戸部けいこ「ミステリー劇場E 吸血の森」(1992年8月20日初版発行)
収録作品
・「偽りの石」
「旅の途中、ミサはある町でヤノシュという少年と知り合う。
彼は、鉛細工師のヤコブ親方の息子で、ミサが亡くなった姉に瓜二つというので、親方の家に滞在することとなる。
ヤノシュは鉛職人の仕事を嫌い、きらびやかな金細工師に憧れていた。
ある日、彼が留守番をしていると、シーソンという旅行者が訪れる。
シーソンはヤノシュに「賢者の石(化金石)」を見せ、近くの川に薔薇十字団の船があり、そこには錬金術のカマドがあると誘う。
しかし、シーソンは、化金石で子供を好奇心を煽り、誘拐しては、奴隷として売りさばいていた。
人さらいの噂を聞いていたミサは、ヤコブと共に、船を追う。
傷つきながらもヤノシュを追おうとするヤコブの姿を見た時、ミサは…」
・「吸血の森」
「ミサ(男装をしており、ミシュレと名乗る)は、森で一人の青年を助ける。
青年の名はジュネといい、森の入り口で行方不明になった兄、ジュールを捜していた。
サンヌ村の人によると、その森には「魔物」が住んでいるという。
また、魔物には「黒い騎士団」という手先がおり、美しい少年が何人もさらわれていた。
ミサはジュネのリハビリを手伝うが、ちょっとした隙に、ジュネは「黒い騎士団」に連れ去られてしまう。
村人に「魔物」の正体を聞いたジュネは単身、「魔物」の館に潜入するのだが…。
「魔物」の正体とは…?」
・「幻のサバト」
「魔物退治の後、ミサとジュネは、鉛職人ヨゼフの家に厄介になる。
ここの新しい領主にはエルゼ大司教という立派な人が決まり、ミサとジュネは安心して旅立つ予定であった。
しかし、ジュネに恋するイローナは、ミサが魔女であることを知り、ある罠を仕掛ける。
彼女はミサに痺れ薬入れにリンゴ酒を飲ませ、樽に隠して、領主の館へと運ぶ。
ミサは、イローナとその父親の讒言により、翌日、火刑に処せられることとなる。
エルゼ大司教は、夢の中でミサを火刑にかけた男なのだが、その本性とは…?」
・「魔女の礼拝」
「吹雪で道に迷ったミサとジュネ。
アドロという修道士が二人に声をかけ、峠の宿へと案内する。
宿で、お礼代わりに、ミサが手かざしでアドロの治療をすると、彼は修道院に来てほしいと懇願する。
修道院には旅の途中で病に倒れた者が大勢いた。
ミサは、自分が魔女であるにもかかわらず、彼の熱意に押され、了承する。
修道院で、ミサは体力の続く限りの病人を癒していく。
アドロは、ミサが、指名手配中の魔女であることを知るが、彼女が魔女とはとても思えない。
だが、ある時、アドロに反感を持つ修道士が、ミサが魔女だと知ってしまう。
アドロは、力を使い果たして昏睡状態のミサをジュネに託して逃げさせる。
そして、自分は異端審問官から拷問を受けるのだが…」
ミサの恋人役のジュネが登場します。
でも、悪い奴らが死にまくるのは、相変わらずです。
2021年12月7・8日 ページ作成・執筆