作麻正明「呪いの儀式」(大川美千子・作/1986年12月20日初版発行)

「S学園高等部一年の田中美佳は、姉の幸子と娘、美雪(9歳)と共に、一泊の温泉旅行に出かける。
 姉の幸子は、主人を亡くしてから、女手一つで美雪を育ててきた。
 旅行の帰り、山中で車が故障し、幸子は電話のある所を探しに出る。
 だが、美佳が目を離した隙に、美雪は崖から転落、瀕死の重傷を負う。
 修理屋に電話をして戻って来た幸子は、通りがかった車に、美雪を病院に運ぶよう乞う。
 しかし、その車に乗っていた男性と女性二人はその頼みをすげなく断り、立ち去ってしまう。
 美雪は修理屋の車で病院に運ばれるが、すでに手遅れで出血多量で死亡。
 失意の幸子も数日後に飛び降り自殺を遂げる。
 美佳は車のナンバーを覚えており、車の持ち主と同乗者を特定。
 何と、美雪を見殺しにしたのは、本州中央病院に勤める医者と看護婦であった。
 復讐を誓った美佳は、看護婦の杉村良江、川田圭子、医者の安西勝夫の順番で、血祭りにあげていく…」

 まあまあ面白いと思います。
 復讐物は爽快感が命でありますが、残虐、かつ、バッド・トリップな復讐シーンをガンガン見せてくれます。
 ただ、一介の女子高生がどうしてこんなことができるのだろう?という疑問が絶えず付いてまわるのが、ちょっと興ざめ…。
 超能力者か、姉の怨霊の仕業かと思っていたら、オチはやっぱり、○オチでありました…。
 そこが気にならなければ、この作品はかなり楽しめるのではないでしょうか?
 ちなみに、タイトルは「呪いの儀式」ですが、そんな描写は皆無です。

2018年6月18日 ページ作成・執筆

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