御茶漬海苔「惨劇館H」(1991年6月20日初版発行)

・「第三十七回 童鬼三百人衆」(「月刊ハロウィン」1990年8月号)
「第三女子中学校1年C組の担任、鬼平は生徒達に壮絶な体罰をしていた。
 彼の教育方針は、生徒達に恐怖心を植え付けて、勉強させるというもの。
 中でも田中万里子は、弱気な性格が災いし、ボコボコにされる。
 下校途中、万里子は力尽き、道端で倒れる。
 日が暮れた頃、斧を持った童鬼が彼女をつついて起こす。
 彼は、彼女の眼球を一つくれる代わりに、鬼平を殺すと提案するのだが…」

・「第三十八回 人面蜘蛛」(「月刊ハロウィン」1990年9月号)
「ある一家(両親と春子・秋奈の姉妹)は、父親が当てた宝くじで、中古の洋館を買う。
 早速、引っ越すが、ここではおかしなことばかり起こる。
 妹の秋奈は、この館に何かがいると主張するが、誰も信じてくれない。
 ある夜、秋奈は、人の頭だけの生物を目撃する。
 それは口から触手のようなものを伸ばし、就寝中の春子の口に差し入れていた。
 翌日、朝食をとっていると、姉の顔から六本の足が伸び、首は胴体からちぎれてしまう。
 この館に潜むものとは…?」

・「第三十九回 ニュルニュル」(「月刊ハロウィン」1990年11月号)
「友美と知絵は、クラスメートの田中という女子生徒が白昼、通り魔殺人するところを目撃する。
 どう見ても、普通の状態ではなかったが、その後の取り調べで、田中は何も覚えていなかった。
 その翌日、知絵が両親を惨殺する。
 知絵を迎えに来た友美に、知絵は「私の中に何かがいる」と言う。
 すると、彼女の口から妙な生物が伸び出てきたので、友美がその生き物を引っ張り出すが…」

・「第四十回 夢子(木母神編)」(「月刊ハロウィン」1990年12月号)
「夢子が見た夢。
 それは、巨大な木をバックに少女が「妹を助けてください」とお願いした後、夢子は何物かに襲われ、助けようとした竹中は落下し、串刺しになるという内容であった。
 その夢の通りに、少女が夢子に助けを求めてくる。
 妹が木になったと言うので、彼女の家に向かうと、部屋の中に一本の木が生えていた。
 また、当の少女や母親も、夢子達の目の前で、木へと変化してしまう。
 手掛かりは、少女が先日、遊びに行った、木の精霊が出ると噂の木母神村。
 夢子は自分の予知夢を話して、竹中を止めようとするが、彼は、少女を助けると引き返そうとはしない。
 木母神村に着くと、村のあちらこちらに木が生えていた。
 そして、木母神と言われる巨木の方に行くと…」

・「惨劇館スペシャル 凍りの都市」(「月刊ハロウィン」1987年別冊)
「大泉明日香は父親と二人暮らしの小学生。
 母親は仕事で遠くに行っていると父親に聞かされていたが、子供達からは、母親は人殺しと言われ、孤立する。
 そんな明日香の住むマンションの付近で、人が殺されたような血だまりが連続して発見される。
 同時に、明日香は、人を殺す夢を見るのだが…。
 犯人の正体は…?」

・「龍虎」(「ミステリーハロウィン」1989年)
「夏目龍虎の母は彼を産んだ後、亡くなる。
 彼は父親の手によって、育てられるが、手を触れずに、動物の命を奪う超能力を持っていた。
 中学生になる頃には、クールでニヒルな美少年に成長する。
 ある日、彼は、クラスメートで美人の美保に交際を申し込むが…」

 「惨劇館」の雑誌掲載作品を収録した、最後の単行本です。
 「消えたマンガ雑誌」(メディアファクトリー)によると、宮崎勤事件(1989年)の煽りをくらって、自由に描けなくなったとのこと。(注1)
 実際、単行本Fからのトーン・ダウンは明白で、作者の戸惑いがダイレクトに伝わってきます。
 こうして、人気作品だった「惨劇館」は、編集部の規制により、雑誌から消え、御茶漬海苔先生も「ハロウィン」から去っていくこととなるのでした。
 そう考えると、「惨劇館」って不遇の作品なのかも…。

・注1
 どんな規制かと言うと、「人を殺すな、血を出すな、死体を描くな。」(「消えたマンガ雑誌」内の御茶漬海苔先生のインタビュー(p106)より引用。)

2021年7月19・20日 ページ作成・執筆

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