藤見泰高・原作/さざなみ洋輔・漫画
「巨蟲山脈@」(2020年8月1日初版発行)
「巨蟲山脈A」(2021年2月25日初版発行)
「巨蟲山脈B」(2021年11月25日初版発行)
「巨蟲山脈C」(2023年1月1日初版発行)



・「第1話 探検」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2019年12月号)
「8月15日の深夜。G県双子山岩峠。
 一台のハイエースが国道X号を通り、幽霊トンネルに向かっていた。
 車の乗員は以下の通り。
・神宮寺剛(じんぐうじ・つよし)〜那古野大学二年。プロレス同好会所属。本作の主人公。一見、眼鏡の優男に見えるが…。
・篠塚大(しのづか・まさる)〜那古野大学三年。暴力沙汰を起こし、ラグビー部を退部。Vtuberとして活躍。
・鈴木徹〜那古野大学三年。元・ラグビー部。篠塚大の子分。カメラ担当。
・林田悦子〜那古野大学二年。華道部。アシスタントとして同行するが、実はビッチ・キャラ。
・南山久々利(みなみやま・くくり)〜那古野大学二年。本年度ミス那古野。オカルト大好き。剛とは幼なじみ。
・若尾志野〜那古野大学二年。忍者研究会会長。イロモノ・キャラに見えるが、頼りになるいい娘さん。
 彼らの目的地は「幽霊トンネル」と噂される双子山岩トンネル。
 地元では最もヤバい場所として有名で、最近は肝試しを行った連中が次々と行方不明となっていた。
 入り口に到着後、彼らは実況生配信をしながら、トンネルの中へと入っていく。
 だが、真の目的は久々利と志野に眠り薬を飲ませ、犯すシーンを撮影することであった。
 剛は薬を飲んでおらず、久々利を守ろうとするも、元・ラグビー部が二人相手では勝ち目はない。
 だが、そこに巨大なハサミムシが現われ…」

・「第2話 専門家」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年1月号)
「剛と志野は久々利を両側から支えて、ハサミムシから逃げようとする。
 その時、白衣の女性が突如、現れ、たった一人でハサミムシに立ち向かい、しかも、ダウンさせる。
 彼女の名は榎稲穂(えのき・いなほ)。G大の客員教授で、昆虫学が専門の生物学者であった。
 彼女の指示で彼らはひとまずトンネルの中央付近に逃げ、ここで一時、様子を見て、もと来た道を引き返すこととなる。
 彼女の話を聞くうちに、剛の中には希望が芽生え始め…」

・「第3話 先導者」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年2月号)
「榎稲穂に従い、剛たちはトンネルの入り口に向かう。
 途中、剛は何かの気配を感じると主張するも、周囲には何もいない。
 だが、稲穂もその気配に気づき…」

・「第4話 決断」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年3月号)
「林田悦子は巨大クロイロコウガイビルに絡みつかれ、このままでは消化されてしまう。
 榎稲穂は彼女を助けようとするも、クロイロコウガイビルの攻撃を受け、肋骨にダメージを受ける。
 この状況で唯一、頼りになるのは神宮寺剛のみ…」

・「第5話 闇からの前脚」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年4月号)
「クロイロコウガイビルをやっつけるも、このままでは再生するので、早くこの場から離れなければならない。
 しかし、クロイロコウガイビルにおびき寄せられ、新たな巨蟲が出現する。
 それは巨大ヒメタイコウチで、長い前脚の先にある巨大な鎌が剛を襲う。
 ヒメタイコウチの弱点はお尻にある呼吸管で、これをクリップで留めれば何とかなるが、そのためにはバックを取らねばならず…」

・「第6話 ヒカリキノコバエ」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年5月号)
「窮地は脱したものの、篠塚大がお腹がすいたと騒ぎ出す。
 トンネル内にはモズクガニがおり、剛、久々利、志野、稲穂の四人でそれを探しに行く。
 その最中、久々利は壁の割れ目の中に光るものを目にする。
 その中には天井から青白く光る帯のようなものが幾つも垂れ下がっており、それは鳥餅のようにひっつき、久々利は絡まってしまう。
 駆けつけた剛も彼女を助けようとして…」

・「第7話 長い足」(単行本@/「どこでもヤングチャンピオン」2020年6月号)
「次に現れたのは巨大オオゲジ。
 壁の割れ目の外に脱出して、一安心かと思いきや、オオゲジは長い足を伸ばし、久々利を中へと引きずり込む。
 剛と稲穂が助けに向かうと、彼女はオオゲジの脚に身体を拘束されていた。
 稲穂は剛にオオゲジの脚をもぎ取るよう指示するのだが、その理由とは…?」

・「第8話 闘蟲」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年7月号)
「一難去ってまた一難、神宮寺たちの前に巨大なエンマコオロギが現れる。
 エンマコオロギは肉食に近い雑食で、今の彼らには非常に危険であった。
 また、非常に聴力が優れ、地面からの振動にも敏感なため、榎稲穂は皆に声を出さず、動かないよう指示する。
 このままではこの場から動くことができず、稲穂は神宮寺剛と若尾志野にある頼み事をする。
 それは、剛がエンマコオロギの注意を引き付けている間、志野はオオゲジの足を取ってくるというものであった…」

・「第9話 心眼」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年8月号)
「コオロギとの戦いの最中、剛は片目にダメージを受け、遠近感を掴めなくなってしまう。
 このままではコオロギが志野の方に行ってしまうが、今のままではコオロギの攻撃をよけることができない。
 そこで彼が思いついた事とは…?
 一方、篠塚大は今までの巨蟲動画をネットに流し、大きな話題になるのだが…」

・「第10話 頭脳戦」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年9月号)
「篠塚大は単独行動をし、ナゲナワグモに捕まる。
 剛と志野は助けに向かうが、クモの投げた糸に林田悦子が捕まってしまう。
 稲穂はナゲナワグモの知能が発達していることを逆手に取り、クモに知恵比べを挑む。
 命を賭けた知恵比べの行方は…?」

・「第11話 配信」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年10月号)
「双子山岩トンネルの入り口に八人の若い男女が集まる。
 彼らは皆VTuberで、篠塚大の配信を視て、スクープを求めて、やって来たのであった。
 彼らはトンネルに入り、巨大なハサミムシと遭遇。
 それぞれの武器を手に彼らはハサミムシに戦いを挑むのだが…」

・「第12話 再戦」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年11月号)
「悲鳴を聞き、剛たちはその方向へと向かう。
 すると、VTuberの生き残りの一人、神崎が彼らの方に駆けてくる。
 彼は巨大なハサミムシに追われていた。
 稲穂は足止め作戦や銅イオン作戦を行うも、一時しのぎにしかならない。
 最も有効なのは、コールドスプレーで脳や神経を麻痺させることだが、稲穂は負傷しており、無理であった。
 その危険な任務を剛が引き受ける…」

・「第13話 切札」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2020年12月号)
「稲穂はこれまでの経緯と自分の経験からあることを推測し、その通りに天井に穴が開いていた。
 彼女は志野に天井の上に行くよう頼み、どうにか志野はそれに成功する。
 志野は天井の上を進んで行くが、その先には…?」

・「第14話 転落」(単行本A/「どこでもヤングチャンピオン」2021年1月号)
「夜明け。
 もう一人の生き残りのVTuber、ピンキーと合流し、彼らはトンネルから脱出する。
 しかし、あたりには生物の気配はなく、町に電話をしてもつながらない。
 稲穂は山脈自体が巨蟲のテリトリーになっていると推理し、一刻も早くここからの脱出を促す。
 だが、VTuberたちの車が道路を塞いでいて、ハイエースが通れない。
 更に、VTuberの車のそばには彼らの死体の一部が落ちていた。
 稲穂は死体や車の状態から巨大なヤマヤブキリが近くに潜んでいると考える。
 彼らは密かにハイエースへと戻ろうとするのだが…」

・「第15話 転落」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年2月号)
「剛たちを乗せたまま、ハイエースは崖下に転落。
 運よく木に支えられたものの、このまま、ここにいるわけにもいかず、道路に戻らなくてはならない。
 彼らは出発すべく使えそうなものを集めるが、その最中、ピンキーが悲鳴を上げる。
 彼女の胸に15p(?)ぐらいの巨大な蟻がおり、彼女の胸を刺す。
 不安定な車の中で皆、蟻を退治しようとするが…」

・「第16話 クリフハンガー」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年3月号)
「稲穂は蟻の種類が『サムライアリ』と気づき、急いで車からの脱出を決める。
 サムライアリは通常の蟻のように家族コロニーを作らず、少数精鋭の蟻であった。
 数が少ないぶん、逃げられる可能性は高いが、徐々に車の周りにサムライアリが集まってくる。
 稲穂は志野に向こう側の木にロープを張れるか尋ね、志野は見事成功。
 一人ずつ向こう側の木に渡っていくのだが…」

・「第17話 水浴び」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年4月号)
「無事地上に降りた一行は川で水浴びをする。
 目的は飲料水の確保と汗や香料の匂いを落とすことであった。
 だが、ピンキーがこっそり川の中でおしっこをしたことで新たな危機が…」

・「第18話 土中の中」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年5月号)
「男連中が女性陣の水浴びの覗きをしたことがばれ、とんやわんやの最中、剛は殺気を感じ取る。
 その主は巨大なマゴタロウムシ(ヘビトンボの幼虫)であった。
 志野の機転により一行は川から離れ、すすき野を進むと、すすきのない空地へと出る。
 ここにはヘビトンボの蛹室があり、蛹室はぱっと見、どこにあるかはわからない。
 しかし、足を踏み入れたが最後、ヘビトンボの蛹の鋭い牙によって切り裂かれてしまう。
 稲穂は空き地を迂回しようとするが、背後からマゴタロウムシが…」

・「第19話 地雷原」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年6月号)
「稲穂はこの危機を脱するため、剛にマゴタロウムシの注意を惹くよう頼む。
 その間、稲穂・志野・南山久々利は木の枝と芒で簡易かんじきを作る。
 全員分作り上げた後、体重の軽い者から空き地を順番に渡っていくのだが…。
 一方、剛がマゴタロウムシの相手をしている間に、別のマゴタロウムシが二匹、こちらにおびき寄せられていた…」

・「第20話 昆虫食」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年7月号)
「剛は空き地を最後に渡ることとなる。
 しかも、時間の余裕がなく、片足しかかんじきを履くことができなかった。
 彼はヘビトンボの蛹が幾つも潜む空き地を突破することができるのであろうか…?」

・「第21話 天道虫」(単行本B/「どこでもヤングチャンピオン」2021年8月号)
「山道を進んでいると、一行は巨大なアブラムシを目にする。
 アブラムシがいるということは当然、巨大なテントウムシもいる。
 テントウムシは肉食蟲で、稲穂はゆっくりとこの場から立ち去ろうとするが、何故かテントウムシは彼らをつけてくる。
 そんな時、神崎が篠塚大にいいところを見せるチャンスだと唆す。
 大は林田悦子にでくのぼうと罵られ、プライドを傷つけられていた。
 大と神崎はそれぞれ丸太と石を持ってテントウムシに駆け寄り、てこの原理を使って、テントウムシをひっくり返すのだが…」

・「第22話 レッドカード」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2021年9月号)
「テントウムシの毒にやられた剛を志野は支えて逃げる。
 テントウムシはアブラムシには目もくれず、彼らに迫る。
 だが、テントウムシの標的は剛と志野ではなかった。
 テントウムシが狙うのは南山久々利なのだが、その理由とは…?
 そして、そこに稲穂は助かるチャンスを見出す…」

・「第23話 解毒」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2021年10月号)
「毒にやられた剛と志野のために、稲穂は休憩を取ることに決める。
 まず、水のある場所で毒を吐かせ、他の皆も水分補給をさせる。
 その後、ヤブガラシの群生している場所で彼らは二時間の休憩を取る。
 いい気持ちで休んでいると、そこに巨大なカニムシが現れ…」

・「第24話 団結」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2021年11月号)
「復活した剛。
 カニムシを一時的にも麻痺させるには葉ワサビを食べさせればよい。
 剛はカニムシの注意を引き、機会を見つけて、志野がカニムシの口元に葉ワサビを巻いた「くない」を投げつける。
 だが、カニムシは彼らの想像以上に素早い。
 しかも、一行は幾匹ものカニムシに取り囲まれてしまい…」

・「第25話 親娘」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2021年12月号)
「山道をランニングしている父娘。
 彼らの一家はキャンプ場のキャビンに休暇に来ていた。
 父親は「マスク・ド・レオ」というプロレスラーで、娘の陸来にもレスリングを習わせていたが、彼女はレスリングに消極的であった。
 そのことについて父娘が話をしていると、山中から酒の匂いが漂ってくる。
 父親が様子を見に行くと、巨大なムカデのようなモンスターと遭遇。
 父親は自分を犠牲にして、陸来を逃がし、彼女の悲鳴を聞きつけ、剛たちは助けに向かう。
 彼らはモンスターの出現したあたりに行き、稲穂は周囲の状況から陸来が見たのはボクトウガの幼虫だと推測する。
 ボクトウガはミノムシのような巣を作るのだが、その巣は彼らの周囲に三つもあり、どこに幼虫が潜んでいるのかわからない。
 彼らが気配を窺っていると…」

・「第26話 分断」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2022年1月号)
「ボクトウガの幼虫が遂に姿を現わす。
 しかも、その際に、一行は半々に分断されてしまう。
 ボクトウガの幼虫は肉食で、しかも、かなり飢えているため、簡単には逃げられない。
 稲穂は幼虫の視力がないことを利用し、ある作戦を立てる…」

・「第27話 地下からの襲撃者」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2022年2月号)
「陸来と共に、一行はキャンプ場に向かう。
 そこのキャビンには彼女の母と双子の姉、海美がおり、海美は交通事故で足に負傷をしていた。
 キャンプ場の目前で、彼らは異様な光景を目にする。
 地面に深い穴が幾つも掘り起こされていたのであった。
 向こうの東屋に母親と姉の姿を見て、陸来はそちらに行こうとするが、トレマーズのようなものに襲われる。
 剛は彼女を助け、二人で逃げるのだが…」

・「第28話 ケラ」(単行本C/「どこでもヤングチャンピオン」2022年3月号)
「地下に潜むのは巨大なケラであった。
 剛は立ち去るまで待とうと言うが、稲穂は暗くなるとケラが地上に出てくると話す。
 明るいうちに逃げることも可能ではあるが、陸来の母親と姉を見捨てる訳にもいかない。
 だが、ケラを行動不能にする方法があるにはある。
 それには、土木工学に詳しい神崎と、身軽で体力のある志野と陸来の協力が必要であった…」

2024年8月12日・11月20〜22日 ページ作成・執筆

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