うぐいす祥子「こゆび先生の霊的挑戦」(2025年6月30日第1刷発行)

 こゆび先生は見た目はおてんばで食いしん坊な女の子。
 だが、その正体は霊を食べて除霊するという特異体質の霊能者であった。
 さて、今回の「ご馳走」は…?

・「第1話 あやしい訪問者」(「Nemuki+」2021年1月号)
「タカシの家の前にたむろしている怪しい二人組。
 二人はこゆび先生と助手の桜井で、タカシの家の除霊に訪れたのであった。
 依頼主は彼の父親らしいが、父親は家に寄りつかず、長い間、会っていない。
 タカシの母親は二か月前からおかしなことが起きているので、ついでに視てもらおうと言うのだが…。
 この家に潜んでいるのは…?」

・「第2話 仁義なき霊障」(「Nemuki+」2021年11月号)
「若い頃から武闘派として恐れられ、数々の悪事を働いてきたヤクザの組長。
 今、彼に今まで殺した霊たちが集団になってとり憑き、体の中でタール状になっていた。
 組長の息子はこゆび先生に除霊を依頼するも、霊が体内にあるので除霊がなかなか難しい。
 そこで、こゆびが腕を喰いちぎって、「物理的な穴」を開けようとするが、この方法は却下される。
 そこで桜井が考え出した方法は…?」

・「第3話 リゾートホテルの怪客」(「Nemuki+」2022年11月号)
「海辺の『南十字ホテルリゾート』に奇怪な客がやって来る。
 それは巨大な女で、チェックインを済ますと、ずっと部屋に閉じこもる。
 数日後、客の安否を確認するため、中に入ると、奇妙な植物が生え、女の着ぐるみがベッドにあった。
 とりあえず、女の荷物を預かり、部屋を清掃するも、腐敗臭はなかなか消えず、しかも、ホテルのあちこちにあの植物が生え始める。
 更に、巨大な女が次々とホテルに押しかけ、いつの間にか、ホテルは不気味な様相に様変わりしてしまった。
 ある日、ホテルのオーナーに依頼され、こゆび先生と桜井がやって来る。
 しかし、ホテルの怪客は霊ではなく…」

・「第4話 迷惑な金運」(「Nemuki+」2024年3月号)
「依子は『大日本セントラル心霊研究所』(こゆび先生の事務所)を訪れる。
 彼女はハイキングの時、ある祠を見つけるが、以来、鐘の音が鳴ると、お金が手に入る代わりに身近な人間が死んでしまうのであった。
 桜井は依子に「祟り神」と化した元・福の神が憑いていると指摘。
 相手が神様となれば、こゆびの胃腸にも負担がかかるため、一時的に呑み込み、もとの祠に返しに行くという方法を提案する。
 だが、依子は今のところ、お金がなく、そこで、桜井が考え出したのは…?」

・「第5話 それってあなたのドッペルゲンガーですよね?」(「Nemuki+」2025年1月号)
「依子の友人の君枝はドッペルゲンガーに悩まされていた。
 ドッペルゲンガーは三体おり、君枝をひどく憎んでいるようで、無意識のうちに彼女は頭を傷つけていた。
 依子がこゆび先生に視てもらうと、桜井はこれは「生霊」だと指摘する。
 ただ、生霊の場合、それを生み出す人間をどうにかしないと、いくら除霊しても、解決にはならない。
 桜井は生霊とコンタクトを取ろうとするのだが…」

・「第6話 こゆび先生の霊的ピンチ」(「Nemuki+」2025年3月号)
「こゆび先生と桜井はあるお邸に除霊に訪れる。
 だが、そこに現れる幽霊は今の住民に殺された一家のものであった。
 こゆび先生と桜井は拘束され、絶体絶命。
 桜井は必死にこのピンチを切り抜ける方法を考えるが…」

・「こゆび先生の海水浴」(描きおろし)
「桜井は息抜きのため、こゆび先生を海に連れてくる。
 こゆび先生はおおはしゃぎだが…」

 「Nemuki+」に四年にわたって断続的に発表されたシリーズです。
 体裁はオカルト漫画ですが、そこはうぐいす祥子先生、普通では思いつかないような変化球で読者をきりきり舞いさせてくれます。
 個人的には、「迷惑な金運」がさらりとまとまっていて、オチも面白く、好みです。
 このシリーズ、できれば息長く続けてもらって、こゆび先生の過去を明らかにしてほしいものです。

2025年10月17・20日 ページ作成・執筆

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