沼田清「悪霊の十字紋」(1987年2月25日初版発行)
「橘加奈恵は、郊外のとある町にある、けやき学園に通う一年生。
その年、学園に新校舎が建てられることとなる。
予定された場所は、樹齢四百年の、御神木と言われる、とちの木が立つ場所であった。
工事の間、関係者は様々な不幸やトラブルに見舞われるが、学園長は工事を強行し、春、新校舎は完成する。
だが、加奈恵は、工事をしている時から、不吉な予感を感じてきた。
彼女の右の掌には、中央に赤い十字紋がいつの間にか刻まれ、時と共に大きくなっていく。
また、それに比例するように、学園の生徒に異変が起こるようになる。
実は、とちの木には、大昔に猛威を振るった悪霊達が封印されており、解き放たれた悪霊達は、先生や生徒に片端から憑依していたのであった。
悪霊は、掌に赤い十字紋を持つ加奈恵を殺害しようとするが、もう少しと言う所で失敗。
怯える加奈恵の前に、彼女と同じ十字紋を掌に持つ青年が現れる。
赤い十字紋には悪霊を倒す力があり、青年は学園を救うため、加奈恵に協力を求める。
その夜、二人は、夜の学校に忍び込み、悪霊と対峙するのだが…」
怪奇マンガではおなじみ「悪魔に支配された学園」テーマの作品です。
出来はピンからキリまでありますが、まあ、無難な、言い換えると、普通だと思います。
前半は定番の展開で、後半は、悪霊に憑りつかれた人々とのバトルになり、当時のホラー映画を彷彿させます。(悪霊というより、ゾンビっぽい。)
んで、「ポセイドン・アドベンチャー」の一シーン(神父の最期)を思わせる描写も出てきたりして、映画の影響は根強かったと私は見てます。
それにしても、ラストの説明の納得できるような、できないようなところが残念…。
もう少し丁寧に描かれていたら、佳作となったように思います。
2018年9月28日 ページ作成・執筆