細倉ゆたか
「異次元教室@」(1990年5月30日初版発行)
「異次元教室A」(1991年12月25日初版発行)
・「第1話 最初のタイム・トリップ」(単行本@)
「中村理香は普通の女子高生。
ある日、彼女が校内球技大会を仮病でサボろうとしたところ、教室で地震に襲われる。
気が付くと、教室は廃墟になっており、そこに一匹の犬が現れる。
理香が犬を撫でると、金髪の青年が乱入してきて、犬を斬殺。
犬の死体からは触手のようなものが幾つも伸び、黒髪の青年が真言を唱えると、触手のようなものは消滅する。
黒髪の青年は真魚(まお)、金髪の青年は道雄という名で、二人は生物に取り付く『ミミズもどき』と戦っていた。
この「ミミズもどき」についてわかっていることは少なく、理香はその通り道に迷い込み、別の世界に迷い込んだらしい。
元の世界にいつ戻れるかわからないため、理香は道雄と共に真魚に弟子入りすることを決める。
真魚は教室が怪物の通用門になっていることを見抜き、ここに結界を張ろうとするのだが…」
・「第2話 真魚と道雄、再び参上!!」(単行本@)
「元の世界に戻った理香。
しかし、この世界もあの怪物の侵略を受けるかもしれず、気が気でない。
彼女の不安を裏付けるように、町では野良犬や野良猫が増えていく。
また、ペットショップでは謎の殺人事件が起き、被害者は体中に穴が開けられていた。
そんなある日、理香の学校は野良犬や野良猫の集団に囲まれる。
動物たちは校舎になだれ込み、理香が窮地に陥った時…」
・「第3話 見知らぬ世界」(単行本@)
「真魚・道雄と共に理香は35年後の世界にタイム・トリップしてしまい、とりあえず、彼らは真魚のおじの家に滞在することとなる。
翌日、真魚は遠隔透視により怪物が西に40キロ先の海岸にいることを知り、三人はその海岸に向かう。
その海岸には洞窟があり、三人が入ると、真魚は亡くなった父親、道雄は美しい女性、理香はきれいな庭園の光景を目にする。
真魚はこれが罠だと気づくが…」
・「第4話 怪奇・複製人間」(単行本@)
「真魚はしばらく療養する必要があり、道雄と理香は手持無沙汰となる。
そんな時、二人は真魚のおじからお使いを頼まれる。
世田谷の中谷という人物に箱を運ぶ仕事だが、箱の中身はハツカネズミであった。
この世界では小動物は怪物を引き寄せるため、持ち歩いているのがバレると禁固刑となる。
二人はとりあえず、中谷に箱を届けると、中で一服するよう勧められる。
中谷は学者で、実験用の動物を必要としていたが、その研究内容とは…?」
・「第5話 過去の世界へ」(単行本@)
「中谷の研究により、怪物に対抗する手段が発見される。
真魚は道雄を中谷のボディガードとして付けるが、怪物は今のところは鳴りを潜めているらしい。
ある時、真魚と理香がおじの家にいると、おじが倉庫に野良犬がたくさん集まっているから様子を見に行ってほしいと頼みに来る。
だが、これは怪物の罠で、理香が一人きりになる機会を窺っていた。
怪物はインディアン姿で真魚のおじの家を訪ね、家に取り付く。
理香は怪物化した家に閉じ込められてしまい…」
・「第6話 ディーヴァの門」(単行本@)
「理香はインディアンに1844年の北アメリカにある洞窟に連れていかれる。
真魚は理香の行方を突き止めようと透視をするが、心乱れることが多く、精神集中がうまく行かない。
そこで彼は山小屋に一人でこもり、自分自身と向かい合い、徹底した悟りの境地を得ようとする。
真魚の心が次元を超越した時…」
・「第1話 大草原の小さな家」(単行本A)
「理香・真魚・道雄の三人は1844年の北アメリカの大草原をさまよっていた。
三人はようやく人家を見つけ、三人はそこの牧場で住み込みで働くこととなる。
その家には子供のいない初老の夫婦が住んでおり、三人に非常に親切であった。
だが、その牧場で牛が次々と変死する。
真魚はこの場所に怪物が集まってくることを察し…」
・「第2話 五台山の戦い」(単行本A)
「理香・真魚・道雄の三人は北アメリカから中国の五台山へ移動する。
彼らを呼んだのはカウイという青年で、ディーヴァ(怪物を操る宇宙人)の地球侵略を拒むため、協力を求める。
カウイは深夜、怪物が襲ってくると予想し、真魚は佛光寺、道雄は法華寺で寝るよう言われる。(寺は女人禁制のため、理香は爪はじき)
また、怪物はなるべく殺さず、中央に向かうよう指示されるのだが…」
・「第3話 時空のはざまで」(単行本A)
「理香・真魚・道雄の三人は五台山で過ごすが、あの道雄が意気消沈していた。
実は彼は怪物を倒した後、真魚と別れることを心配していたのであった。
理香はそんな彼に付き合い、二人で川で釣りをしていると、川の中から怪物が現れる。
その場に真魚とカウイが駆けつけ、四人で怪物を撃退すると、今度は水中からUFOが飛び出し、異次元へと逃げる。
四人はUFOの後を追うが、異次元では戦うには不利なため、そこから脱出し、一度、現実世界へと戻るのだが…」
・「第4話 最後の対決」(単行本A)
「五台山での危機を知り、理香・真魚・道雄は五台山へとワープする。
その途中、崖っぷちのディーヴァは三人に戦いを挑む。
二体の怪物を相手に彼らはどう戦うのか…?
そして、遂に三人はディーヴァと対峙する…」
・「番外編 禁断の生命体」(単行本A)
「真魚・道雄と別れ、理香は普通の学校生活を送る。
ところが、ある日、真魚と道雄が突然、現れ、彼女に協力を要請。
真魚によると「邪悪なエネルギー」を感じると話し、その場所にタイム・トリップをするが、途中、道雄が異次元で行方不明となる。
真魚は助けに行こうとするが、エネルギー源に引っ張られてしまう。
そこは異世界の高校で、岩のような有機生命体が屹立していた。
これは会話できるほど、高等な生物ではない上に、近づくと吸い込まれてしまうため、遠隔攻撃もできない。
しかも、この生物は岩のカケラをばらまき、それに触れた人々は皆、生命エネルギーを吸い取られてしまう。
この生物を倒すためには(とある理由で)道雄が必要なのだが…。
一方、行方不明になった道雄は予想外の生命体と接触していた…」
・「教室のいけにえ」
「由貴は心優しい少女。
彼女のクラスではモモコという兎を世話していたが、ある日、野良犬か何かに襲われて死んでしまう。
由貴は嘆き、モモコの墓を作ってお参りした時、奇妙な花が蔦を彼女の腕に伸ばす。
この花は理科の先生ですら名前のわからない、極彩色の花であった。
由貴はこの花がモモコを襲ったと訴えるが、クラスで孤立してしまい、無視されるようになる。
一方、教室ではこの花が教室の後ろ側に飾られていたのだが…」
・「真魚と道雄の優雅な生活」
「ある日、道雄は真魚にその能力を使って宝探しをしたらと勧められる。
真魚は拒否するも、真魚のおじが大いに乗り気で、結局、やる破目になる。
真魚はある岩の15メートル地下に財宝があると二人に教えるのだが…」
「異次元教室」は侵略SFが入ったファタンジー作品です。
ぱっと見はシリアスに見えますが、実はかなり軽いノリが全編に横溢していて、おちゃらけた雰囲気が当時の空気を感じさせます。
そのため、個人的には、植物ホラーの「教室のいけにえ」の方が面白かったです。
ヒロインが(良い娘なんだけど)陰気臭くて、ホラー作品として妙な説得力がありました。
2025年12月19・21・22日 ページ作成・執筆