真崎春望「呪われた学園」(1985年9月15日初版発行)

 収録作品

・「呪われた学園」
「冬のある日、中学校の三年のクラスに伊藤澪という少女が転入してくる。
 彼女は石川真理子という少女にどことなく似ており、クラスメートたちの間に不安が広がる。
 石川真理子はサッカー部の部室に放火し、以来、行方不明になっていた。
 日を追うごとにクラスメートたちの不安は深まっていき、伊藤澪は石川真理子ではないかと疑い始める。
 しかも、学校では伊藤澪が転入してから、二度も放火騒ぎが起こっていた。
 そして、迎える学園祭…」

・「呼ぶ本」
「7月、英国の姉妹校からある高校に一冊の本が送られる。
 それは17世紀頃に作られたと言われる革表紙の本であった。
 御崎理沙はその本を目にして以来、奇怪な出来事に次々と見舞われる。
 ある日、彼女はミルズという神父と出会い、その本について話す。
 神父は本について調べるが、この本の正体は…?」

・「グランアダージオ」
「アレックス・ウェラとアリシア・マクブライトは幼なじみ同士。
 二人には夢があり、それはアレックスの作った曲でアリシアが踊ることであった。
 二人は順調にキャリアを重ね、一歩一歩、夢へと近づいていく。
 そして、遂に、二人はある舞台で夢を叶えるチャンスを掴む。
 アレックスはアリシアのために音楽を作り始め、彼女に舞台が終わったら結婚しようと約束をする。
 しかし、突然、アレックスの生活は荒れ始め、アリシアとは破局を迎える。
 アリシアはアレックスと別れ、バレリーナとして各地で成功を収めるのだが…」

・「砂にうずもれて」
「過去、中国西域にあった国。
 メワンチとホバサは幼なじみで、成長した二人は恋仲となる。
 しかし、メワンチは金持ちの娘で、ホバサは孤児の使用人であった。
 メワンチは名家のナニダドと婚約させられるが、メワンチは彼を蛇蝎の如くに嫌う。
 ナニダドはメワンチの目の前でホバサを鞭打たせ、彼を助けるため、メワンチはナニダドに口づける。
 その夜、メワンチとホバサは駆け落ちをする。
 二人はタクラマカン砂漠を越え、彼女の母の出身地である西の果てを目指すのだが…」

・「秋の扉」
「高校二年の野田良子は厳格な家庭で育った、ガチガチの優等生。
 彼女は演劇部に所属し、主演として文化祭の公演に向けて頑張っていたが、二週間前に相手役が突如、交代になる。
 相手役を務めるのは山本淳という三年生で、彼女とは正反対な不真面目な男。
 しかし、演技に関しては真剣で、彼女は彼の意外な一面を知っていく。
 その頃、彼女は親友のエッコから相談を受ける。
 「命」の問題に直面させられた時、良子は…」

 五編の短編が収められておりますが、怪奇色があるのは「呪われた学園」と「呼ぶ本」だけです。
 ただし、「呼ぶ本」は非常にトラウマ度が高く、佳作と評価して差し支えないと思います。
 「バズス」という悪魔が出てきたり、ヒロインの誕生日が「6月6日」だったりと古のオカルト・ブームを彷彿させるのが嬉しゅうございました。

2026年6月24・25日 ページ作成・執筆

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