ひよどり祥子「死人の声をきくがよいI」(2017年10月1日初版発行)

 岸田純は霊視能力を持つ、虚弱な高校生。(鼻血は怪異の予兆。)
 彼のそばには幼なじみで非業の死を遂げた早川涼子の霊が常に寄り添っていた。(意思疎通は常に身振り手振り。)
 二人(?)は様々な怪事件に巻き込まれるのだが…。

・「第58話 曾祖母の通夜にて(前編)」(「チャンピオンRED」2017年4月号)
「母方の曾祖母が亡くなり、純と母親は実家を訪れる。
 母親は駆け落ち同然で家を出ていたため、実家との折り合いが悪く、純はほとんど実家に来たことはなかった。
 純は祭壇の前で曾祖母の霊が自分の遺体を見下ろしているのを視る。
 曾祖母は自分の死を受け入れがたいようであった。
 早川に示唆され、純がある部屋に入ってみると、壁に岩戸のようなものがある。
 だが、その岩戸は霊的なもので、実体はなかった。
 その時、見知らぬ女子中学生が彼に声をかけてくる。
 彼女は彼が子供の頃に会ったことのある、親戚のみどりであった。
 二人が仏間に戻ると、大人たちは「祈祷」について話している真っ最中。
 「祈祷」とは大昔から年に一回、この日に行われていたものだが、曾祖母が全てを取り仕切り、やり方を知っている者は誰もいない。
 純は過去に曾祖母から人食い鬼を岩屋に封じるための祈祷の話を聞いたことがあったのだが…」

・「第59話 曾祖母の通夜にて(後編)」(「チャンピオンRED」2017年5月号)
「岩戸の隙間から現れた鬼が人を次々と狂わせていく。
 屋敷の中はどんちゃん騒ぎになり、みどりが生贄に選ばれる。
 純は何もできずにいた時、その場に現れたのは…?
 「祈祷」とは一体…?」

・「第60話 夢見る心霊アイドル」(「チャンピオンRED」2017年6月号)
「新人アイドルの堀江ルミはダーク系アイドルの魔子の妹分(?)。
 二人は心霊ドキュメント番組に出るが、はっきり過ぎるぐらいに霊が現れて、さすがの魔子もビックリ。
 次回は座敷童の出る旅館が舞台で、魔子はロケに同行してくれるよう純に頼む。
 純が旅館を霊査したところ、気の流れは良く、いい雰囲気の所であった。
 しかし、ある部屋を撮影中、ルミの目の前で奇怪な霊が現れる。
 その時、純は堀江ルミの体から白い靄のようなものが出ていることに気付く。
 堀江ルミの秘密とは…?
 そして、彼女はイケメン霊能者、タキの立ち上げた芸能事務所で大ブレイクを果たすのだが…」

・「第61話 ナイト・クローラー」(「チャンピオンRED」2017年7月号)
「純と江口はデート(?)の帰り、ラーメン屋に立ち寄る。
 そこに子犬を連れた二人組の男が現れる。
 一人の男は眼鏡をかけたサラリーマン風だが、もう一人は顔にグルグルと包帯を巻いていた。
 眼鏡の男は懐から拳銃を取り出し、客の男性を射殺。
 ラーメン店の夫婦、純、江口は両手に手錠をかけられ、壁を背に座らされる。
 彼らの生死を決めるのは子犬で、吠えられたら射殺。
 男たちの目的とは…?
 そして、純と江口の運命は…?」

・「第62話 赤い砂の伝説」(「チャンピオンRED」2017年8月号)
「オカルト研究会の面々(純、小泉、式野)は式野の親戚が所有している別荘に遊びに来る。
 別荘の近くには地元民が近寄らない浜辺があり、断崖絶壁に囲まれ一目にはつかず、プライベート・ビーチ状態。
 彼らがそこを訪れると、若いカップルの先客がある。
 彼らの周囲にの砂は赤く、訝っていると、赤い砂がカップルを襲う。
 逃げてきた女性を助け、純たちは突き出た岩の上へと逃げるのだが、赤い砂に囲まれてしまい…」

・「第63話 タケオの世界」(「チャンピオンRED」2017年9月号)
「ある夏の日、純は見知らぬ青年に声をかけられる。
 彼は幼い頃、早川涼子と共に一緒に遊んだことのあるタケオであった。
 タケオは不思議な子供で、言葉はたどたどしく、体のあちこちに傷があった。
 ある日、純と凉子が彼の家を訪ねる。
 その家は山中にあり、乱雑かつ不衛生であった。
 彼は母親は床下にいると話すが、そこに父親が現れる。
 父親は二人の目の前でタケオを殴り飛ばし、純と凉子に殺されたくなかったら、二度とここに近づかないよう脅す。
 しかし、やはり気になり、タケオの家を離れたところから窺っていると、警官と婦警がやって来る。
 警官たちは虐待の通報を受け、家を調べに来たのだが…。
 タケオの秘密とは…?」

 「赤い砂の伝説」はスティーブン・キングへのオマージュなのでしょうか?
 「クリープショー2/怨霊」の大傑作エピソード「筏」(原作を超えた!!)っぽいシチュエーションに「クージョ」(注1)っぽい展開で嬉しくなります。
 キングってホラーの「王様」として崇められているけど、根っこにはB級ホラーがあるように思っております。

・注1
 私のスティーブン・キングの初体験は小学校の頃、テレビで観た「クジョー」。
 とても怖かったが、同時にめちゃくちゃ面白かった!!
 その後、大学生の時、原作の「クージョ」に挑戦したが、何かイマイチだった。
 映画版の「クジョー」、観返してみたいけど、映画の評価は芳しくない。
 そのため、思い出が壊されそうで、いまだ手を出せてない…。

2025年9月16・18日 ページ作成・執筆

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