木々津克久「フランケン・ふらんFrantic@」(2019年7月1日初版発行)

 斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
 斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
 博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
 さて、今回の患者は…?

・「第1話 レクイエム・フォー・ドリーム」(「チャンピオンRED」2019年4月号)
「大月魅夜は高校二年のボーイッシュな少女。
 彼女の父親は物心ついた時にはおらず、母子家庭で育つが、割と平穏な生活を送ってきた。
 しかし、彼女のクラスに斑木ふらんという少女が転入してから、彼女の生活は一変する。
 ふらんを一目見ただけで、魅夜は凄まじい悪寒に襲われ、とても平静ではいられない。
 しかも、ふらんはひそかに彼女を監視しているような様子がある。
 ふらんに手術される夢を見たり、母親がふらんと電話でやり取りしていることから、魅夜はふらんが自分と何らかの関係があると考える。
 インターネットでふらんについて調べるうち、魅夜は自分が何ものなのか思い出すのだが…」

・「第2話 ワンダフル・ライフ」(「チャンピオンRED」2019年5月号)
「ふらんは世代交代の必要な進化実験のために、進化生物「Q・O・E(クオリファイリング・オーガニック・エンバイオメント)」を開発する。
 これは「規格のそろった遺伝子部品でできた生物ロボット」で、突然変異を起こしやすくすることで圧倒的な「多様化」を実現することができた。
 これは研究者たちにとても便利と大好評。
 しかし、ある会社がこれの特許を勝手に取り、進化ペットとして売り出すと、世の中に大センセーションを巻き起こす。
 更には、ペットとしてだけでなく、それぞれ進化された「Q・O・E」を戦わせる「Q・O・Eバトル」が行われるようになり…」

・「第3話 バトル・ロワイヤル」(「チャンピオンRED」2019年6月号)
「世界各国から様々な方法で集められた人々。
 彼らは「死のゲーム」に参加させられ、体力・知力・運・団結力に恵まれた、わずかな人々が最後のゲームにまで生き残る。
 最後のゲームは彼らの中にスパイがおり、それを見つけ出し殺さなければ、彼らは一人ずつひそかに殺されていくものであった。
 生き残りの一人がこのゲームの目的を尋ねると、主催者の老人は上流階級向けのキリング・ゲーム・ショーだと説明する。
 それを聞くと、皆のマスコット的な存在だったエスメラルダという少女が正体を現す。
 少女の正体はガブリールで、主催側の連中を主催者の老人以外、皆殺しにする。
 老人はガブリールに脅され、このゲームの本当の目的は、この国を数年前から牛耳っている科学者「M」による実験だと白状する。
 ガブリールは「M」が斑木直光だと考え、老人に彼を殺害することを提案。
 ガブリールは自分を開発した斑木直光を憎悪していた。
 一方、ふらん達もある国に謎の実験動物がいるという情報を得て、その国に向かう…」

・「アリスとうさぎの儒艮事件」(「チャンピオンRED」2018年3月号)
「房総半島南端に位置する腕田市蘭土町は山と海に恵まれた風光明媚な土地であるが、ぶっちゃけ、寂れた観光地。
 そこに、利出(りでる)ありすとパンデュール・うさぎという高校二年生の女子コンビがいた。
 ありすは早く田舎を出て、都会暮らしがしたい、ボーイッシュな少女。
 一方の、うさぎは外国人の父親とこの町に移住してきた、不思議ちゃん。
 ある日、二人が海岸を歩いていると、クリーニング屋の三宅のオヤジが水死体となって海に浮いていた。
 警察を呼ぶも、その頃には水死体は流れてしまったのか、見当たらない。
 翌朝、うさぎは三宅の水死体を再び目にする。
 放課後、二人が見に行くと、死体は膨らんでいたが、何か泳いでいるようで、うさぎは死体が生きているように感じる。
 死体は日々変化していき、一週間後、ジュゴンとなる。
 ジュゴンになった三宅は楽しそうであったが、近くの沖に旅客機が墜落し…」

・「アリスとうさぎの犬権問題」(「チャンピオンRED」2018年6月号)
「アリスは交通事故で頭を打って、動物の言葉がわかるようになる。
 うさぎにせがまれ、彼女はいろいろな犬とコミュニケーションを取るが、次第に犬が人間のせいで抑圧された生活を送っていることを知る。
 うさぎは人と犬の間の軋轢を減らすべく、脳科学者にアリスの脳を調べてもらい、犬語翻訳ヘッドセットを開発。
 しかし、犬と気持ちが通じるどころか、犬たちは今までの人間の横暴を告発し、犬権を求め…」

・「フランケン・ふらん対開田さんの怪談」(「チャンピオンRED」2018年9月号)
「ある日の下校途中、斑木ふらんに開田さんが話しかけてくる。
 開田さんは自分の怪談がマンネリ化しているため、ふらんなら医療関連で怖い話をたくさん知っていると期待していた。
 ふらんは協力を申し出て、開田さんを研究室に連れて行くが、自分が死に恐怖を感じないため、どうしたら恐怖を与えることができるのかよくわからない。
 そこでヴェロニカを壮絶な拷問にかけ、ある結論を導き出すのだが…」

・「第3.5話 バトル・ロワイヤル・アフター」(描きおろし)
「死のゲームの最中に深まっていく、エスメラルダと仲間たちの心の絆を描く…というのは嘘です…」

 斑木ふらん is back!!
 単行本の説明によると、「開田さんの怪談」とのコラボ企画がきっかけとなって、「フランケン・ふらん」が再開されたとのことです。
 「Frantic」が付いて新作のようですが、ノリは前作と同様で、ブラック・ユーモアと風刺、それと、大量の臓物を叩きこんだ奇想天外メディカル・ホラーです。
 併録の「アリスとうさぎ」シリーズはへんてこなファンタジーといった手触りです。
 奇想は冴えてますが、キャラが弱かったせいか、あまり注目されなかった模様です。
 この二話以外にも話はあるのでしょうか?

2025年7月21・22日 ページ作成・執筆

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