広永マキ「呪われた放課後」(1988年5月25日初版発行)

「堀田章子は明るく、気取りのない少女だが、幼い頃から、姉への劣等感を植え付けられていた。
 両親は、成績優秀な姉、リエと事あるごとに比較し、姉からはちくちくと皮肉を言われ、蔑まれる。
 ある日、遂に我慢の限界に達した章子は家をとび出し、気が付くと、全く知らない場所にいた。
 すでに日は暮れ、雨の降る中、章子は雨宿りしようと、森の中に入る。
 すると、草むらの中に、古びた祠があった。
 章子が祠に向かって不満をぶつけると、巫女姿の女性の霊が現れる。
 その祠は、二百年前の大広教の教祖、緋女子(ひめこ)の墓であった。
 緋女子は優れた霊能力で多くの信者を集めたものの、後にインチキとされ、処刑されていた。
 緋女子は、章子に自分の僕となり、傲慢な者に制裁を下すよう、命ずる。
 生死の境をさまよった後、章子は、緋女子から与えられた霊能力で、頭角を現し始める。
 しかし、以前の明るさはなくなり、他人の秘密を暴き、断罪していく。
 期末テストを控え、章子は今までの仕返しとばかり、姉に様々なプレッシャーや妨害を与える。
 緋女子が言うのは、姉は魂が汚れているだけでなく、周囲をだましているとのことなのだが…。
 緋女子の思惑とは…?」

 広永マキ先生のシス・コン炸裂な一冊です。
 読んでいると、家族だけでなく、学校の友人関係においても、いろいろと「るさん・ちまん」を感じてしまいます。
 もしも、作者の広永マキ先生に質問する機会があれば、このあたりのお話しを伺ってみたいものです。

2018年10月12・21日 ページ作成・執筆

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