポジティブ・シンキングで毎日をどうにか乗り切る。
 ある放課後、かおるは、幽霊が出るとの噂のある教室で、男子生徒の姿を見る。
 幽霊かと怯えつつも、彼女は彼に声をかけると、彼は心配してもらえたことに礼を言う。
 実は、彼は、いじめにより自殺をしたが、両親や先生方に自殺をもみ消された生徒の霊であった。
 以来、かおるをいじめる連中は次々と事故に遭う。
 と同時に、憧れの吉川と急接近して、かおるの心は弾む。
 だが、真由美のアイデアによる怪奇現象を模したいたずら、そして、吉川の本心を知り、かおるの心はひどく傷つく。
 翌日、クラスに現れた、かおるは、男子生徒の霊が化けたものであった。
 そして、教室に「地獄」が現出する…」

 個人的に、めっちゃツボにはまりました。なかなか面白いです。
 要するに「いじめられっ子の霊の復讐」ものなのですが、目玉の復讐シーンではっちゃけてくれました!!
 単行本の半分をトリッピーな地獄の描写で割くという大盤振舞で、喉元までお腹いっぱい。
 まあ、どこかで見たことがあるような気がするシーンもちらほらあるものの、そんなことは気にするな!! ここは作者のサービス精神を堪能すべきでしょう。
 隠れた佳作だと思います。

2018年6月15日 ページ作成・執筆

秋田書店・リストに戻る

メインページに戻る