木々津克久「フランケン・ふらんD」(2010年7月5日初版・2013年2月28日3版発行)
斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
さて、今回の患者は…?
・「Ep.31:AMAZON」(「チャンピオンRED」2009年11月号)
「ポリネシア群島の中の小さな島、ガストン・レイル島。
この島は小さいながらも独立国家で、住人は皆、女性であった。
第二次世界大戦時、この島に避難した女性たちは斑木博士の協力を得て、女性のみで単為生殖できる体になっていた。
ただ、皆、遺伝子が同じなため、様々なリスクがあり、年に一度、ふらんの一行が検診に訪れる。
だが、今年はふらんの船が何者かにつけられていた。
その者たちの要求は女で、ふらんは交渉人としてその者たちの島に渡る。
その島はルールー島といい、この島にも斑木博士が関係していて…」
・「Ep.32:JUSTICE2」(「チャンピオンRED」2009年12月号)
「十文字ハヤトはいじめられっ子。
ある日、センチネルに助けてもらったことから、彼はヒーローに憧れ、センチネルの跡を継ぐべく、ふらんの手術を受ける。
早速、センチネル二号として活動を始めると、「ブラック・ロータス」という悪の組織と出会う。
ブラック・ロータスは地球の破滅を目的としており、十文字は次々と悪の怪人を倒し、その活動を阻止する。
ただ、実際の所、ブラック・ロータスが何をしようとしているのかがよくわからず、疑問が膨らんでいく。
ある夜、十文字はブラック・ロータス本部に殴り込むのだが…」
・「Ep.33:DEAD ZONE」(「チャンピオンRED」2010年1月号)
「ふらんの研究所に要人が入院するため、暗殺関係のヴェロニカは女学校に一ヵ月、編入することとなる。(お目付け役の沖田と一緒)
その学園は昭和初期から続く全寮制女子校、私立白アザミ学園で、歴史が長い分、怪談でいっぱい。
転校日初日、ヴェロニカは寮生から歓迎会を受けるのだが…」
・「Ep.34:THE KANNON」(「チャンピオンRED」2010年2月号)
「ある浜に謎の巨大生物の死骸が漂着する。
形は人間の女性のようで、天使博士は、斑木博士が鯨を陸上生物の頃に先祖返りさせたのではないかと推測する。
そんなこんなで大騒動の最中、その土地の網元がやって来て、この浜は自分のものだからと言って、巨人の所有権を主張する。
網元はこの巨人の死体を「観音様」のように思い、見世物にするつもりであった。
しかし、ふらんに復活可能と言われ、巨人に蘇生手術を施すが、網元には更なる思惑があった…」
・「Ep.35:ROBOT」(「チャンピオンRED」2010年3月号)
「森田高拡はロボットの開発技師。
彼の妻、舞香はクロイツフェルト・ヤコブ病で余命いくばくもなく、彼は開発中のロボットに彼女の全てを基本プラグラムとして移植しようとする。
そのため、彼はふらんに彼女の個性のデータ化を依頼し、ふらんは全面的に協力。
こうして、舞香の全てのデータが移された人間型ロボット「RR23」は完成し、大きな注目を受ける。
更には、このロボットを基礎にして、家庭用に多目的型人型ロボットが発売され、大ヒットするのだが…」
・「Ep.36:AURA」(「チャンピオンRED」2010年4月号)
「雪崎とおるは売れない役者。
彼はふらんに「オーラ」が欲しいと訴える。
ふらんは人を惹きつけるために「フェロモン」が最適と考え、彼に接近した人は皆、彼に魅了されるようフェロモンを改造。
その効果は抜群で、彼はスターの仲間入りをするにはしたのだが…」
・「Ep.37:TWO-DIMENSIONS」(「チャンピオンRED」2010年4月号)
「女優の後園ゆり奈には憧れている俳優がいた。
彼は「ちゅお」で連載しているマンガのファンで、彼女はそのマンガのキャラに近づきたいと願う。
ふらんによる整形手術で、彼女は少女漫画風の顔になり、それがきっかけでブレイクする。
憧れの彼ともお近づきになり、彼女は漫画のキャラ顔になるべく、再度整形手術を受ける。
すっかり人間離れした顔になるが、彼女の人気は衰えることはなく…」
・「Ep.38:IMAGINARY SELF」(「チャンピオンRED」2010年5月号)
「坂口麻利雄は根っからのいじめられっ子。
彼は飛び降り自殺をしたところをふらんに助けられ、彼女に自分を変えたいと相談する。
ふらんが提案したのは彼女が開発している「万能再生細胞」で、これを脊髄造血細胞と交換すれば、自分の理想とする姿に変わるようになる。
これにより彼は頭脳明晰・スポーツ万能・イケメンとなり、誰からも慕われるようになる。
彼は理想の自分になることによって、幼なじみの木の葉という少女に認められたいと願っていたのだが…」
・「Extra Episode:A REGULAR CUSTOMER」
「センチネル一号は改造を繰り返した結果、すっかり異形のものと化していた。
ふらんからも元にはすぐに戻せないと告げられ、彼はすっかり意気消沈する。
そんな時、いつも彼を理解し、励ましてくれた喫茶店の夫婦を思い出し、店を訪ねる。
そこには先客がおり…」
「フランケンふらん」のD巻はなかなか快調です!!
「JUSTICE2」「DEAD ZONE」「TWO-DIMENSIONS」はブラック・ユーモアが効いていて、特に「DEAD ZONE」は都市伝説(注1)を巧みに取り入れ、バカバカしさ満点です。
また、「AURA」ではヴェロニカの「恋する乙女」な一面を見ることができ、胸キュンです。
そんな中、「IMAGINARY SELF」はほろ苦いラストで、いろいろと考えさせられます。
・注1
同じ作者の「開田さんの怪談」(少年チャンピオン・コミックス)は都市伝説をテーマにした良作です。
非常に面白いのに、全二巻なのが悲しい!!
2025年7月8・9日 ページ作成・執筆