小池ノクト
「黒街@」(2015年6月15日初版発行)
「黒街A」(2016年4月15日初版発行)
「黒街B」(2017年1月15日初版発行)


単行本@(「Championタップ!」2014年1月〜7月、9月〜2015年2月)
・「第1話 タイムセール」
 黒町幸一は引きこもりの高校生。
 彼の父親(黒町ひろみ)は妻に離縁され、会社はリストラされ、バイトを転々としながら食いつないでいた。
 彼の新しい仕事先は近所のスーパーの深夜パート。
 ある夜の午前三時前、幸一は父親の忘れ物を届けにスーパーを訪ねる。
 パートのおばさんに案内され、幸一は調理室に入るが、もうすぐ三時だと知ると、おばさんの顔色が変わる。
 三時にはタイムセールが始まるというのだが…。
・「第2話 公共事業」
 ある夜、幸一がコンビニにエロ雑誌を買った帰り、父親が工事現場の警備員として働いているのを目にする。
 父親は危ないから早く帰るよう言うが、その時、ホイッスルが鳴り、工事現場のシャッターが閉められる。
 幸一はヘルメットを頭に乗せられ、父親や他の作業員と共に穴を埋める作業にかり出される。
 早く埋めないと命に関わるというのだが…。
・「第3話 堀川さん」
 黒町父子が住んでるアパートの隣部屋は堀川というヤンキー。
 堀川は幸一が少しでも音を立てると、壁ドンをして、ある日、遂に幸一はキレて怒鳴る。
 しかし、それは相手の怒りに火を注いだだけで、堀川は壁の向こうで荒れ狂う。
 幸一が嵐が過ぎるのを待っていると、玄関のチャイムが鳴る。
 そこには中年女性の姿があり、彼女は堀川の母親らしいのだが…。
・「第4話 アクアリウム」
   父親がバイト先で片足を骨折し、入院する。
 見舞いの帰り、幸一は塀にアルバイト募集の貼り紙を目にする。
 それは熱帯魚を販売する「アクアリウム夢」という店で、幸一は女主人に声をかけられる。
 女主人は若いきれいな女性であったが、魚嫌いという変わった人物であった。
 この店は彼女の主人が潰れた銭湯を買い取り、熱帯魚店に改造したものので、しかも、水槽の魚は全部、死んでいる。
 彼の仕事は死んだ魚を湯船に移すことだが、この湯船には…。
・「第5話 苦取荘@」
 父親がバイトを首になったため、幸一と父親は祖父(黒町健太郎)に金を借りに行く。
 祖父は苦取荘という寂れた旅館を経営していたが、最近、大口の客を掴まえ、繁盛していた。
 父親は旅館で仲居として働くこととなり、幸一は一室でゴロゴロしているうちに居眠りしてしまう。
 すると、彼の耳元で何やら呟き声が…。
・「第6話 苦取荘A」
 苦取荘に団体客がやって来るが、老人ばかりであった。
 幸一は彼を働かそうとする祖父から逃げているうちに、祖父の部屋に入り込む。
 祖父の私物の中に「シニアゴールデンツアー」のチラシがあった。
 チラシにはでたらめばかりで、幸一は父親にこのことを知らせ、この仕事を辞めさせようと考える。
 その頃、宴会は佳境へと入りつつあった…。
・「第7話 ミノさん」
 収入ゼロの黒町一家は自家栽培でどうにか凌ごうとしていた。  新聞紙の上に空き地で取ったドクダミを乾かしていたが、その中にいつの間にかミニチュアサイズの牛がいる。
 とりあえず、段ボールの中で牛を飼うのだが…。
・「第8話 部活動@」
 家にいても仕方なく、幸一は五ヶ月ぶりに登校する。
 彼が不登校になったのは化学教師の旗本にボヤの責任をなすりつけられたせいであった。
 でも、親友の青木に科学部に来るよう熱心に誘われ、放課後、幸一は科学部の部室を訪れる。
 そこでは焼き肉の試食会が行われており、この肉は人類を飢餓から救うというのだが…。
・「第9話 部活動A」
 科学部が廃部になった後、幸一は様々な部活動に誘われる。
 彼のピンチを救ったのは一年の小早川英子というマスク女子であった。
 彼女は「写真部」で、幸一はカメラに興味津々。
 だが、その部室には奇怪な張りぼての人形が飾ってあった。
 ここは「写真部」ではなく「邪神部」で…。
・「第10話 土曜日」
 幸一のアパートを小早川が訪ねてくる。  不登校の幸一に勉強を教える…というのは建前で、実際は彼の父親に会いに来たのであった。
 だが、父親は不在で、小早川が帰ろうとした時、どこからか父親の声がする。
 声をたどると、一階の部屋の中に巨大な穴が掘られており、その底からであった。
 幸一と小早川がはしごを下りると、穴の奥に…。
・「第11話 クロチカ」
「前回、掘っていた穴は「黒町地下街(クロチカ)」をつくるためのものであった。
 こんなわけのわからない仕事にこだわる父親に愛想を尽かし、幸一はアパートを出て、母親のもとに向かおうとする。
 彼が夜の町を歩いていると、自警団の男性が中年女性に絡まれているのを目にする。
 中年女性は何かの動物に悩まされているのだが、その正体は…?
・「第12話 おやじの本気」
 幸一の父親が行方不明となる。
 いるとしたなら、クロチカのはずで、彼はクロチカに降りる。
 病院の廃墟に入り込んだりしているうちに、彼は方向を見失い、オープン前の商店街へ着く。
 ここでは午後五時になると、危険になるのだが…。

単行本A(「Championタップ!」2014年8月、2015年3月〜11月)
・「第13話 集金人」
 幸一はいろいろとありすぎて、学校を休み、アパートの部屋でうじうじしていた。
 そこへ小早川が訪ねてくる。
 彼女は「調べもの」をしており、父親に用があるようだが、幸一は父親のことをどう説明したらよいか途方に暮れる。
 小早川は彼に手がかりを探そうと提案し、二人は父親の私物から「大事なもの」が入っている箱を見つける。
 その箱には通帳、印鑑、健康保険証などに混じって「怖いやつ」と書かれた封筒があった。
 その中身は…?
・「第14話 図書館」
 黒町で何故こんな奇怪な出来事が起こるのか?…それを明らかにするため、幸一と小早川は図書館に行く。
 小早川は、不思議な事件が起こった場所に印を付けていけば、何らかの法則が見つかるのではないかと考えていた。
 二人で「黒町町史」や「黒町月報」をあたるが、幸一はいつの間にか居眠りをしてしまう。
 目覚めると、図書館内は真っ暗であった。
 ドアは明かず、幸一は閉館で閉じ込められたと焦る。
 彼はテーブルで顔を寄せ合っている女子高生三人組に声をかけるのだが…。
・「第15話 黒町」
 図書館を出てから、幸一は小早川と別れ、帰ろうとする。
 だが、あるべき場所や建物が何故か存在せず、知らない町のようであった。
 戸惑っているうちに、日は暮れていき、彼の前に異形のものが…。
・「第16話 プール」
 クロチカで見た病院の廃墟…そこは過去、大量殺人が起こった場所であった。
 そこを調べるため、幸一と小早川は町内プールを訪れ、地下水をくみ上げる井戸に侵入する。
 螺旋階段を降りると、地下水道が広がり、二人は病院の廃墟に到着。
 幸一が巨大な発電機に感動している間に、小早川は手術室らしき部屋に入るのだが…。
・「第17話 パーティ」
 幸一の機転で小早川は危機を脱する。
 二人が他の病室を調べようとした時、クロチカの社長がその場に現れる。
 彼は発電機を直そうとするが、コードが何ものかに引きちぎられていた。
 彼はコードを無理に接触させ、感電。
 しかも、二人の前に再びモンスターが現れ…。
・「第18話 邪神さん」
 幸一の父親は「黒町浄化商会」という会社を設立し、「戦士」として黒町の怪物と戦おうとしていた。
 同志は僧侶の雲海(回復担当)、行方不明の妹を捜す佐藤まどか(魔法担当)の二人。
 彼らの前にクロチカ社長の体にとり憑いた邪神が現れる。
 とりあえず、逃げ込んだ部屋には巨大な機械が設置されていた。
 小早川がこの機械について調べると…。
 黒町の異変の原因とは…?
・「第19話 ニョーン」
 夜、幸一は道ばたでしゃがみ込んでいる少女を目にする。
 心配になり声をかけると、少女の名は「さち」で、家の方角はわかるが帰り道がわからないようであった。
 幸一は彼女を家に送ろうとするが、指さす方向はバラバラで、しかも、彼女はしょっちゅう喉の乾きを訴え水を欲しがる。
 ようやく彼女の家の近くまで来ると、猫の鳴き声が聞こえ、少女は猫に駆け寄る。
 この猫は「ニョーン」という名で、さちは幸一に飼ってくれるよう頼むのだが…。
・「第20話 10円くじ」
 幸一と父親は夏祭りにやって来る。
 だが、父親が持ってきたのは500円玉一枚で、アイスを食べて帰ることにする。
 その時、暗闇の中から「10円くじ」を売る声が聞こえる。
 父親は十円くじに惹かれ、声のする方へと向かうのだが…。
・「第21話 町長@」
 家の食糧が尽き、幸一はバイトを探しに外出する。
 とは言え、当てはなく、とぼとぼ歩いていると、不良たちがゾンビをからかっている場に遭遇。
 その場からひそかに立ち去ろうとした時、町長のどら息子、下州畑に見つかってしまう。
 下州畑はゾンビ女にキスしたら百万円やると幸一に言うのだが…。
・「第22話 新型歩兵」
 ある夜、止められているはずの電話が鳴る。
 幸一が受話器を取ると、変な声が聞こえ、しかも、テレビを観ていた父親が姿を消していた。
 幸一が外に捜しに出ると、異様に暗く、彼はゾンビの群れに囲まれる。
 その時、ビルの隙間から白髪の老人が彼を呼び、はしごの上の「砦」へと避難する。
 老人は元・軍人らしく、幸一に一緒に戦うよう頼むのだが…。
・「描きおろし」
 放課後、邪神部の活動を終えてから、小早川英子は帰宅の途に就く。
 彼女の右手にはさすまた、左手には鞄。
 帰宅途中、彼女の身に起こる出来事とは…。

単行本B(「Championタップ!」2015年12月、2016年1月〜8月、10月)
・「第23話 赤い人」
 祖父から幸一たちへクリスマスプレゼントが届く。
 プレゼントは幸一の好物のリンゴで、早速切ると、中からサンタクロースが現れる。
 何でも願い事を叶えると言われ、幸一は詐欺だと警戒し、一億円出すように言うと、その場に一億円の札束が出てくる。
 幸一と父親と二人いるので、願い事はあと一つ可能。
 幸一と父親は願い事を何にするか話し合い、その結果…。
・「第24話 石鹸」
 晩、幸一が銭湯に行こうとすると、「ハイパー銭湯黒町」なる銭湯が目に入る。
 入浴料金は格安の120円で、入ってみると、昭和風の銭湯であった。
 料金を払う際、幸一は番台の老婆から一番奥にいる男性は絶対に相手にしないよう注意される。
 幸一が浴室に入ると、クラスメートの雄太が先に来ていた。
 洗い場で並んで体を洗っていると、いつの間にか雄太の横に例の男が座っている。
 絶対に無視しなければならないが、男はしきりに石鹸を貸すよう要求し…。
・「第25話 マッチポンプ草」
 鍋物をしようと買い物に出たものの、鶏肉を買った残金が120円…。
 野菜をどうするか思い悩んでいると、無人販売所が思い浮かぶ。
 しかし、晩方には全て売り切れており、途方に暮れる。
 その時、物音がして見ると、無人販売所のそばで小早川が耳を塞いでしゃがんでいる。
 彼女は幸一に耳を塞ぐよう言い、幸一が両耳に掌を押しつけていると、犬が抜いた野菜を引きずりながら現れる。
 小早川はマンドラゴラを手に入れるつもりだったが、どう見ても人参であった。
 そこに畑の持ち主の老人が現れ、変な植物でもむやみに抜かないよう二人を諭すのだが…。
・「第26話 Sachiko」
 ある日、幸一が高校の前を通りかかると、校庭のフェンスに少女が取り付いていた。
 少女は生徒たちが体育の授業をしているのを見て、楽しそうだと全身で羨ましがる。
 幸一は彼女に声をかけ、話ながら並んで歩く。
 彼女の名は幸子で、母親からは学校に行くことを止められていた。
 幸一は自分の境遇を彼女と重ね合わせ、心から共感する。
 晩、夕御飯を探すと電柱に登る幸子に幸一は肉まんを奢る。
 翌日、彼は彼女とまた会うのだが…。
・「第27話 クトゥ吉」
 邪神部では段ボールとガムテープを駆使して、タコ型の邪神像をつくる。
 幸一を含めた部員たちはその像をリヤカーで町のある場所へと運ぶ。
 ここは周囲を曰く付きの建物で囲まれ、更に、風水では大凶と言われる行き止まりの道であった。
 小早川はこの場所なら邪神復活にふさわしいと考え、この場所をもっと負のオーラで満たすため、幸一に自分を罵るよう言う。
 遠慮はいらないと言われても、幸一は戸惑ってしまい…。
・「第28話 3万円」
 幸一は黒町四丁目にあるお屋敷にベビーシッターのバイトで訪れる。
 仕事内容は女主人の娘、千歌の面倒を看ることで、バイト代は一日三万円。
 千歌は非常に顔見知りとのことで、人形で顔を隠していたが、その顔は人間離れしていた。
 しかし、中身は普通の女の子で、幸一は人形を裁縫で直したことで、彼女の信頼を得る。
 千歌はもっと直してほしいと幸一をある部屋へと案内するのだが…。
・「第29話 名前」
 ある日、幸一は祖父のもとに届け物をするために出かける。
 その途中、邪神部の女子部員、高千穂に声をかけられ、合宿の申込書にサインするよう頼まれる。
 仕方なく幸一はサインするが、その後、祖父、小早川、高千穂に不審者扱いされる。
 途方に暮れた彼が窓ガラスに映った自分を見ると…。
・「第30話 合宿」
 幸一は結局、邪神部の合宿に参加することとなる。
 この合宿には小早川の宿敵&新入部員の鬼枕詩歌もおり、キャンプ場に行く前から小早川と鬼枕は火花を散らす。
 邪神部の合宿する場所は黒町之森公園のキャンプ場で、ここでは十年前、黒町幼稚園の園児たちを乗せたバスが行方不明になるという事件があり、以来、子供の幽霊が出ると噂されていた。
 夜、邪神部の面々は森へと調査に出るのだが…。
・「第31話 登校」
 幸一は夏期講習のお知らせを見て、今からでも勉強しようと決意する。
 その決意の底には、落第して小早川と同学年になるという危機感があった。
 彼は知り合いの誘いをどれも断って登校し、一年の時の担任から授業を受ける。
 だが、夏休み中の学校は怪異のたまり場と化していた。
 教室に化け物たちが侵入し、授業どころではなくなった時…。
・「第32話 黒街」
 夏期補習の翌日、幸一の父親が就職する。
 二学期が始まり、彼は普通の学校生活を送り始める。
 彼の頭の片隅には小早川のことがあり、ある日、邪神部の部室を訪ねるのだが…。

 小池ノクト先生によるホラー・コメディーです。
 と言っても、不条理ホラーが底にあるため、どこか焦点が定まらない感じで、最初は「奇怪な仕事」、中盤は「黒町町の怪異を明かす」、最後の方は「ラブコメ(?)」がテーマとなっております。
 掴み所のない感じで好き嫌いの分かれ目だと思うのですが、こういうふわふわした感じが好きな方もいるでしょう。
 個人的には、徐々に小早川とのラブコメになっていくのが面白く感じました。
 ただ、幸子や鬼枕詩歌といった女性キャラが次々と出てきて、さあ、これから!!という時に最終回を迎えるのが残念です。
 そのために内容的には中途半端なこととなっておりますが、小池ノクト先生のギャグ・センス、悪くないと私は思っております。

2026年5月13・14・16〜18日 ページ作成・執筆

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