ひよどり祥子「死人の声をきくがよいF」(2016年2月1日初版・9月25日3版発行)

 岸田純は霊視能力を持つ、虚弱な高校生。(鼻血は怪異の予兆。)
 彼のそばには幼なじみで非業の死を遂げた早川涼子の霊が常に寄り添っていた。(意思疎通は常に身振り手振り。)
 二人(?)は様々な怪事件に巻き込まれるのだが…。

・「第40話 神様プロジェクト」(「チャンピオンRED」2015年8月号)
「一見、普通の運送会社のトマト運輸は実は「超自然的事件に対応すべく政府が設立した機関」であった。
 純は以前、知り合った工藤に案内され、トマト科学研究所を訪れる。
 ここでは高村智子博士の指揮の下、「神様プロジェクト」が計画されていた。
 「神様プロジェクト」とは「放置され信仰されなくなった神」が邪悪な方向に向かう前に神に戻すというプロジェクトで、優れた霊能力者により行われる。
 純は八代という巫女に諭され、このプロジェクトに参加する破目になるのだが…」

・「第41話 影なき監視者」(「チャンピオンRED」2015年9月号)
「長い低迷期の後、魔子は徐々に日の目を浴び始める。
 三年ぶりにニューシングルを出し、握手会も開催。
 でも、ヘンなファンが多いのは相変わらずであった。
 しかも、このところ、周囲でおかしなことが起こり始める。
 ファストフート店で彼女が純に相談すると、彼は彼女のカバンの中から盗聴器らしきペンを発見する。
 そこに魔子の熱烈なファンである小太りの男が現れ、純に詰め寄る。
 男は店から連れ出されるが、帰宅途中、純は魔子に似た、謎の女に襲われ、ケガを負う。
 魔子は病院へ純の見舞いに行くが、純のそばの早川涼子は魔子に何かを伝えたいらしく…」

・「第42話 海辺の家」(「チャンピオンRED」2015年10月号)
「夏、母親の友人夫婦に招かれ、純と母親は別荘に泊まりに行く。
 別荘は海辺にあり、とても素敵な建物であった。
 純は友人夫婦の息子、タケシの相手をすることとなるが、彼は始終不機嫌で、ゲームをしてばかり。
 だが、純が彼から話を聞き出すにつれて、タケシが家の中にいる幽霊に怯えていることがわかる。
 この家があった土地には過去、若い夫婦と娘が住んでいたが、ある日、妻が夫と娘を刺し殺し焼身自殺をした事件があった。
 その事件があったのは二十年前の明日で…」

・「第43話 魔を呼ぶ書物(前編)」(「チャンピオンRED」2015年11月号)
「純は式野会長の自宅に招かれる。
 名目はオカルト研究会の重大会議とのことであったが、実際はウサギ島で〇〇ってきた本に関することであった。
 この本は「世界の神秘が記された書物」らしいが、異界からどんどん魔物を呼び寄せてしまう。
 式野はこの本を暖炉で焼くが、中の文字が本から飛び出し、家中に隠れてしまい、二進も三進もいかなくなる。
 式野は両親が帰ってくる前に事態を収拾するよう純に助けを求めるのだが…」

・「第44話 魔を呼ぶ書物(後編)」(「チャンピオンRED」2015年12月号)
「式野のせいで純は魔物にとり憑かれ、おかしくなる。
 式野が考えあぐねていると、来客者がある。
 その来客者とは…?
 逃げた文字を回収する手段はあるのであろうか…?」

・「第45話 ゴーストナイフ」(「チャンピオンRED」2016年1月号)
「『ゴースト』の岸田純への想いは募るばかりで、可愛さ余って殺意百倍。
 ある夜、岸田純をめった刺しにする夢を見た後、ゴーストの手に見たことのないナイフが握られていた。
 これはどうやら「神様からの贈り物」らしく、このナイフを手にすると気持ちが昂ぶり、誰でもいいからこの手で殺したくなる。
 「ゴースト」はナイフを封印するも、ナイフはいつの間にか彼女の手に握られている。
 何かあってはいけないと、彼女は純から距離を置こうとするのだが…」

 「魔を呼ぶ書物」は諸星大二郎先生の「栞と紙魚子」シリーズを彷彿させる味わいで、かなり面白いです。
 ただ、岸田純は踏んだり蹴ったりで、可哀そう過ぎる…。(式野がちょっぴり嫌いになった。)
 あと、魔子さんのニューシングル(ダーク・カーニバル)、聴いてみたいものです。(私、ファンなんです。)

2025年9月9日 ページ作成・執筆

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