岡崎優「真夜中の遊園地」(1986年6月25日初版発行)

「小学六年生の千里は、母親が再婚したため、新しい父親の家に移る。
 新しい父親は、小規模な遊園地のオーナーで、家の裏手にその遊園地はあった。
 新婚旅行に出かける両親を見送り、千里が家に戻ると、屋根裏にある物置で、金髪の少女のアンティーク・ドールを見つける。
 新しい父親は過去に、娘を五歳で亡くしたらしいが、その娘の持ち物らしい。
 その夜、屋根裏にある物置で、子供のおもちゃがひとりでに動き、人形とともに千里に襲いかかってくる。
 翌日、千里は家政婦にその人形を捨てさせるが、雨の降る夜中に、人形が家に戻ってくる。
 人形に導かれるまま、千里は雨の遊園地に赴き、翌朝、観覧車にいるところを発見される。
 異変は更に続き、家政婦も怪我を負わされ、千里は家を一人で過ごさねばならなくなる。
 その夜、人形に憑りついていた、少女の霊が千里の前に姿を現わす。
 少女の霊の正体とは…?
 そして、少女の霊によって、千里は否応なく、観覧車に乗ることとなる…」

 「人形もの」の佳作です。
 非常に堅実に描かれた作品ですが、ストーリーは予想通りの展開をしており、「ベタ」と言われればその通りです。
 でも、まあ、たまには、こういう「良心的」な作品もいいと思います。

2017年6月13日 ページ作成・執筆

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