千之ナイフ「SISTER」(1997年1月10日初版発行)
収録作品
・「お姉さんが死んじゃった」(「サスペリア '96年9月号」)
「知里は、皆に嫌われるのが怖くて、自分の意見を言えない女の子。
下校途中、彼女は道端で「お姉さんが死んじゃった」と嘆き悲しんでいる少年を目にする。
気の毒に思った彼女は、シタローという名の少年と公園で夕方まで遊ぶ。
別れ際、シタローは、明日も遊んでくれたら、願い事を叶えてあげると告げる。
その夜、彼女をいいように使っていた悪友達が通り魔にあい、惨殺される。
翌日も知里はシタローと遊ぶが、その夜、彼女の恋のライバルがまたも通り魔に襲われ、殺害される。
次々と周囲の人間が不幸にあい、知里はシタローを避けるようになるが…」
・「夜、猫が来る刻」(「サスペリア '95年10月号」)
「医師の芹沢と、見習い看護婦の江崎美穂は、叶家の主人に乞われて、山中の叶家の屋敷を訪れる。
主人に患者の秘密を誓わされた後、彼らは座敷牢に案内される。
座敷牢の中には、主人の息子、悟が閉じ込められており、彼は猫人間と化していた。
悟は、赤ん坊の頃、「顔のただれた猫」に噛まれ、以来、徐々に猫化していったという。
何人の医者に診せたが無駄で、芹沢にも手の打ちようがなく、主人に大学の医者と相談したいと話す。
その夜、美穂は、主人が、罵詈雑言を浴びせながら、庭で猫を撲殺する様を垣間見る。
翌朝、芹沢は東京にいち早く発ったということで、美穂は戻ってくるまで待機することとなる。
彼女が庭を散策していると、叶家の娘、菊千代が猫の墓を作っているところに出会う。
菊千代は美穂を、離れにある、焼け焦げた蔵へと案内するが、そこには叶家の忌まわしき過去が秘められていた…」
・「死人形の塔」(「サスペリア '96年6月号」)
「失踪した北島先輩が拾ってきた日記帳。
その日記帳は、双子の姉妹の妹の手によるものらしい。
日記には、彼女の姉が父親によって何らかの人体実験を施され、異形のものへと変化する経緯が書かれていた。
新聞部の三人の少女達は、北島を捜しに、その日記の舞台らしき屋敷に向かう。
そこで、彼女達が目にするものとは…?」
・「闇に棲むもの」(「サスペリア '96年8月号」)
「宮野唯は、親友の朝実の消息を確かめるため、山奥にある全寮制の女学園に転校する。
そこで早速、当の朝実と同室になるが、彼女は以前とは全く人が違っていた。
それだけでなく、学園では、授業中に生徒が顔中から血を流したり、夜中には「ギチ ギチ」と奇妙な物音がしたりと、おかしなことばかり。
遂には、朝実も血を流して、床に臥せることとなり、その時になって、朝実の言う「さなぎ」の意味が明らかとなる。
「さなぎ」から孵るものとは…?」
・「SISTER」(「サスペリア '96年新年1月号・新年2月号」)
「孤児の美咲は、養女として、三堂家の屋敷にやって来る。
家の主人は彫刻家で、イケメンの息子の幽也は離れのアトリエに籠ってばかりいた。
幽也は、二年前に亡くなった妖花(あやか)に身も心も捧げており、アトリエには彼女の人形が飾られていた。
ある夜、美咲は、妖花の人形が歩くのを目にする。
その人形は、幽也と待ち合わせていた女子生徒の首を鎌ではねて、殺害し、胴体を幽也のアトリエへと引きずっていった。
翌日、学校を早退した美咲は、幽也のアトリエを調べるのだが…。
妖花の人形の秘密とは…?」
2019年2月15日 ページ作成・執筆