阿部ゆたか「トライアングルハイスクール」(1987年3月31日初版発行)
収録作品
・「トライアングル・ハイスクール」
@「吸血鬼より愛をこめて」(「ハロウィン」1986年4月号)
鈴木その子、大平貴子、山本みゆきは仲良し三人組。
三人は骨董屋で双眼鏡を三千円で買い、早速、覗いてみる。
骨董屋のおやじが言うには、これは不思議な双眼鏡で、「雨あがりによくみえる」らしい。
その子がこっそり憧れの山本のいるグラウンドに双眼鏡を向けると、体育館のあたりに空飛ぶ黒い人影が見える。
しかし、目を離した隙に人影は消えてしまい、貴子、みゆきは信じてはくれなかった。
翌日、その子は新任の音楽教師、谷沢から彼の作った組曲の鑑賞会に誘われる。
音楽室で他の女子生徒たちと谷沢のピアノ演奏を聴いているうちに、その子は睡魔に襲われ居眠りしてしまう。
以来、彼女は人の首筋を見ると、噛みつかずにはいられなくなり…。
A「晴れ、ドキドキ殺人」(「ハロウィン」1986年7月号)
その子は双眼鏡を覗いていて、殺人鬼が人を殺すところを幻視する。
最近、若い女性の連続殺人事件が報じられていたが、殺人鬼は彼女と同じ顔をしていた。
その晩、彼女が夜道を歩いていると、公園で何か物音が聞こえる。
恐る恐る近づくと、髪を振り乱した中年女が若い女性を包丁でめった刺しにしていた。
その子はその場から逃げるが、殺人鬼が追ってくる。
捕まりそうになった時、道路の真ん中で二人は車に撥ねられる。
一週間後、その子が意識を取り戻した時、彼女の心は殺人鬼の女の体に入っていた。
しかも、その子は三日前に退院しており…。
B「夏・怪談物語」(「ハロウィン」1986年9月号)
その子・貴子・みゆきの三人に骨董屋から食事会の案内が届く。
日時は8月13日の午後三時から、町はずれの洋館で開催であった。
山本と一緒に行くものの、洋館を探しているうちに、彼とははぐれてしまう。
ようやく三人は洋館を発見し、他の客と共にダイニングルームで食事をする。
骨董屋は三人に自分にも三人の娘がいたことを話し始める。
娘たちは反抗期に入り、彼に逆らうようになったため、彼はどうしたらよいか考える。
そして、彼の娘たちは彼の考えたとおりにおとなしく良い子になったと言うのだが…。
・「海に眠るレクイエム」(「ハロウィン」1986年2月号)
「理美は人が惨殺される夢を何度も見る。
しかも、夢の通りに人が現実に死んでいるのであった。
兄の陽一は彼女の話を聞き、彼女が寝ている間、そばにつくが、夢遊病というわけではない。
そこで、彼は一連の変死事件について調べる。
事件の起こった場所をたどると、彼らの住む町に徐々に近づいていた。
また、最初の事件が起こった江坂町は昔、行ったことがあり、両親にそのことについて尋ねると、明らかに様子がおかしい。
その夜、陽一が理美の寝室で彼女を見張っていると、理美に異変が起こる。
そして、窓の外には理美にそっくりな少女が現れるが、彼女の正体は…?」
・「死霊のえじき」(「ハロウィン」1986年5月号)
ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ三部作」の三作目、「死霊のえじき」のコミカライズです。
映画と違うところもありますが、まあまあうまくまとめていると思います。
・「R・T6041141」(1985年8月「LOST SHEEP」22)
「理佳子はいたずら電話をかけるのが大好きな女の子。
母親からは古い使われてない電話で遊ぶよう言われるものの、音が出ない電話では面白くない。
そんな時、停電が起こる。
母親がブレーカーを見に出ていくと、鳴らないはずの古い電話がベルを鳴らす。
理佳子が受話器を取ると…」
・「COROちゃんといっしょ」
阿部ゆたか先生による後書きに加え、アシスタントさん、後輩、ご友人の応援メッセージをまとめたページです。
青山剛昌先生や小林ぽんず先生の応援イラストがあります。
阿部ゆたか先生の最初のホラー単行本です。
後書きでホラーを描くようになった経緯が述べられており、ホラーが苦手な阿部先生はいろいろと苦労をなされた模様です。
そのために、どこか無理を感じる作品が多く、もともとの作者の軽さもあって、私の心にはあまり響きませんでした。
個人的には、「死霊のえじき」のコミカライズしか見どころはないと思います。
2026年3月31日 ページ作成・執筆