佐藤健太郎
「不死と罰@」(2022年4月15日初版・2024年7月15日3版発行)
「不死と罰A」(2022年8月15日初版・2024年4月5日再版発行)
「不死と罰B」(2023年2月15日初版発行)
「不死と罰C」(2023年7月15日初版発行)
「不死と罰D」(2023年12月15日初版発行)
「不死と罰E」(2024年7月15日初版発行)
「不死と罰F」(2025年1月15日初版発行)
「不死と罰G」(2025年6月15日初版発行)
・「第1話」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2021年12月号)
「歌舞伎町のラブホテル「アルタイル」にミナトという青年がエリカという女性と入る。
ところがミナトはEDで、事後、エリカは不満たらたら。
しかも、彼がシャワーを浴びている間に彼女は彼の財布から中身を根こそぎ抜いてトンズラする。
彼女は彼の顔に見覚えがあり、運転免許証を確認すると、彼の本名は矢風文人。
彼は中学二年生の時、四人の女子中学生を殺害・死体遺棄した殺人者であった。
彼女は慌てて彼に財布の中身を返そうとするが、その時、目の前にゾンビが現れる…」
・「第2話」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2022年1月号)
「ニュースで報道されている通り、都内ではあちこちでゾンビの「感染」が広がる。
ゾンビはラブホテル内にも侵入するが、ミナトの部屋(603号室)は六階にあり、とりあえずは安心であった。
今まで元・殺人犯として冷遇され、ずっと死を考えていたが、いざ惨状を目にすると、やはり生に未練が残る。
彼は恋人の松笠祥花と連絡と連絡を取ろうとするが…」
・「第3話」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2022年2月号)
「隣の602号室からミナトの部屋に電話が入る。
602号室には仮野女衣(かのめい)という女性アイドルとパトロンの岩陰がいたが、岩陰は外の様子を見ようとした際、飛沫感染していた。
岩陰は意識があるうちに、自分の手足を女衣に縛らせ、バスルームに閉じ込めさせるのだが…。
その頃、604号室ではホテルの清掃員の亀ヶ岡怜二と美沢由佳が途方に暮れていた。
美沢はシングルマザーで、子供たち(姉:あかり/弟:ゆうと)と連絡が取れず、焦燥に駆られるが…」
・「第4話」(単行本@/「別冊少年チャンピオン」2022年3月号)
「603号室ではゾンビ化した岩陰がバスルームのガラスを割って這い出てくる。
女衣はミナトに助けを求めるのが…。
一方、美沢は子供と連絡が取れたものの、スマホの電源が尽きてしまう。
充電器を探すため、彼女は部屋の外に出ていく決意をする…」
・「第5話」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2022年4月号)
「美沢が602号室のドアをマスターキーで開けると、入り口にはバリケードがしてあるが、中には人の気配がない。
廊下には一体のゾンビがおり、彼女は引くに引けず、中へと入っていく。
ベッドの枕の上には充電中のスマホがあり…」
・「第6話」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2022年5月号)
「701号室ではルミヤ、リリィ、ぴよりの三人組が清掃員の金子を襲い、マスターキーを奪う。
ルミヤは金子に激しい暴行を加え、証拠隠滅のため、半死半生の金子を廊下に転がしておく。
その頃、美沢はようやく子供たちと連絡が付くが、子供たちはマンションの部屋の中で布団にくるまり怯えていた。
美沢は彼らを助けに行こうとするが…」
・「第7話」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2022年6月号)
「ミナトの機転により美沢は子供たちを落ち着かせることに成功する。
彼は美沢のマンションが笹塚にあることを聞き、この状況下でどう行動すべきかを考える。
それには情報収集と冷静な判断が必要であった。
一方、刈野女衣はSNSでファンに自分の無事を報告する。
ファンから安堵のメッセージが届く中、「プレアデス」という人物から「ラブホでしょ」というメッセージが来ており…」
・「第8話」(単行本A/「別冊少年チャンピオン」2022年7月号)
「ルミヤ、リリィ、ぴよりの三人は食料を探し、七階の部屋を見て回る。
706号室には全身に刺青を入れたヤクザと射殺されたゾンビ女の死体があった。
ルミヤたちは愛想笑いでごまかして退散し、最後に突き当りの部屋に入る。
一見誰もいないようであったが、ベッドの陰でゾンビ化した男が女を貪り喰っていた…」
・「第9話」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2022年9月号)
「7階から突き落とされたゾンビが602号室に窓から侵入してくる。
ミナトと美沢は内ドアと玄関の間のスペースに逃げ込むが、ゾンビの立てる音に反応して廊下のゾンビが602号室の前に集まってくる。
この危機を乗り越えるため、ミナトは603号室の女衣に電話をして…。
その頃、7階ではルミヤとリリィが仲間割れをしていた。
リリィは705号室に逃げ込むが、そこには…」
・「第10話」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2022年10月号)
「美沢は604号室に戻れず、ミナトと美沢は603号室へと逃げ込み、女衣と出会う。
ミナトは岩陰の死体を観察し、
@ゾンビの弱点は頭部
A噛まれると二分、体液または血液の飛沫による接触では約十分で発症
の二点を確認する。
その後、彼は食料はホテルのどこにあるのか美沢に尋ねる。
食料は一階のバックヤード内のキッチンに備蓄があるのだが、行くのは自殺行為に等しい。
そこで美沢は清掃員の金子に連絡するのだが…」
・「第11話」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2022年11月号)
「金子によると、7階には食料もあり、ゾンビもいないので、こっちに来るよう誘われる。
ミナミ・美沢・女衣の三人は6階の廊下にいるゾンビをかわして、7階に行く手段を考える。
その最中、女衣はSNSにプレアデスからDM(ダイレクト・メール)が幾つも届いているのに気づく。
プレアデスは彼女のホテルの階まで特定しており、プレアデス本人もホテル内にいるようで…」
・「第12話」(単行本B/「別冊少年チャンピオン」2022年12月号)
「美沢のマンションの部屋に二人組の男が侵入する。
子供たちはベッドの下に身を隠すが、物音を聞きつけたゾンビがなだれ込んできて…。
一方、706号室では風張というヤクザが子分に「道具」を用意してすぐに来るよう再度要求していた。
向いのビルにいる子分二人は外に出ていくのは無謀とは思うものの、風張に逆らうと後が怖すぎるため、腹をくくる…」
・「第13話」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2023年1月号)
「亀ヶ岡怜二はスマホの電池が切れたため、意を決して充電器を探しに部屋を出る。
幸い廊下にゾンビはおらず、彼は602号室で充電器を入手し、ついでにミナトの私物も604号室に持ち帰る。
ミナトの私物を調べていると、運転免許証の「矢風文人」という名前に聞き覚えがあり、検索すると…」
・「第14話」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2023年2月号)
「美沢は子供と連絡が取れなくなり、最後の手段として元・旦那に連絡を取る。
元・旦那はトラックの運転手で、子供たちは無事に保護されていた。
しかし、彼は元・妻を助けずに、子供たちを連れて、どこか安心な場所に行こうとする。
元・夫婦が口論をしていると、女衣が美沢のスマホを奪い…」
・「第15話」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2023年3月号)
「ゾンビがいない隙に、ミナト・美沢・女衣の三人は七階に行こうとする。
エレベーターから出てきたゾンビはやり過ごし、どうにかエレベーターに乗り込むことはできたが…」
・「第16話」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2023年4月号)
「ミナトたちの窮地を風張に救われる。
ミナトたちは風張の部屋に招かれるが、女衣は風張に何か惹かれるものがあった。
二人の関係とは…?」
・「第17話」(単行本C/「別冊少年チャンピオン」2023年5月号)
「渋谷はゾンビの群れに覆われ、自衛隊も手が追えず、撤退命令が出される。
一方、東京丸の内にあるモールでは封鎖対応が早かったため、生存者が多数、取り残されていた。
その中にミナトの恋人の松笠祥花と大学病院の医師、吉野優吾がいた。
二人は知り合いなのだが…。
その頃、風張の子分たちは風張のいるホテルに向かう準備をしていた。
風張の脱出計画とは…?」
・「第18話」(単行本D/「別冊少年チャンピオン」2023年6月号)
「705号室ではルミヤが金子に拘束されていた。
一方の706号室では風張が子分に「EDO」とい場所について電話で話していた。
彼は女衣しか連れて行かないと、ミナトと美沢に睨みをきかすが…」
・「第19話」(単行本D/「別冊少年チャンピオン」2023年7月号)
「ミナトと風張は一階のバックヤードで食料を得るために外階段を降りていく。
その間、美沢と女衣は脱出に必要な道具をリスト化し、脱出の案を練る…」
・「第20話」(単行本D/「別冊少年チャンピオン」2023年8月号)
「ミナトと風張はバックヤードまでたどり着くものの、ゾンビ化したネズミに襲われる。
ネズミを退治した後、彼らはキッチンに隠れていた、ホテル支配人の石神と会う。
その頃、金子は美沢と連絡を取り、風張の脱出計画を知る。
それはルミヤの耳にも入り…」
・「第21話」(単行本D/「別冊少年チャンピオン」2023年9月号)
「亀ヶ岡がSNSでミナトの運転免許証やノートをさらし、女衣はミナトの正体を知ってしまう。
また、亀ヶ岡には「被害者遺族の者」を名乗る人物からDMが届いていた…」
・「第22話」(単行本D/「別冊少年チャンピオン」2023年10月号)
「ルミヤは金子の欲情を煽ることに成功する。
二人は風張とミナトがいない間に706号を襲い、美沢と女衣をさらう。
美沢の案内で二人は604号に向かうのだが、そこには…」
・「第23話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2023年11月号)
「6階の廊下で美沢・女衣・亀ヶ岡は風張・ミナトと合流。
彼らにゾンビ化したネズミやゾンビの群れが迫る。
風張とミナトは7階のドアを押さえるが、風張はゾンビに左手小指を噛まれてしまう…。
一方、604号室では金子がゾンビ化しつつあった。
彼はゾンビ化したネズミを喰い殺すが、そのネズミは…」
・「第24話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2023年12月号)
「風張の子分たちの運転するアドトラックがホテルへと向かう。
腹ごしらえを終えた後、風張は皆にホテルを脱出する準備をするよう命令する。
一方で美沢の元・旦那のトラックもホテルに向かいつつあった。
美沢がその連絡を受けた時、女衣が彼女に話しかけてくる。
女衣は美沢にある運転免許証を見せるのだが…」
・「第25話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2024年1月号)
「東京丸の内。
松笠祥花と吉野優吾はSNSで亀ヶ岡とコンタクトを取り、ミナトの居場所を探っていた。
二人の過去とその正体とは…?」
・「第26話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2024年2月号)
「東京丸の内のモール屋上にヘリコプターがやって来る。
それはモール内の議員を迎えに来たのであったが、その音がゾンビを引き寄せてしまい…。
その頃、ホテル前にアドトラックが到着する。
脱出に向けて行動を起こす時が来たが、それぞれの心のうちは…?」
・「第27話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2024年3月号/4月号?)(注1)
「脱出計画は、隣のビルへと跳び移り、外階段から地上へ降り、風張の呼んだトラックへ乗るというものであった。
しかし、ホテルで火災報知機が鳴り、ゾンビがホテルに殺到する。
風張は子分たちに指示を出すが、その指示とは…?」
・「第28話」(単行本E/「別冊少年チャンピオン」2024年5月号)
「ルミヤは生きており、自分が死ぬまでをライブ配信していた。
彼は女衣を人質に取り、ビルの中へ消える。
風張は彼女を救うため、単身で二人を追う。
風張は「使命」を果たすことができるのであろうか…?」
・「第29話」(単行本F/「別冊少年チャンピオン」2024年6月号)
「ゾンビが溢れるホテルから美沢と亀ヶ岡は間一髪で脱出する。
同じ頃、支配人の石神も表に出る。
彼は風張の子分の銃を奪い、自分だけ軽自動車で逃げるのだが…」
一方、女衣は皆のもとに向かっていた。
彼女の前に巨体のゾンビ男が立ちふさがるが…」
・「第30話」(単行本F/「別冊少年チャンピオン」2024年8月号)
「どうにか美沢の元・旦那のトラックが間に合う。
美沢は子供の安否を確認した後、元・旦那にトラックを止めるよう言う。
トラックの方に駆けてくる二人の人物の姿が…」
・「第31話」(単行本F/「別冊少年チャンピオン」2024年9月号)
「東京丸の内のモールにゾンビが侵入する。
ゾンビが迫る中、吉野優吾と松笠祥花はヘリコプターから下げられたロープにつかまる。
しかし、ロープに大量のゾンビがしがみついたため、ヘリコプターはバランスを崩し…」
・「第32話」(単行本F/「別冊少年チャンピオン」2024年10月号)
「ミナトたちの一行はオフィス・ビル内の美容整形クリニックで休憩を取る。
一日も立たないうちに日本は政府を含めあらゆる機能が麻痺し、船かヘリコプターで別の島か国に行くしか助かる方法はない。
最も確実なのは風張に教えてもらった「EDO(穢土)」という島に船で渡ることであったが…」
・「第33話」(単行本F/「別冊少年チャンピオン」2024年11月号)
「彼らはアウトドア・ショップで必要な物資を調達する。
出発する時、ミナトは皆に別れを告げる。
彼が向かった先は…?」
・「第34話」(単行本G/「別冊少年チャンピオン」2024年12月号)
「ミナトは母親に別れを告げた後、東京キャッスルホテルへとバイクを走らせる。
五階のチャペルで彼は遂に松笠祥花と再会する。
だが、ここにはもう一人、彼を待っている人物がいた…」
・「第35話」(単行本G/「別冊少年チャンピオン」2025年1月号)
「松笠祥花はミナトを解放し、チャペルから二人で立ち去ろうとする。
彼女はミナトを幸せにすることにこだわるが、その目的とは…?」
・「第36話」(単行本G/「別冊少年チャンピオン」2025年2月号)
「女衣・亀ヶ岡・美沢の一家は東京湾にある風張のプレジャーボートを発見する。
皆、乗り込み、後はもやいを外すだけなのだが、ボートのエンジン音を聞きつけ、ゾンビが集まってくる…」
・「第37話」(単行本G/「別冊少年チャンピオン」2025年3月号)
「一年後、廃墟となった東京。
生き残った人々をゾンビから守るグループがあった。
ボスである男性は白い服に身を包み、舌の尖端が割れていた。
ネットでは彼を…」
・「最終話」(単行本G/「別冊少年チャンピオン」2025年4月号)
「生き残った人々は「EDO」で気ままに暮らしていた。
ある日、海の方から船のエンジン音が聞こえてくる。
それに乗っていたのは…?」
「ゾンビもの」の傑作です。
ゾンビ映画の名作「28日後…」に影響を受けているのではないでしょうか?
ラブホテルという閉鎖空間に元・少年殺人犯、自分を見失ったアイドル、一途なヤクザ、シングルマザーの清掃員、etc…と個性的なキャラが集まり、スリリングなゾンビ・パニックと並行して、濃厚な人間ドラマが展開されます。(注2)
個人的に、最初は互いに不信感しかなかった人々が目の前の危機に協力して立ち向かっていくうちに信頼し合うようになる…というストーリーが(ベタだけど)大好きでして、その点でも「不死と罰」は私の琴線に触れまくりでした。(注3)
また、ヤクザの風張はあまりに一途で惚れます!!(が、情け容赦はないので、付き合いたくはないです。)
ラストも(若干、ご都合主義っぽいところもあるけど)心癒されるもので、ここまで読後に爽快感があるゾンビ漫画ってなかなかないのではないでしょうか?(注4)
諸手を挙げてお勧めできる作品ですので、多くの方の目に触れることを願っております。(ただし、残酷描写はかなりキツいです。そこはご注意を。)
・注1
単行本Eでは六話なのに、「2023年11月号〜2024年5月号」となっております。
雑誌を持っておらず、詳しいことがわからないのですが、第27・28話が三回の連載分をまとめてものではないか?と考えて、こう記しております。
ただし、間違っている可能性が大きいので、注意されてください。
・注2
本書のタイトルの「不死と罰」はドストエフスキー「罪と罰」のもじりです。
「不死と罰」は元・少年殺人犯の「贖罪」がテーマの一つなので、作者としては「『ゾンビもの』meets『罪と罰』」を目指していたのでしょうか?
・注3
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(1968年)での「反目しまくって自滅」パターンも意外と好きだったりします。
・注4
個人的に、ラストが素晴らしかったので思い浮かぶのは佐伊村司・作画/中山茂大・原作「東京アンデッド」(徳間書店)です。
知名度はさほどないようですが、隠れた良作だと私は思います。
2026年3月2・3・6〜10日 ページ作成・執筆