高橋葉介「金目童子」(1993年1月20日初版発行)

 ある女性が山の中で男の赤ん坊を産み、息絶える。
 赤ん坊は山家の女房に拾われるが、酒浸りの亭主と性悪な女房に毎日、暴力を受け、ある日、女房により彼は火箸で両目をくり抜かれる。
 山に逃げ込んだ彼が泣いていると、死んだ母親が現れ、彼に自分の両目をあげる。
 その両目は金色に輝く、不思議な目で、人の目に見えない妖しが視える不思議な力が備わっていた。
 彼は「金目童子」と名乗り、父親を捜す旅に出る…。

・「第一話 心臓喰いの巻」(「月刊ハロウィン」1991年11月号)
「金目童子が街頭で妖術を見せていると、中年男性が声をかけてくる。
 彼は金目童子の境遇に同情し、家に連れて行くと、その妻も金目童子に歓迎してくれる。
 その夜、金目童子は夫婦の家に厄介になるが、どうもあの二人を信用ができない。
 彼の予感通り、夫婦は子供の心臓の料理が大好物という殺人鬼であった。
 金目童子は夫婦に殺された孤児の霊にあい…」

・「第二話 銀姫と単眼鬼の巻」(「月刊ハロウィン」1991年12月号)
「山中で金目童子は一つ目の巨大な鬼を目にする。
 昔、麓の村では饑饉や干魃などの際に選ばれた子供の片目を潰し、足の腱を切って、山に置き去りにし、山の神の生贄にしていた。
 この鬼はそんな子供たちの霊が集まったものであった。
 金目童子が鈴の音に誘われて行くと、洞窟の中で少女が鈴を鳴らしていた。
 彼女の名は銀姫といい、子供たちの霊を慰め、この山に封じていたが…」

・「第三話 産女の巻」(「月刊ハロウィン」1992年1月号)
「金目童子と銀姫は共に旅をする。
 途中、草原で金目童子は白い着物の女性から赤ん坊を託される。
 とりあえず、荒寺に行くと、そこには旅の僧、紫銅が先客としていた。
 金目童子と銀姫が食事をしていると、餓鬼が現れ、赤ん坊に襲いかかる。
 金目童子と紫銅が餓鬼の群れと戦っている間、銀姫と赤ん坊は屋根に避難するのだが…」

・「第四話 四鬼地蔵の巻」(「月刊ハロウィン」1992年2月号)
「金目童子・銀姫に紫銅という連れができる。
 三人で旅をしていると、妙に荒れ果てた谷間に出る。
 そこには四つ首の地蔵が祀られていた。
 その先に廃村があるが、彼らは風・火・水・地の怪異に次々と襲われ、銀姫と紫銅は行方不明になってしまう。
 金目童子は眼球を取り出し、この廃村で過去、何があったのか視ると…」

・「第五話 獏の巻」(「月刊ハロウィン」1992年3月号)
「金目童子と銀姫が托鉢から紫銅が帰ってくるのを待っていると、上品な中年女性に声をかけられる。
 彼女は金持ちの奥様で、慈悲深く親切で「聖母様」のように思われていた。
 だが、実際は、亭主はよそに女を作り、家にはめったに帰ってこない。
 また、書生に想いを寄せられても、彼女は決してよろめかない。
 その夜、金目童子は奥様がどうして「仏の笑顔」でいられるのか秘密を知るのだが…」

・「第六話 極楽鳥の巻」(「月刊ハロウィン」1992年4月号)
「金目童子たちは川で土左衛門となった母娘を目にする。
 母娘はあくどい金貸しに脅され、入水したのであった。
 群衆の後ろで老人が鐘を打つと、死体の口から魂が蝶となって出てきて、それを飛んできた人面鳥が食べてしまう。
 金目童子は人面鳥を追いかけ、竹林でそれを捕まえる。
 人面鳥は「極楽鳥」だと名乗り、金貸しの老人に飼われているという。
 極楽鳥は恨み辛みを抱いて死んだ人の魂が好物で、金貸しの老人が死んだ後、老人の魂を極楽へ案内する約束だらしいのだが…」

・「第七話 井戸姫様の巻」(「月刊ハロウィン」1992年5月号)
「土砂降りにあった三人組。
 ある屋敷の軒下で雨宿りをしていると、屋敷の母娘が泊まっていくよう勧めてくる。
 母娘は「ご主人様」の言いつけで三人をもてなすが、その夜、庭の井戸から手足の生えた魚が現れる。
 金目童子と紫銅は不審に感じていて、魚たちを撃退するが、気がつくと、屋敷の外は一面、海であった。
 二人は波に飲み込まれ、井戸の中へと引きずり込まれるのだが…。
 母娘の言う「ご主人様」とは…?
 そして、その目的とは…?」

・「第八話 ヤドカリ妖怪の巻」(「月刊ハロウィン」1992年6月号)
「沼で金目童子が泳いでいると、夫婦らしき男女の乗ったボートが目に入る。
 突如、夫が妻をボートから沼に突き落とし、妻は沼に沈む。
 金目童子が助けに行くと、妻の口からヤドカリ妖怪が入り込もうとしていた。
 金目童子はヤドカリ妖怪を撃退し、彼女から事情を聴く。
 彼女の夫は先日、ボートから転落した際、ヤドカリ妖怪にとり憑かれていた。
 そして、その秘密を知った彼女も仲間にしようとしたのである。
 悩む夫人に金目童子がした提案とは…?」

・「第九話 夢の行李の巻」(「月刊ハロウィン」1992年7月号)
「三人は野宿するが、金目童子は蚊に悩まされて眠れずない。
 裏のゴミ捨て場を見ると、ちょうどよい大きさの行李があり、その中に入って彼は眠る。
 だが、その行李はあるお屋敷のもので、その中で眠ると自分の過去の夢を見るという不思議な行李であった。
 途中で起こすと正気を失ってしまうため、金目童子が自然に目覚めるのを待つしかない。
 金目童子が見る過去の夢とは…?」

・「第十話 輪廻の童子の巻」(「月刊ハロウィン」1992年8月号)
「金目童子は自分の父親を知る。
 彼は母親を救うために、もう一度行李に入り、過去へと向かい…」

 「妖怪退治もの」です。
 高橋葉介先生の愛嬌のある妖怪の数々が魅力的で、この路線は後々の作品につながっているのではないでしょうか?
 ストーリーもハート・ウォーミングなものが多く、まとまりも良いので、サクサク読めるのもポイント高いです。
 できれば、もう少し続けてほしかったものですが…。(ラストが若干、強引なのは、もしかして打ち切り?)

2026年5月3日 ページ作成・執筆

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