森由岐子「悪魔の赤ちゃん@」(1989年4月20日初版発行)
「立花家(両親、長女の望)に次女の「うらら」が産まれる。
家族は幸せいっぱいであったが、ある日の散歩途中、うららを乗せたベビーカーが坂を滑り落ち、うららは頭部を強打して死亡する。
母親はうららの死に責任を感じ、その嘆き方は尋常ではなかった。
家族でうららの墓参りに行くと、うららによく似た赤ん坊が墓場に捨てられていた。
これも何かの縁かもしれないと、両親はその赤ん坊をうららの代わりに育てることにする。
だが、母親が留守の時、望はうららが巨大な舌を伸ばして、ゴキブリを食べるところを目撃する。
更には、普通に歩いて、望の顔を巨大な舌でなめ、望は失神。
母親の帰宅後、望は母親にこのことを訴えるが、うららに嫉妬していると思われ、逆に叱られる。
以来、望はうららに対して警戒を緩めない。
彼女はうららが異常なことを母親に納得させようとするも、全てが逆効果。
唯一、彼女の話に耳を傾けてくれた父親は、夜、うららに窒息死させられる。
父親の件で病院に行った時、川村という医者が望のする話と似たようなことがあったと思い出す。
うららを血液検査すれば人間かどうかわかるということであったが、検査の前日、川村医師はマンションから転落死。
その次には、望の顔に爛れができ、どんどん悪化していく。
望は雑誌の文通欄で「悪魔の赤ちゃん」に悩まされている人々と連絡を取ろうと考えるのだが…。
一家の運命は…?」
「悪魔の赤ちゃん」と関わった人間が片端から不幸になる「オーメン」タイプの内容です。
ダミアンと違い、こちらは森由岐子版「悪魔の赤ちゃん」なので、やることがいちいち直接的かつ陰湿です。(父親の顔に濡れ布巾(?)を当て窒息死とか、顔の爛れから虫がでてくるとか)
ラスト、「悪魔の赤ちゃん」vs「神」の「ハルマゲドン」を予告しておりますが、続編はとうとう出ずじまいでした。
秋田書店が描き下ろしから手を引いたあおりを受けたのでしょうか?
・備考
湿気による歪みあり。
2022年7月8日 ページ作成・執筆