きさらぎ綾「怨霊館の叫び」(1986年7月15日初版発行)
「ミュージカル映画の新人女優の最終審査に残った五人。
岡田優子と、その親友の宮川京子。
人一倍競争心の強い片桐静香。
心配りのできる、大人びた北村早苗。
両親にいまだべったりの阿部恵子。
彼女達は、ある山頂にある洋館で十日間、レッスンに励んだ後、最終テストを受けることとなる。
洋館は外界と隔絶しており、彼女達以外には、演劇や歌唱の指導を担当する竜崎正臣とエアロビクス・インストラクターの松坂洋子、それと、館の管理人の老婆、梅木トクエの三人のみ。
館には美しい娘の肖像画が階段に飾られていたが、優子はどうもその絵を薄気味悪く感じる。
その夜、優子がトイレに立った際、肖像画の少女が彼女の前に現れると、その顔が醜く変貌する。
気絶した優子は松坂先生に助けられるが、彼女が寝室に戻ると、今度はポルターガイスト現象に襲われる。
怪異はそれだけにとどまらず、翌朝、早苗がフェイスクリーム使うと、彼女の顔は焼けただれてしまう。
早苗はクローゼットで首つり自殺をするが、外界との連絡手段がなく、レッスンは継続される。
だが、今度は、静香が館の沼で、謎の溺死を遂げる。
この館に渦巻く怨霊の正体とは…?
そして、残された人々の運命は…」
イマイチです。
何と言うか、あともう一押しが足りないのです。(ぶっちゃけますと、中途半端な内容です。)
誰が何のために、フェイスクリームに劇薬を混ぜたとか、死体の一部を料理に入れたとか、一切説明はありませんし、ラスト、悪霊が正体を現して、盛り上がるのかと思いきや、登場人物達は館から逃げ出してしまうので、拍子抜けしちゃいました。
でも、まあ、悪霊が肖像画の額縁から顔を出して、様子を窺う描写は面白いと思います。
2018年6月16日 ページ作成・執筆