千之ナイフ「死太郎くん2」(1998年7月10日初版発行)

 収録作品

・「肉ロボット」(「サスペリア '97年8月&10月号」)
「香織は、超ド級オタクの器島史也の唯一の友人。
 彼は、学園理事長の娘、殿城姫子に目の敵とされていた。
 ある日、彼は、姫子の取り巻きに、姫子の根城である旧校舎に連れて行かれる。
 リンチにかけられそうになり、史也は逃げ出すが、腐った廊下を踏み抜き、階下へ転落して死亡。
 姫子とその取り巻きは彼の死体を裏庭に埋める。
 しかし、その翌日、史也は平然と登校してくる。
 彼は香織にトランクを預けるが、その中には、蠢く生きた内臓が入っていた。
 姫子と彼女の取り巻きは彼を捜すのだが…」

・「ブラディさん」(「サスペリア '97年5月号」)
「何でも望みを叶えてくれるというブラディさんの噂。
 自分の腕に彼の名前「bloody」と刃物で刻み込めば、その字が消えるまで、彼はそばにいてくれると言う。
 理絵、蓉子、恵美の三人はそれぞれ「ブラディさん」に願いをかけると、邪魔な相手が次々と通り魔的な方法で殺害されていく。
 しかし、その仕上げは、願った本人の死であった。
 生き残った理絵は「ブラディさん」から逃げようとするが…」

・「人間の実」(「サスペリア '97年12月号」)
「謎の小学生からもらった「人間の実」。
 それは、心に思い描いたものに育つという、不思議なおもちゃであった。
 各人、自分の願望や憧れ、憎しみをその実に託すが、それが孵化した時、とんでもない騒動が持ち上がる…」

・「極楽館」(「サスペリア '96年3月&4月号」)
「友代のもとに来た、温泉旅館への招待状。
 彼女は、友人の麻里を誘って、その極楽館へと向かう。
 極楽館は雪深い廃村にある、古びた旅館で、女将は常に能面をかぶっていた。
 旅館で友代は、中学校時代の同級生と再会する。
 彼らも、友代と同じく、ここへ招待されていたのであった。
 どうも、これには、中学時代に行方不明になった、みきやという生徒が絡んでいるようなのだが…」

・「赤いクマちゃん」(「サスペリア '97年5月号」)
「梨香は、クマのぬいぐるみを小さい頃から大切にしていた。
 しかし、母親に言われ、仕方なくゴミ捨て場へ捨てに行く。
 ゴミ捨て場で、梨香は、面妖な小学生に出会い、捨てるよりましと彼にぬいぐるみをあげる。
 その後、彼女をいじめたことのある連中が次々と何者かに襲われ、重傷を負う事件が連続して起こる。
 彼らは一様に「赤いクマ」に襲われたと口走っていた。
 面妖な小学生によると、彼はクマのぬいぐるみを強くなるよう改造したのだが、ぬいぐるみは復讐の旅に出ると姿を消してしまったのだと言う。
 そして、赤いクマちゃんは梨香のもとへ帰ってこようとしていた…」

2019年3月7日 ページ作成・執筆

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