ひよどり祥子「死人の声をきくがよいK」(2019年3月1日初版発行)

 岸田純は霊視能力を持つ、虚弱な高校生。(鼻血は怪異の予兆。)
 彼のそばには幼なじみで非業の死を遂げた早川涼子の霊が常に寄り添っていた。(意思疎通は常に身振り手振り。)
 二人(?)は様々な怪事件に巻き込まれるのだが…。

・「第71話 ゴースト・ライジング」(「チャンピオンRED」2018年7月号)
「純は父親に勧められ、超常現象対策局の講習を受ける。(タキ、タケオも一緒。)
 その後、試験に合格すれば契約エージェントになれるが、純にはこのままオカルト方面に進んでいいのか迷いがあった。
 そんな彼の前に八代が姿を現す。
 彼女は今、ゴーストの下でゴースト教団を拡大させるため、働いていた。
 ゴースト教団の目的はゴーストの信じる神の影響下に世界を作り直すことで、昨今の超常現象急増はこれのためであった。
 遠からず、ゴーストは世界を闇で覆い尽くし、新世界の女王になるというのだが…」

・「第72話 賀露川十三郎の夢」(「チャンピオンRED」2018年8月号)
「ある夜、グーラは旅に出ると言って、純のもとを去る。
 それから数日後、純にオカルト研究家、賀露川十三郎から葉書が届く。
 純が賀露川の家に行くと、彼は蒲団の中に閉じこもっていた。
 彼は長年の夢を実現させるため、数年、食事を絶ち、呪物が発する霊気を吸引してきたと話す。
 彼の目的とは…?」

・「第73話 花咲けるアイドル」(「チャンピオンRED」2018年9月号)
「魔子は博物館で「インカの秘宝とミイラ展」を観覧する。
 どれも興味深かったが、中でもミイラの副葬品の木の根のようなものが目に留まる。
 帰宅途中の電車で彼女はその木の根が体に入り込むという夢を見る。
 以来、その植物は彼女の宿り木となるが、共生関係にあるのか体調は良い。
 ある時、その植物が一斉に花を開かせる。
 同時に彼女は魅力に満ち溢れ、トップアイドルへと一気に昇りつめるのだが…」

・「第74話 オカルト研究会 最後の夏(前編)」(「チャンピオンRED」2018年10月号)
「オカルト研究会はフィールドワークで因ノ枡島(いんのますじま)を訪れる。
 会長の式野は受験勉強に専念するため、これがオカルト研究会にとって最後の活動であった。
 因ノ枡島では海神を祀っており、祭りでは山羊を生贄にしていたが、昔は人を捧げていたという。
 晩、彼らは泊まるところがなく途方に暮れる。
 すると、車椅子の少女を連れた女性が彼らに声をかけ、家に泊めてくれる。
 女性の名は海堂で、代々巫女の家系であったが、ここ最近、祭りから締め出されているという。
 彼女は村人たちが何かよからむ企みをしているのではないかと心配しており…」

・「第75話 オカルト研究会 最後の夏(後編)」(「チャンピオンRED」2018年11月号)
「夜、武装した村人たちが海堂家を襲撃する。
 純、式野、海堂母子は海辺の洞窟へと逃げ込む。
 村人たちの目的は娘の美香のように思えたが、実は…」

・「第76話 青葉町黙示録(前編)」(「チャンピオンRED」2018年12月号)
「もうすぐ早川涼子の一周忌。
 純は彼女のことを考え、救えなかったことを悔やむ。
 涼子には死の前兆である「死の蛇」がまとわりついていたのに、当時の彼にはそれが何かわからなかった。
 そして、その「死の蛇」が町中の人々に…」

・「第77話 青葉町黙示録(中編)」(「チャンピオンRED」2019年1月号)
「ゴーストの脅威が徐々に日本に迫る。
 だが、候補生の純はいざという時のために自分の能力を磨くことしかできない。
 彼は逆行催眠を受け、11歳の時に見た夢をもう一度見る。
 それは青年の彼が早川涼子を刺殺するという夢であった。
 この夢が未来を暗示していると当時の彼は感じ、彼女から距離を置くようになる。
 その夢が意味していたのは…?」

・「第78話 青葉町黙示録(後編)」(「チャンピオンRED」2019年2月号)
「ゴーストは海神を操り、日本に壊滅的危害を与えようと目論む。
 死の影が自分の周囲に及ぶ中、彼は早川のことで決断を迫られる。
 彼が選ぶ道とは…?」

 名作「死人の声をきくがよい」の最終巻です。
 この巻では今までのおちゃらけた雰囲気は影を潜め、シリアスなストーリーが展開され、ラスト、タイトルの「死人の声をきくがよい」の意味が明らかとなります。
 結末に向かって、若干、急ぎ足で、中途半端に感じる部分はあるものの、それでも、余韻のある味わい深い終わり方で、最後の最後まで作品の世界観を維持し続けたことには感嘆いたしました。。
 ただ一つ、個人的に悲しかったのは、転落した魔子さんの惨めな姿…。
 どうにか再起を果たしてほしいものです…。(繰り返しますが、私、魔子さんのファンなんです。)

2025年10月16・18日 ページ作成・執筆

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