日野日出志「地獄のどくどく姫@」(1989年2月25日初版発行)

「ある雪の夜。
 花岡麻矢は雪景色の庭に出た際、紅いバラで指を怪我する。
 血が雪に滴り落ちたとたん、めまいと共に、麻矢を呼ぶ声が聞こえる。
 その夜、彼女は、髪の毛のような怪物に襲われる。
 両親が駆け付けた時には何の異変もなかったが、翌朝、彼女の顔に大きなニキビができる。
 ニキビに触れると、大量の血が噴き出し、急激に悪化。
 爛れは顔全体に広がり、ウジがわいて、化け物のような容貌に変化する。
 ある夜、麻矢の口から、醜い顔の生首が出て来て、両親に「(花岡一族を)末代まで呪ってやる」と告げる。
 両親は「日本心霊療法研究所」を訪れ、所長に除霊を依頼するが、全く歯が立たない。
 所長は両親に「地獄のどくどく姫」に頼る他ないと話す。
 「地獄のどくどく姫」は「地獄に棲む妖怪」で、「悪霊や化け物の魂が大好物」であった。
 他に手立てのない両親は「地獄のどくどく姫」を呼ぶ決心をする。
 玄関の軒先に鶏の頭と脚をぶら下げ、午前二時、彼らの前にどくどく姫が現れる。
 麻矢に憑りついた悪霊の正体とは…?
 そして、花岡家の忌まわしい過去とは…?」

 「どくどく姫」のネーミングが、当時、ヒットしていた「悪魔の毒毒モンスター」を想起させて、懐かしいです。
 個人的に感銘を受けたのは、冒頭、どくどく姫が、ぼったくりバーのチンピラ三人をブチ殺すシーン。
 そりゃ、ビール一杯一万円は法外だとは思うけど、地獄送りにしなくても…。
 と思ったけど、いや、やはり、ぼったくりな飲食店は全て、どくどく姫の制裁を受けるべきだな!(よろしくお願いします!)

2019年6月24日 ページ作成・執筆

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