きさらぎ綾「死霊が泣く病棟@」(1989年3月20日初版発行)

「中学生の武田久美は妹の誕生を心待ちにしていた。
 しかし、妹の誕生を機におかしなことが彼女の周囲に起こり始める。
 ある夜、久美は、病院の産科で療養している母の病室に泊まった時、そこで信じられない光景を目にする。
 赤ん坊が新生児室から脱け出し、母親の乳房を吸っているのであった。
 以来、母親は急激に衰弱していき、人が変わったように、久美につらく当たる。
 久美と仲良しの准看護婦の山岸渚は、久美が見たのと同じ光景を目撃し、久美の父親に霊能者に相談するよう提案する。
 久美の訴えもあり、父親は柴田勝山という霊能者に鑑定してもらう。
 そこで明らかになる事実とは…」

 きさらぎ綾先生は、キクタヒロシ氏の「昭和の怖い漫画」(彩図社/2017年11月22日初版発行)にて「主にエロ劇画などで活躍中だったベテラン作家の別ペンネーム」(p246)らしいと示唆されておりますが、私、その方面の知識はほとんどありませんので、よくわかりません。
 この作品は「水子の霊」を扱っているので、「アダルト」と言われれば「アダルト」な内容です。(でも、「エロ」な要素はありません。)
 ただし、「夜中、赤ん坊の泣き声が聞こえる産婦人科病棟」の設定が実はストーリーと全く絡まず、中途半端な印象。(父親の過去との関係があるとの説明を入れたら良かったかも。)
 あと、この作品は一巻ですが、続巻が出たかどうかは謎です。

2018年3月6日 ページ作成・執筆

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