木々津克久「フランケン・ふらんFranticB」(2020年11月1日初版発行)

 斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
 斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
 博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
 さて、今回の患者は…?

・「第11話 狩人の夜」(「チャンピオンRED」2020年3月号)
「ある県で行方不明事件が連続して発生。
 不明者は二十人に及び、九人は体の一部が発見されるが、それは全て何ものかに食いちぎられていた。
 当然の如く、斑木研究所が疑われるが、特に警備に問題はない。
 とりあえず、ふらんは遺体を発見された順から調べる。
 どうやら獣は頭が良いようで、最初は無暗に食いちぎっていたが、やがて固いところは避けるようになり、食用部を効率的に道具を用いて取り出し、更に、大人から子供へと標的を変えていた。
 ちょうどその頃、母親が目を離したちょっとの隙に、少女がさらわれる。
 少女はある山の中で見つかるが、あっという間に目の前が真っ暗になって、ものすごいスピードでこの場所に連れてこられたと話す。
 少女の体に残った痕から襲撃者は五本指、そして、少女に肉の臭いを消すためか、大量の香草を与えていた。
 魔獣を捕まえるため、希望者を県民体育館に避難させ、大規模な山狩りが行われるのだが…」

・「第12話 幻の湖」(「チャンピオンRED」2020年4月号)
「『神隠しの湖』と呼ばれる、山中の美しい湖。
 この湖の畔に家があり、それは隠れ住むのに絶好の場所であった。
 ふらんの患者たちは自立するため、ここに移って、新生活を始める。
 ところが、この湖が「神隠しの湖」と呼ばれるのには理由があった。
 この湖の底にはダム建設の際、沈んだ村があるのだが、そこでは村の各戸に座敷牢があり、邪魔者や病人といった人々を報酬を引き換えに監禁していた。
 そして、村が沈められた時、座敷牢に閉じ込められた人々も共に水没する。
 今でもこの湖では捕らえられた人々の呻き声が聞こえ、月夜には湖から上がってくると言われるのだが…」

・「第13話 アドレアの恋の物語」(「チャンピオンRED」2020年5月号)
「アドレアは臓器培養人間。
 このところ、彼女の様子がおかしい。
 ふらんがアドレアに尋ねると、彼女は「恋がしたい」のだという。
 ふらんがアドレアを町に出すと、彼女は意外とモテモテで、オシャレしたり、パーティに行ったりと楽しそうにやっている。
 ふらんはとりあえずは彼女の好きなようにさせておくが、ある時、ふと気づく。
 そう言えば、この前、アドレアに移植した内臓は…」

・「第14話 ロングウェイ・ホーム」(「チャンピオンRED」2020年6月号)
「ガブリールは過激派組織、バスチアン教団の支配する国にいた。
 ちょうど仕事が終わった時、情報屋から連絡が入る。
 天使博士が危篤になり、斑木研究所に運ばれたという。
 博士が死ぬのは構わないが、ふらんに延命手術をされれば、どのような目にあうかわからない。
 ガブリールは日本を目指すのだが、行く先々でバスチアン教団の刺客が…」

・「第15話 パラダイス・ロスト」(「チャンピオンRED」2020年7月号)
「豊かな自然に恵まれた、希望の町、エレンディラ。
 「マザー」「ティーチャー」と呼ばれる大人たちが子供たちの世話をして、12歳のアリータはその中で最年長。
 最近、彼女はおかしな夢を見る。
 夢の中で気持ちの悪い肉の固まりが近づいてくるのだが、何故かそれに懐かしさを覚える。
 また、彼女は生理を迎え、性の目覚めと共に、新任の男教師、ダルトンに好意を持つ。
 ある時、彼女は友人のイレーズがダルトンと共に納屋にこそこそ入っていくのを目にする。
 そこで彼女が目にしたものとは…?
 肉の固まりの正体は…?」

・「第16話 パペットマスター」(「チャンピオンRED」2020年8月号)
「ふらんによる『末端神経の電極に直接電圧をかけることで筋収縮を起こさせる」研究。
 これは非常に画期的な理論で、蒲郡という男性研究者はふらんに研究を協力を申し込む。
 彼の亡くなった母親は脳梗塞の後遺症で全身が麻痺になり、彼はこの研究に人生を捧げていた。
 ある日、彼の許嫁の大空岬が交通事故にあい、脊髄損傷のため、全身麻痺となる。
 蒲郡に乞われ、ふらんは彼女の頸椎に電位センサー、全身のあちこちに電極を埋め込み、彼女は動くことができるようになる。
 しかし、次は神経の壊死が発生し、その次には…」

・「第17話 悪魔と呼ばれた男」(「チャンピオンRED」2020年9月号)
「ある日、ふらんはジョナサン・マックスファウラーという男から昔の研究の成果を使用するとの連絡を受ける。
 ジョナサン・マックスファウラーの祖父、ネルソン・マックスファウラーは巨大石油コングロマリット(複合企業体)の創始者であった。
 晩年のネルソンは斑木博士と交流を持ち、不老不死の研究に没頭したが、元来の秘密主義により、公表しようとしなかった。
 孫のジョナサンはこの不老不死の研究を医療に応用し、「不死の医療」により世界を変えようと目論む。
 マックスファウラー製薬研究所が開発した若返り法は劇的な効果を現し、会社の株価は急上昇。
 しかし、その薬を飲んだ老人が次々と他人を襲って喰い殺すようになり…」

・「特別編 希望の戦士」(描きおろし)
「青中という男子生徒がふらんに美容整形をお願いする。
 彼はイケメンで女子にモテモテであったが、「希望」になりたいと話す。
 彼の「希望」とは…?」

 個人的ベストは「アドレアの恋の物語」。
 アドレアさんがディスコでフィーバーしたり、ラブホテルで恥じらったりと、意外な姿を見ることができます。
 また、「パラダイス・ロスト」の幻想的で、もの悲しい雰囲気が好きなのですが、私の貧弱なオツムではストーリーをよく理解できませんでした…。

2025年9月4日 ページ作成・執筆

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