古賀新一「恐怖のからくり人形@」(1989年8月15日初版発行)
「理恵は、父親の転勤で、十年ぶりに東北のK市に戻る。
しかし、荒れ果てた、からくり屋敷を目にした時に、十年前の記憶が蘇える。
十年前、三、四歳だった理絵は、片岡めぐみという少女と仲が良かった。
片岡家は人形作りで知られており、めぐみの父親は、命の通った人形を作ろうと、からくり人形の創作に執心。
その度が過ぎて、今まで作った人形を、顔の左半分に醜い爛れがある妻に焼き捨てさせていた。
片岡家から離れたところに、様々な仕掛けのある、からくり屋敷があり、それが二人の遊び場であった。
ある日のこと、二人はいつものように日暮れまで遊ぶが、理絵はめぐみの姿がないことに気付く。
どこからか、めぐみの助けを求める声が聞こえるが、どこにいるのかさっぱりわからない。
理絵はめぐみの悪戯と判断して、帰宅、その後すぐに引っ越したのであった。
その記憶を取り戻した理絵は、めぐみが今も屋敷のどこかに閉じ込められていると思い込む。
実際、彼女には助けを求める、めぐみの声が屋敷から聞こえてくるのであった。
理絵の様子を見かねた母親は、片岡家にめぐみの安否を確かめに行く。
だが、母親はいつまで経っても帰って来ず、理恵は様子を見に片岡家に向かう。
その途中、理恵がふとからくり屋敷に入ると、屋敷の一部が崩壊し、その奥にめぐみの姿があった。
めぐみは当時のままの姿で、自分の家に走っていく。
理絵が狐にだまされたような心地でいると、片岡家からめぐみの父親が巨大なハサミを両手に襲いかかってくる。
めぐみの父親は娘が行方不明になったショックで頭がおかしくなっていた。
理絵は逃げようとするが、幾多のからくり人形が彼女を襲う。
あまりに魂を込めて作ったために、からくり人形には命が宿っていた。
人形の群れに八つ裂きにされる理絵。
しかし、気が付くと、彼女は自宅のベッドにいた。
先程までのことは夢であり、母親も全く無事な姿を見せる。
理絵は普段通りの生活に戻るが、母親の様子が以前とどうも違う…」
奇妙なマンガ…としか形容のしようがないです。
「分裂的・悪夢的」と「デタラメ・テキト〜」の狭間をビミョ〜に縫いながら、千鳥足でカタストロフに突き進む様は、他の漫画家さんの作品では決して見られない表現力です。
個人的には、ストーリーよりも巨大なハサミを振り回し、首をちょん切る、発狂パパの方が印象深く思いました。(「悪魔のはらわた」の影響?)
これが、「クロックタワー」というゲームのハサミ男を連想させて、発狂パパの描写では「Xボタン連打!!(頑張れ、ジェニファー!!)」とやけに力が入ってしまいます。
そう言えば、スーパーファミコンの「クロックタワー」、ちゃんとしたエンディング、まだ観れてないんですよね〜。
攻略本は持っていますが、見たら負け、と意地を張っていたら、すっかり放置したまま、何年も経ってしまいました…。
ちなみに、この作品は一巻となっておりますが、二巻は出ていないと思います。
まあ、「呪われた吸血少女」も一巻と二巻は別内容ですので、この作品も一巻完結と考えてかまわないでしょう。
2017年6月26日 ページ作成・執筆