高階良子「闇からの訪問者」(1983年8月10日初版発行)
収録作品
・「闇からの訪問者」(1978年「なかよし」2月号)
「いずみは、7歳の頃、久也という少年と出会う。
久也は、彼の母親から逃げ出して、二人は公園で楽しい時を過ごす。
いずみは彼と明日も遊ぶ約束をしていたが、彼から少し離れた隙に、彼は姿を消してしまう。
以来、彼とは会えず、いずみには、彼の手を放してしまった後悔と、彼への思いだけが残る。
六年後、下校中の彼女は、どこかで見かけたような女性を目にする。
その女性が、久也の母親だと気づき、いずみは彼女が出てきた屋敷に入ってみる。
そこで、成長した久也と再会。
彼は、七年前、急に両親と伊豆の別荘に行くことになり、ずっとそこに滞在していたと説明する。
彼と再会して以来、いずみは久也をしばしば訪ねる。
奇妙なことに、彼は、屋敷の「あかずの間」に惹かれているようであった。
彼の母親は彼にその部屋へ近づくことを禁ずるが、彼を呼ぶ声は日ごと強まっていく。
この扉の向かうにあるものは…?」
・「死神の歌がきこえる」(1973年「なかよし」9・10月号)
「千葉県屏風ヶ浦を臨む別荘地。
ボーイフレンドの正人の別荘に、さとみは友人達と滞在していた。
外出先で急な雷雨に襲われた、さとみと正人は、雷で倒れた木の下敷きになった青年を発見する。
正人が助けを求めに行っている間、さとみは彼に付き添うが、彼が奏でる草笛にいつの間にか眠り込んでしまう。
その日の夕方、さとみのバースディ・パーティーの最中、その青年が正人の別荘を訪ねてくる。
彼は、彼はウィーンで天才音楽家として騒がれた後、失踪した小島英幸であった。
彼の目当ては、さとみ、ただ一人で、彼女にしつこくつきまとう。
彼の振る舞いは皆の頻出を買うが、彼は、さとみの友人達を自分の家でのコンサートに招待すると、さとみに言付けをして去る。
その直後、さとみの前に、エバ=ブラウンという娘が現れ、彼に近づくと、恐ろしいことが起こると忠告する。
翌日、さとみと正人以外は英幸のコンサートに出かける。
その夜、友人達は皆、原因不明の自殺を図る。
騒ぎの最中、英幸から死神から助けてという電話を受け、さとみは彼の家に駆けつけるのだが…。
英幸の周囲にうごめく「死神」の正体とは…?」
・「呪われた誕生日」(1969年7月「週刊少女フレンド」)
「滝村家の末っ子、ナナの誕生日が来ると、父親の様子が決まっておかしくなる。
実は、ナナが産まれる時、彼は産院に向かう途中、女性を轢き殺していた。
ナナが三歳になる誕生日、長男の秋夫が二階から転落死する。
翌年の誕生日には、長女のゆう子が何者かに刺殺される。
再び迎えた誕生日、父親は家族に害をなす者の正体を突き止めようとするが…」
・「デビルの足音」(1970年「月刊少女フレンド」4月号)
「純真な魂を求めるデビル。
彼が目を付けたのは、清らかな心を持つアサ子。
しかし、デビルが如何に誘惑しても、「Let it be」なアサ子には全く通用しない。
そこで、彼は強硬手段に打って出るのだが…」
「闇からの訪問者」以外は1970年前後に描かれたものです。
前の袖で、高階良子先生の「穴があったらはいりたい!」とのコメントがありますが、それでも、高階先生は過去の作品をかなり復刻してくれておりますので、非常に助かります。
2021年2月16日 ページ作成・執筆