木々津克久「フランケン・ふらんG」(2012年3月5日初版・2013年6月10日再版発行)

 斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
 斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
 博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
 さて、今回の患者は…?

・「Ep.54:THE PARANOMIC ISLAND」(「チャンピオンRED」2011年9月号)
「瀬戸内海にある小島の一つ、遠景島。
 ここは国の所有であったが、売りに出された際、松前正という個人が購入する。
 松前正はバイオ関連の事業で三十代にして莫大な財産を築いた人物であった。
 ところが、数年前、関連株を全て売り払って引退すると、この島に膨大な資産と資材をつぎ込み始める。
 その内容は極秘で、また、松前正についてもプライベートなことは一切わからず、久宝は捜査に着手する。
 彼女はふらんから彼が整形技術の交換会に出席し、その会で出された実験人体を大量に定期購入していることを聞き、この線から松前正をあげることを決める。
 久宝とふらんは島に潜入するが、そこにあったのは、実物大でリアルな普通の町の張りぼてであった。
 調べていくと、町の真ん中に高校があり、そこに向かう松前正の姿が…」

・「Ep.55:THE PARANOMIC ISLAND2」(「チャンピオンRED」2011年9月号)
「遠景島…そこは松前正の理想の島。
 華やかでドラマティックな日常は、様々な裏方の人達の努力と才能によって成り立っていた。
 その裏方に斑木ふらんも加わる。
 ある時、彼女は敵役のモンスターを製造し、納品に訪れる。
 そのついでに整形関連のラボを見学しようとすると、大幅に改造中の個体が逃亡したとの知らせが入る。
 その個体は松前正の周囲の女性を次々と惨殺していくのだが…」

・「Ep.56:ROLLING WORLD2」(「チャンピオンRED」2011年10月号)
「世界一有名なテーマパーク、ローリング・ワールド。
 ここのキャラクターの着ぐるみは斑木ふらんにより創られた「ぬいぐるみ型の生命体」で、脳は人間のものを使用していた。
 人気は上々であったが、キャラクターには流行り廃りがあり、人気が衰えたキャラは殺処分となる。
 定期健診の日、ネズラ&ジェニーをはじめとする落ち目キャラたちが逃走。
 と言っても、現実世界で生きていけるわけがなく、彼らは次々と追手に捕まっていく。
 そんな中、ネズラ&ジェニーは酒場でショーを始めて、これが成功し…」

・「Ep.57:BLOOD TYPE」(「チャンピオンRED」2011年11月号)
「ふらんの通う高校では血液型占いが大流行。
 しかも、ふらんが協力したことによりがっちり理論化され、血液型によって人の優劣が決められるようになってしまう。
 学校内では血液型によって階級が決められ、それぞれの血液型の生徒たちにより学校は分断されてしまう。
 そんな中、アドレアは体内で多数の免疫系が共存し、血液型が一定しない。
 ある男子生徒にそれをバカにされたアドレアは…」

・「Ep.58:VENGEANCE3」(「チャンピオンRED」2011年12月号)
「センチネルVVの風切支郎は金欠であった。
 そこで、まず子供向けのファンクラブをつくり、いたいけな少年たちから金をむしり取る。
 次は、大企業の社長たちに彼らがブラック・ロータスに狙われていると脅し、活動資金を援助してもらう。
 しかも、真実と思わせるため、センチネル一号・二号に彼らを襲わせるという外道っぷり。
 だが、一方的に悪役にされたブラック・ロータスも黙ってはおらず…」

・「Ep.59:FLUORITE」(「チャンピオンRED」2012年1月号)
「ヴェロニカはなかなか友人に恵まれなかったが、遂に、三宅蛍という女子生徒という友達ができる。
 彼女は他にも友達が多いのに、ヴェロニカは皆と違っていて、勇気をもらえると話す。
 だが、ある日、三宅蛍は放送準備室で死体となって発見される。
 死亡推定時刻は前日の19時から21時、死因はスカーフのようなもので首を絞められたことによる窒息死。
 当時、体育館では政治家の講演会が行われていたため、人の出入りが多く、更に、彼女が亡くなった時には放送準備室は密室であった。
 そのため、警察は自殺と断定。
 ヴェロニカは自力で犯人を見つけ出そうとするも、証拠が極端に少なく、遂に、真相を知っているガブリールに頭を下げて頼む。
 三宅蛍の死の真相は…?」

・「Ep.60:RIGHT AND LEFT」(「チャンピオンRED」2012年2月号)
「研究所の裏の敷地に新型実験棟を建設中、工業用イオンレーザーの誤作動により、斑木ふらんは正中線にそって両断されてしまう。
 幸い、レーザーがど真ん中を通ったために、左脳と右脳は無事だったものの、小脳と脳幹のダメージが大きく、ある程度、脳が再生するまで分割状態で過ごすこととなる。(その間、半身を作って、くっつけておく。)
 最初は自分が二人いれば仕事が捗ると考えていたが、左脳と右脳の違いにより、左側は論理的・右側は感情的な性格となり、互いに言い争うようになる。
 左側のふらんは違いが大きくならないうちに合体手術を行おうとするものの、右側のふらんが脱走してしまい…」

・「Last Episode:DREAM」(「チャンピオンRED」2011年10月号)
「ふらんはある高齢な富豪の所有する豪華客船の船医に雇われる。
 ただ、オーナーの検査をした後はすることがなく、どうしたものか考えていると、船が爆発を起こし沈没。
 ふらんのいる部屋はオーナー用に頑丈に作られており、浸水はなかったものの、完全に閉じ込められる。
 外部との連絡も取れず、研究所の皆のことを考えているうちに、彼女は居眠りしてしまう。
 すると、部屋をノックする者が聞こえ、ドアを開けると、沖田(人間型)が現れる。
 彼は今日はパーティがあると言い、二人で急いでパーティの準備をする。
 準備ができた頃、次々と客がやって来るのだが、どこか違和感が…」

・「EXTRA EPISODE:CURTAIN CALL」
「連載を終了するにあたり、斑木ふらん・ヴェロニカ・ガブリールがインタビューを受ける。
 噛み合わない質疑の果ては…」

 メディカル・ホラーの大傑作「フランケンふらん」最終巻です。
 この巻では「RIGHT AND LEFT」が凄い!!
 人間が左右に分かれるという話はありますが、それを現代医療の闇と絡めて展開させ、迎えるラストは実に鮮やかです。
 あと、個人的には「EXTRA EPISODE:CURTAIN CALL」が好きです。
 ヴェロニカ、いい娘ですよ。
 最初は冷酷無慈悲な暗殺マシーンだったのに、いつの間にやら研究所で仲間と雀卓を囲む姿がすっかり板について、巻を追うごとに普通の女子高生(&いじられキャラ)に近づいております。
 クールなようで情にもろく、意外と寂しがり屋で、あの三人の中では一番ウェットなのが私にとって魅力です。
 また、新たな友達ができるよう心より祈っております。

 ちなみに、「フランケンふらん」は根強い人気があったのか、「フランケンふらんFrantic」というタイトルで続編が出ております。
 単行本は十巻を超え、「ふらん・ワールド」はいまだ健在!!
 木々津克久先生にはこれからも元気でペンを振るって(注1)いただきたいものです。

・注1
 「ペンを振るう」は「筆を振るう」の誤用ですが、いまいちぴったりした表現を思いつかなかったので、使いました。

2025年7月15日 ページ作成・執筆

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