日野日出志「怪奇!死人少女」(1987年9月15日初版・1992年7月10日3刷発行)
「平凡な女子中学生、大原百合。
健康診断の際、彼女の身体に異常が発見される。
大病院で検査したところ、彼女の身体の機能は一切停止し、全ての細胞組織は死滅という、医学的には死んだ状態であった。
死人である彼女に医学はなす術はなく、彼女は意識のあるまま、腐っていくしかない。
百合の家族は彼女の腐敗の進行を抑えるために、防腐剤を注射し、身体に塗布する。
だが、百合の身体は徐々に腐っていき、家族は山奥の一軒家に引っ越す。
家族の見守る中、百合の身体は朽ち果て、骨だけとなるが、春が訪れた時、彼女の死体に変化が現れる。
百合と、その家族が目にしたものとは…?」
「意識はあるのに、死人となり、腐っていく」内容の作品を、日野先生は幾つか描かれておりまして、どれもほぼ同じです。
他の作品では主に男性が主人公ですが、「怪奇!死人少女」では女子中学生をヒロインに据え、「サスペリア」の読者向けにしている模様です。
また、グロ描写以上に、彼女をとりまく家族の描写に力を入れており、予想以上に、ラストは感動的です。
ただ、ヒロインはかなりもっさいので、もうちょっと可愛かったら、感動は四割増しだったかも…。
2019年6月30日 ページ作成・執筆