木々津克久「フランケン・ふらんF」(2011年8月5日初版・2013年2月28日再版発行)
斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
さて、今回の患者は…?
・「Ep.47:LIVING DEAD」(「チャンピオンRED」2011年1月号)
「南米のハイチに近いヴァーゼシア島。
ふらんは『モワボゼ』の調査で島を訪れ、ジャーナリストの伊集院(ようやく名前が明らかになる)と出会う。
伊集院は風土病のヴァーゼル熱のルポを書くために来島していた。
二人は島の呪術師からモワボゼについて聞く。
モワボゼとは森に棲む悪霊で、憑かれた者はモワボゼとなり、手あたり次第、何でも食い散らかすようになるという。
その後、ふらんと伊集院は町に戻るが、町ではゾンビが発生し、パニックが起きていた。
生き残った人々はショッピングモールに立てこもるのだが…」
・「Ep.48:CANNIBALISM」(「チャンピオンRED」2011年2月号)
「奇妙な通り魔事件。
被害者は二十代から六十代の男女で、彼らの間に全く共通項はない。
しかも、被害者は体の一部を喰いちぎられていた。
ふらんが調査すると、被害者は奇病「ラオコーン病」(自己免疫疾患の病気らしい)の罹患者であることが判明する。
そして、臓器の移植希望者のリストから、乃木坂恵利香(22歳)が容疑者として拘束される。
彼女もまたラオコーン病で、多臓器不全が進行しつつあった。
恵利香は動機に関して全く明かさないが、ふらんは被害者の一部が食べられていたことからある推理をする…」
・「Ep.49:TEACHER」(「チャンピオンRED」2011年3月号)
「金持ちや政治家、芸能人の子弟が多く通う政城学園。
ここに臨時教師としてガブリールがやって来る。
彼女は天使博士に代理を頼まれたのであった。
面倒臭いとぼやきつつも、ガブリールの核心を突き過ぎるトークは徐々に生徒たちの心を掴んでいく。
いつの間にやら、人気教師になっており…」
・「Ep.50:LONGEVITY」(「チャンピオンRED」2011年4月号)
「百歳以上の老人が次々と発見され、ニュースとなる。
中でも、神戸すえという老女は189歳という高齢であった。
特別養護施設の院長はふらんに彼女が本当に189歳なのか調査を依頼。
と言っても、神戸すえは健康ではあるが、視力・聴力・筋力の全てが衰え、コミュニケーションを取る術がない。
とりあえず、ふらんが細胞について調べると、80〜90歳の老人のものと変わらず、早速、行き詰まる。
仕方がないので、神戸すえの出身地に行き、昔の資料を調べると、年齢的には確かにつじつまが合っている。
更に、孫の神戸悟は戦前、私小説家として活躍しており、その作品にはすえのことが書かれていた。
そして、そこに彼女の長寿の謎を解く鍵があるのだが…」
・「Ep.51:VENGEANCE2」(「チャンピオンRED」2011年5月号)
「結城丈太郎はバイクが故障し、バスに乗ると、園児たちに正義の味方、センチネルに間違えられる。
悪ノリして、センチネルのふりをすると、バスが悪の怪人にジャックされてしまう。
今更引くに引けず、四号のセンチネルマンを名乗って、怪人に戦いを挑むも、あっさり返り討ちにあい、右腕を失う。
そこに風切支郎のセンチネルVVが現れ、怪人(とバスの乗客多数)をやっつける。
彼は結城丈太郎をふらんのもとに連れて行き、改造手術を施してもらう。
手術後、風切支郎は結城に共に戦おうと声をかけ、結城丈太郎は「センチネル四号」となる。
センチネル四号の特殊能力とは…?
そして、風切支郎の真の目的とは…?」
・「Ep.52:EXORCIST」(「チャンピオンRED」2011年6月号)
「ふらんはバチカン市国に招かれる。
その目的は、悪魔に憑かれたヨアヒム・プライス枢機卿の検査のためであった。
枢機卿は人格者として多くの人に慕われ、次期法王候補の一人であったが、今は獣そのもの。
何人ものエクソシストが悪魔祓いに挑戦したものの、失敗に終わる。
ふらんが検査を始めると、脳のCG再現図に奇妙なものが写っている。
終脳が丸ごと胎児になっており、更に調べると、過去に脳の手術をしたらしい痕が見つかる。
ヨアヒム・プライス枢機卿の過去を調べるうちに、彼の意外な姿が明らかとなるのだが…」
・「Ep.53:CCTOPUS」(「チャンピオンRED」2011年7月号)
「クラス委員の楠ノ木は妹のあずさを亡くし、すっかり意気消沈してしまう。
そんなある日、彼はふらんのキャリーケースからあずさによく似たタコを見つける。
これはふらんがタコにヴェロニカの生体情報を与えて作り出した「妹的生命体」であった。
楠ノ木はタコをあずさと思い可愛がり、タコも彼の愛情に応えてくれる。
だが、ふらんはそれは彼の庇護を得るための擬態で、タコは実験途中のもので危険だと警告するのだが…」
・「特別読み切り:Phase 20」(「チャンピオンRED」2011年8月号)
「豪華客船「20PPHASE号」は進水記念として各界の名士を招待しパーティクルーズに出航する。
ところが、船はルートを外れ、外界と連絡が取れなくなる。
騒ぎの最中、二十面相を名乗る男から、船客を誘拐し、身代金を五十兆円払えば解放する旨、放送がある。
更に、船内はトラップだらけで、ヘタな真似はできない。
探偵の金田一勇悟とマジシャン志望のメイドの爛は監視網をかいくぐって逃げるのだが…」
この単行本の最高傑作は「Ep.50:LONGEVITY」でしょう。
超々々高齢社会を描いた悪夢的な傑作です。
しかも、あんな年寄りばかり…。(注1)
タコ少女を描いた「Ep.53:CCTOPUS」も良い出来ですが、ラストがよくわかりませんでした。(あれはタコの卵なの?)
余談ですが、表紙のセクシーな斑木ふらんのイラストを見ると、洋ピンの女優っぽいと感じるのは私だけでしょうか?
まあ、こんなことが斑木ふらんの耳に入ってしまったら、生きたまま、サバかれそうなので、これ以上は止めておきましょう。
・注1
野坂昭如の大名曲「マリリン・モンロー・ノーリターン」の「よくばりばばあは長生きで、やさしいむすめは早死にだ」の歌詞が脳裏をよぎりました。
2025年7月11・13日 ページ作成・執筆