つのだじろう「恐怖新聞@」(1973年12月20日初版・1975年9月20日9版発行)

・「序章 真夜中に奇怪な新聞が来た」
「私立石堂中学校二年生の鬼形礼は、幽霊のたぐいを全く信じない、意固地な少年。
 ある夜、彼が寝付けないでいると、外で人の走る音がこちらに近づいてくるのが聞こえる。
 「しんぶ〜ん!!」の声の後、足音は遠ざかるが、天井から新聞が舞い落ちてくる。
 その新聞は「恐怖新聞」で「霊を信じない君のために」配達されたと書かれていた。
 更に、「中学教師 交通事故で即死!!」というタイトルで、明日の朝、東尾先生が事故死するという記事があった。
 翌朝、鬼形は東尾先生に「恐怖新聞」について話すが、何故か、「恐怖新聞」は普通の新聞になっている。
 その直後、東尾先生は車に轢かれ、鬼形は「おそろしく大きな若い女の人の顔」を事故現場に視る。
 これをきっかけに、鬼形は「恐怖新聞」が未来の予言をするだけでなく、一日読むごとに寿命が百日縮むことを知る。
 決して見ないようにするものの、どうしても新聞は彼のもとに届けられ、新聞を読まずにはいられない。
 三日目の夜、新聞配達夫の霊が現れ、鬼形に「霊魂」に関する話をする。
 その後、鬼形は憔悴し、佐藤先生は彼を心配する。
 鬼形の話を聞き、佐藤先生は彼の部屋に泊まり込むのだが…」

・「第1話 誰かが噛む」
「鬼形達は京都に修学旅行に行く。
 その夜、奥山という女子生徒が右腕を何者かに噛まれる。
 彼女は貧血症で、吸血鬼に噛まれたと主張。
 更に、彼女に付き添っていた三田先生も喉を噛まれて、失神する。
 ただ、三田先生は吸血鬼は女性だったと話す。
 疑いは、外に恐怖新聞を受け取りに行っていた鬼形にかかり、パニックを鎮めるため、彼は奥山、三田先生と共に東京に帰る。
 その新幹線内で、またもや吸血鬼騒動が起きる。
 トイレで赤ん坊が脛を噛まれ、そのそばで奥山が気絶していた。
 奥山は自分の仕業でないと主張するのだが…」

・「第2話 空に光る謎」
「鬼形は「恐怖新聞」で、夜の九時ごろ、空飛ぶ円盤が東京に来ると知る。
 クラスメート達に話したところ、大騒動になり、理科の先生と一緒に皆、夜の校庭に集まる。
 そして、予告された時間、校庭の上空に巨大な乳白色の物体が現れる。
 その光からはオレンジ色の三角形の物体が幾つも飛び出し、乳白色の物体は消える。
 鬼形は三角形の発行体に導かれ、気が付くと、石堂神社の境内にいた。
 そこには見知らぬ少女が倒れており、その身体はほのかに光っていた。
 彼女は立ち上がると、「エリナ松岡」と名乗り、今、UFOから降りてきたばかりと話す。
 彼女はテレパシーで宇宙人と話ができる「コンタクトマン」の一人であった。
 翌日の夜、鬼形がエリナ松岡について考えていると、彼女が彼の部屋を訪ねてくる。
 彼が「円盤はなぜなんの目的で地球へくるのか」と疑問をぶつけると、日曜日、自分についてくるかと誘う。
 どこへ行くのかは秘密だが、円盤についていろいろと知ることができると言う。
 日曜日、鬼形は彼女の後について、山奥深くに入っていく。
 目隠しを外された時、両側を絶壁に覆われた谷底にいた。
 そこは「円盤の着陸地点」だというのだが…」

2022年5月20・21日 ページ作成・執筆

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